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就任3年目の朴大統領を襲う内憂外患、韓国病〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150327-00000007-sasahi-kr
週刊朝日 2015年4月3日号より抜粋
就任3年目を迎えた韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の正念場が続く。ノンフィクションライターの菅野朋子がその現状を明らかにする。
* * *
「絶対に壊れないとされた鉄壁の数字を下回ったことは、支持者すら大統領から離れたことを表している」(韓国全国紙記者)
任期5年の折り返しの年に入った朴槿恵大統領の支持率が1月末、29%に落ち込んだ。“鉄壁”といわれる支持層である不動の保守派30〜40%を割り込んだ格好で、レームダック(死に体)も囁かれ始めた。
だが、皮肉にも朴大統領の危機を救う一大事が起こった。3月5日、マーク・リッパート駐韓米国大使が公衆の面前で襲われる事件が起き、大使は顔や腕に80針を縫う深い傷を負った。
事件後、保守派から北朝鮮関係説が飛び出すと、進歩系はこれに反発して保守派勢力の陰謀論を持ち出した。すると、大統領の支持率は39%にまで回復した。
「これは、安保に敏感な保守派が結束したもの。これが持続するかどうかはわからない」(明知大学の金亨俊[キムヒョンジュン]教授)
ソウルに住む50代の会社員は言う。
「孤独な運動家が起こした、愚かなテロなのに、警備の不備を追及されるべきが不問にされて大統領はまたも責任逃れ。こんな事件が起きると必ず北朝鮮関係説や陰謀論が出て、保守vs.進歩のイデオロギー対立にすり替わる。韓国社会はいつまでたっても分裂を繰り返すばかりで、こうした“韓国病”にはうんざりする」
就任1年目の2013年には、北朝鮮への原則を貫いた対応やG20、訪越などの外交が評価され、一時は60%を超える支持があった朴大統領だが、それが崩れ始めたのは、今も記憶に生々しい昨年4月に起きた旅客船セウォル号の沈没事故からだ。
犠牲になった乗客295人(行方不明者9人除く)のうち251人は修学旅行で乗り合わせた10代の高校生だった。沈みゆく船内を写した携帯動画が公開されると、韓国社会は重苦しく、沈痛な雰囲気に覆われた。
船が沈んでいったとき、その様子はリアルタイムで報道されたが、その間、政府は生存・死亡者数すらまともに確認できず、対応は二転三転、後手に回った。
「このときの喪失感は言葉では言い表せない。さらに憂鬱にさせられたのが、事故後、真相究明などを盛り込んだセウォル号特別法を巡る野党との対立で、これで国会はストップし、政治の空白を作った。年末にかけては側近の国政介入疑惑も浮上して、そんな右往左往ぶりに不信感が増していた。そこへ増税なしと言っていたのに年末精算(日本の年末調整)では前よりも多く税金を払わされたし、景気はずっと上向かない。組閣の人事も検証不足で迷走ばかり。もう嫌気がさしてきている」(30代の会社員女性)
大統領の任期中、世論は、期待、失望、怒り、嫌気、そして無関心の5段階で進むといわれる。3年目は普通なら失望の時期に当たるが、朴大統領の場合は、「もうそれを超えて怒りに達している」と前出の金教授は言う。
「不信が累積していたところへ、今までの積もり積もった不満が一気に噴き出た。支持率低下はコミュニケーション不足や経済政策などとも分析されたが、直接的には、所得税の新制度導入で会社員を圧迫し、そして冷え込んだままの内需は、リタイアして自営業に転じている支持層のベビーブーマー世代(1955〜63年生まれ)を苦しめ続け、さらに今年行うとされる公務員の年金改革では公務員を悩ませている。今までじっと耐えて支持してきた人たちは不利益ばかり被って、懐は一向に潤わない。そんな怒りが爆発したんです」
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