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スクープレポートもう我慢できない 北朝鮮で反乱「金正恩を国外追放せよ!」焦る暴君はロシア訪問をドタキャン
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43322
2015年05月20日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
晴れの「外交デビュー」をドタキャン。唯一の味方だったロシアをも呆れさせた金正恩第一書記。平壌でも、面従腹背の幹部たちが、いつ暴発してもおかしくない不穏な状況になってきた—。
■外遊している場合じゃない
「先日、あるスポーツ大会を見学に行ったら、すぐ近くに金正恩が、お忍びで来ていた。とてもイラついた様子で、常にタバコを咥えて、周囲に怒鳴り散らしていた。周囲は、まるで腫れ物に触るように接していた。
だが、よく観察すると、金正恩はとても哀しそうな眼をしていた。その様子は、私が前世紀末に見てきた崩壊直前の東欧諸国の独裁者を髣髴させるものだった」
こう証言するのは、北朝鮮のある友好国の駐北朝鮮大使だ。
5月9日にプーチン大統領が主催した対独戦勝利70周年記念軍事パレードに参加予定だった金正恩第一書記が、ドタキャンした。ロシア・セゴドゥニア通信社のコツバ・セルギイ日本副支局長が解説する。
「4月末に北朝鮮側から突然、『国内事情によって訪問を中止する』と通告してきたのです。
金正恩は父親の金正日と同様、シベリア鉄道に乗ってモスクワへ行く予定でした。そうなると往復だけで2週間、滞在を含めると3週間くらい要する。そんな長期間、国を空けたら、クーデターが勃発する—北朝鮮が言う『国内事情』とは、そういう意味だったのかもしれません」
金正恩は第一書記に就任して、この4月で3年を迎えたが、これまで一度も外国を訪問していない。孤立感を深める金正恩第一書記は、やはり国際的に孤立するプーチン大統領率いるロシアに急接近。今年5月の式典に出席すると、ロシア側に伝えていたのだった。ロシア外務省関係者が語る。
「北朝鮮側は、ロシア製の地対空ミサイル『S-300』を4基、代金は物々交換で購入したい、それを第一書記訪ロの目玉≠ノしたいと希望していた。われわれは、ドル払いにすることと、中国の了解を事前に取ることを条件に承諾した」
結局、金正恩は平壌に留まり、87歳と高齢の金永南最高人民会議常任委員長をモスクワに送ったのだった。韓国国家情報院関係者が証言する。
「謀反を警戒する金正恩は、側近たちを次々に電撃処刑≠キる恐怖政治を貫いています。処刑された幹部は、'12年が17人、'13年が10人、'14年は41人にも上った。
今年も4月までで、早くも15人の幹部を処刑しています。特に、'13年末にナンバー2の張成沢党行政部長を処刑してから、恐怖政治を徹底させるようになった。
こうした恐怖政治は一見すると、側近たちに緊張感を生んで求心力を増すかに思えますが、実際には、周囲がいつ暴発してもおかしくない状況を生んでいるのです」
典型的だったのが、昨年11月に粛清された馬園春国防委員会設計局長のケースという。
「馬園春は、金正恩が直接指導した元山郊外の馬息嶺スキー場や、平壌の紋繡遊泳場などの設計者でした。これらの功労として、朝鮮労働党副部長及び朝鮮人民軍中将に抜擢され、金正恩に最も寵愛を受ける側近として知られていたのです。
その馬園春が新たに設計した、順安空港(平壌国際空港)の新庁舎を視察した金正恩は、
『なぜ中国の真似事のような内装の空港を作ったのだ!』
と激昂。この一言で馬園春は引っ捕らえられ粛清されたのです」(同前)
■殺るか、殺られるか
どんなに忠誠を誓っている部下でも、些細なミスを犯せば直ちに処刑する—父親の金正日時代には考えられなかったことだ。金正日総書記は、部下がミスを犯した際には、一度ドン底に突き落として「再教育」し、その後、再起用して一層、忠誠心を高めるという統治手法を取っていた。
ところが金正恩第一書記は、部下たちの小さな失点を許さないばかりか、自分の指示がどれほど荒唐無稽であっても、逆らう者は即刻、粛清だ。
今年2月、平壌の大同江の川縁に、金正恩第一書記の肝煎りで、北朝鮮の最新鋭の科学技術を展示する「科学技術殿堂」の工事が始まり、視察に行ったという。ところが、その外観が気に入らなかったため、こう命じた。
