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金正恩氏、権力集中に腐心
北朝鮮、あす第1書記就任3年 側近の序列入れ替え
【ソウル=加藤宏一】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が側近の更迭や昇格を繰り返し、自らへの権力集中を急いでいる。朝鮮中央通信によると9日、平壌で国会に当たる最高人民会議が開かれ、経済政策や国防委員会の人事が発表された。第1書記就任から11日で3年を迎える正恩氏は欠席した。人事権を利用して独裁体制を確立し、核開発と経済再生を進める正恩氏だが、外交上は一層孤立を深めている。
会議には金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長や朴奉珠(パク・ボンジュ)首相らが出席した。しかし、正恩氏は足の不調が伝えられた昨年9月に続き、2回連続で姿を見せなかった。
会議では、正恩氏が最優先課題として強調してきた「人民生活の向上」を反映し、農畜水産業の生産拡大を通じた食糧問題の解決や、核開発と経済再生の「並進路線」を進める方針などが改めて示された。
注目された人事では、国防委員会の委員として、昨年夏時点では序列10位だった朴道春(パク・ドチュン)氏に代わり、朝鮮労働党の地方幹部で序列79位だった金春燮(キム・ジュンソプ)氏が選出された。
金正日(キム・ジョンイル)総書記が亡くなった2011年末以降、正恩氏は側近が権力を持ちすぎることを認めない独裁体制の基盤固めに腐心してきた。身内では13年末に叔父で党行政部長などを務めた張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑。叔母の金慶喜(キム・ギョンヒ)氏に健康不安説が流れるなか、妹の金与正(キム・ヨジョン)氏を党副部長に起用した。
張氏に代わって一時、国防委員会副委員長に就くなど、事実上のナンバー2の地位を固めたとみられていた崔竜海(チェ・リョンヘ)氏、黄炳瑞(ファン・ビョンソ)氏の間では朝鮮人民軍総政治局長や党政治局常務委員などの重要ポストを頻繁に入れ替えた。韓国世宗研究所の鄭成長(チャン・ソンジャン)首席研究委員は「崔氏の地位が急浮上する中で傲慢な態度がみられたことから(序列の入れ替えで)引き締めを図った」とみる。
韓国統一省によると、正恩氏の随行人物として報道などで確認された幹部の登場回数は13年に崔氏が153回で1位。だが、14年は黄氏が126回で、57回の崔氏を逆転している。自らに近い側近の序列を頻繁に入れ替え、時に更迭も辞さない。こうした正恩氏の姿勢について、韓国政府当局者は「未熟なリーダーシップから(内部では)不信と反感の悪循環が生まれている」と分析する。
一方で外交面では隣国との関係改善が進んでいない。3度目の核実験を実施した13年2月以来、友好国の中国との関係も冷え込んだままで、南北関係も突破口はみられない。最大の交渉相手とみなす米国との関係は今も停滞したままだ。
米欧など6カ国とイランが同国の核開発を巡る枠組みで合意する中で、北朝鮮の孤立は際立つ。外交で手詰まりが続けば、核実験などの挑発行為に乗り出すとの懸念は根強い。
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最高人民会議は欠席 権力基盤が固まる兆候か
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が9日の最高人民会議を欠席した背景について臆測が広がっている。韓国政府の関係者は「正恩氏の権力基盤が固まりつつあり(威厳を誇示するために)会議に何度も出席する意味が無くなったのではないか」との見方を示す。ただ、父親だった金正日(キム・ジョンイル)総書記も何度か会議を欠席したことがあり、最高指導者の欠席自体は珍しいことではない。
一方で、韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮の朝鮮中央テレビは8日、正恩氏が機械工場を視察する際に右手首に大きなガーゼを貼っている姿を報じ、負傷した可能性があると伝えている。ただ今回の欠席との関連性は不明だ。
(ソウル=加藤宏一)
[日経新聞4月10日朝刊P.6]
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