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韓国をめぐり火花を散らす中国の習国家主席(左)とオバマ米大統領(新華社=共同)
朴政権「コウモリ外交」いよいよ限界 米中高官がソウル入り 踏み絵迫る
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150317/frn1503171830004-n1.htm
2015.03.17 夕刊フジ
朴槿恵(パク・クネ)大統領率いる韓国が、窮地に立たされている。米国と中国の政府高官が相次いでソウルに乗り込み、米国の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」(THAAD)の韓国配備や、中国が主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)への参加をめぐり、踏み絵を迫っているのだ。朴政権の十八番である「コウモリ外交」が限界に達しつつあるようだ。
「中国側の関心と憂慮を重視してもらえるとありがたい」
中国の劉建超外務次官補は16日、ソウルの韓国外務省で、韓国の李京秀(イ・ギョンス)外務次官補との協議後、THAADについて記者団にこう語った。
THAADには、迎撃ミサイルとともに、敵のミサイル発射を早期探知する高性能レーダーの配備も必要となる。中国国内のミサイル基地の動向が丸裸になるため、中国は猛烈に反対している。
韓国はこれまで「米国から要請はなく、協議も決定もしていない」という曖昧戦略を取ってきた。これに対し、保守系紙の朝鮮日報は「信念も、対策も、決定もない三無外交だ」と批判している。
劉−李会談では、劉次官補がTHAAD配備への懸念を伝えると同時に、昨年7月の中韓首脳会談で、習近平国家主席が朴大統領に直接参加を要請したAIIBへの参加も重ねて求めた。AIIBの創設メンバーの参加期限は今月末。劉次官補によると、韓国側は「経済的実益を考慮して決定する」と答えたという。
同日、ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)もソウルに到着した。
ラッセル氏はまず、今月初め、韓国人の暴漢に襲われて負傷したリッパート駐韓米国大使を見舞い、翌17日午前、韓国外務省で李次官補と会談。同日、趙太庸(チョ・テヨン)外務次官とも協議する。THAAD配備や、AIIB参加問題が主題となるとみられる。
米国は、中国が世界銀行や日米主導のアジア開発銀行(ADB)に対抗する形で設立を目指すAIIBについて、「資金力に物をいわせた覇権志向」(米政府当局者)を感じ取り、関係国に参加を見送るよう働き掛けてきた。
日本政府は16日、AIIBへの参加を、現段階では見送る方針を固めたが、韓国は自国の建設、土木、通信企業の域内進出に有利になるのは確実として、これまで態度を留保してきた。
ハンギョレ新聞(日本語版、15日)によると、ラッセル氏の訪韓は14日に突然発表されたといい、「ソウルを舞台に、2大国間の高位級外交戦の幕が上がったのではないか」「今回の『同時訪韓』により更なる負担を抱えることになった」などと報じている。
朴政権はこれまで、安全保障では米国に大きく依存する一方、経済では最大貿易相手国の中国に依存する「二股外交」「コウモリ外交」を展開してきた。今後、朴大統領はどのような判断を下しそうか。
『ディス・イズ・コリア』(産経新聞出版)がベストセラーのジャーナリスト、室谷克実氏は「李明博(イ・ミョンバク)政権の末期から続く、コウモリ外交がいよいよ瀬戸際に立たされている」とし、続けた。
「韓国が望むシナリオは、THAAD配備を在韓米軍に主導させ、それを追認する形にして明確な意思表明をしないことだ。中国には『米軍が勝手にやった』というポーズを取りつつ、米韓同盟を堅持する腹づもりだ。一部には『駐韓米国大使襲撃事件で米国に譲歩せざるを得なくなる』との見方もあるが、事件後、国内で親米ムードが盛り上がったため、逆に米韓同盟の強固さを示すことに成功した。朴政権は、これまで以上に『コウモリ外交』を加速させて乗り切るつもりだろうが、いつまでも、そんなご都合主義がまかり通るはずがない。想定するシナリオが破綻したときは、いよいよ、朴政権も追い詰められるだろう」
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