「屋根の形を、現行のドーム型ではなく、『金日成花』(紫色の蘭)の模様に変えろ」
傍で聞いた国家計画委員会副委員長は思わず、
「そうなると、また一から工事をやり直さねばならないため、工期に間に合いません」
と答えてしまった。
その瞬間、金正恩の怒りが沸騰し、副委員長はたちまち引っ捕らえられ、公開処刑にされてしまったというのだ。
同様に林業省副大臣も今年1月、金正恩が命じた山林緑化計画が、あまりに現実離れしていることを指摘したところ、逮捕→処刑となった。国情院関係者が続ける。
「もはや表だって金正恩の指示に異を唱える側近はいなくなりました。いま平壌では、『適者生存』という言葉が流行語になっています。どんなに無謀な指示がトップから出されようとも、それに適応していかなければ生存できないという、皮肉を込めた表現です」
4月30日には、ニューヨークの国連本部で、前代未聞のハプニングが勃発した。国連北朝鮮代表部の羅ソンチョル参事官が、会議の最中に突然、傍聴席のマイクのスイッチをオンにして、アメリカを非難する声明を読み上げ始めたのだ。
議長が発言を止めるよう呼びかけても、羅参事官は無視し、15分近く大声で朗読。そのあげく、3人の北朝鮮代表団は、議場から退席した。
呆れ返った各国の外交官たちは、
「お前の国は野獣の集団か?」
「世界から金正恩を追放せよ!」
などと声を挙げ、場内騒然となったのだった。
「羅ソンチョルらが奇行≠ノ出たのは、そうしないと直ちに自分たちに帰国命令が下り、処刑されてしまうからです。いまの北朝鮮は、『東アジアのイスラム国』とも言うべき末期的な状況に陥っているのです」(同前)
■誰も助けてくれない
平壌を頻繁に訪問している中国朝鮮族の実業家に、先週北京で話を聞いた。この実業家によれば、「張成沢処刑の影響が大きかった」という。
「張成沢を処刑したのは一昨年暮れだったのに、金正恩は昨年秋に再び、『張成沢に連座していた』として、10人以上の幹部を処刑した。その頃から、幹部たちは完全に面従腹背になったのだ。
いまや年長の北朝鮮幹部たちは、私のような外国人に対しても、二人きりになると、『あの若造めが!』とあからさまに金正恩を非難するようになった。このようなことは、金日成・金正日時代には、決してなかった」
金正恩は、いまからちょうど2年前の4月下旬に、クーデター未遂に遭っている。特殊装備のベンツで平壌市内を走行中に、自爆テロを狙った軍車輌が突っ込んだのだ。
この時は、婦人交通警官のとっさの機転で、九死に一生を得た。金正恩は直ちに、金格植人民武力部長(国防相)と玄哲海同第一副部長を解任。憂さ晴らしに短距離ミサイルを6発も、日本海に向けてブッ放した。
金正恩の求心力は2年前と較べて落ちており、軍による同様の暴発が懸念される。本人もそのことを分かっているため、疑心暗鬼になって些細なことで幹部を粛清。さらに求心力を下げるという悪循環だ。
中国の外交関係者も、次のように証言した。
「すでに習近平総書記に対して、『金正恩は朴正煕型、チャウセスク型、ヒトラー型のいずれかで失脚する可能性がある』と報告を上げている。すなわち、側近による暗殺、人民による反乱、そして孤立の末の自爆だ。
習近平政権は『金正恩を相手にしない』という方針が顕著だ。わが国が設立するAIIB(アジアインフラ投資銀行)には57ヵ国が参加するが、アジアで唯一、北朝鮮だけはこちらから拒否した」
万一、北朝鮮有事になれば、金正恩ファミリーが国境を越えて中国に逃れることも考えられるが、「断固拒否する」という。
アメリカのデニス・ブレア元国家情報長官も、次のように語る。
「わが国はキューバとの歴史的な国交正常化を果たすが、金正恩が支配する北朝鮮とは、同様のことは考えていない。それどころか、北朝鮮のあらゆる事態≠ノ備えておかねばならない」
韓国聯合ニュースは5月5日、北朝鮮が新たに建設した国家宇宙開発局の「衛星管制総合指揮所」を、金正恩第一書記が、平壌の私邸の隣に持ってきたと報じた。機密保持のためと思われるが、いよいよ誰も信じられなくなった32歳の指導者は、国内外で孤立感を深める一方である。
「週刊現代」2015年5月23日号より
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