このイスラム国の宣伝映画、初めて見ました。
アラビア語はわかりませんが、フランス語の部分のみ、なんとか理解。

う〜ん、彼らの主張は、土台から近代市民社会とは相容れませんね。
彼ら自身、「民主主義は人間を神格化した宗教」であるのに対し、
アラーは彼らに宗教としてイスラムを認めて下さった、
(民主主義とイスラムという)二つの宗教を同時にもつことはできない、
と明言しています。

イスラム教の神は嫉妬深いことで有名で、自分以外のものを信じてはいけない、と繰り返し説く宗教です。

つまり、(彼らの主張では)民主主義の否定がイスラムということになります。

イスラムに少しでも逆らう者は「殺せ！　殺せ！」と説く宗教なんて、有用性のある宗教ではなく、ただの殺人カルトですよ。

それにしても、希望の片鱗もない勧誘映画です。
「偽善と無信仰者」に対する殺戮を呼びかけていますが、そうして主(神)の道に入った先に待っているのは「天国」だそうです。つまり我々の感覚では「死」です。(彼らの感覚では、現世など来世に比べれば取るに足りないものだそうですが。)

一言で言えば、イスラム国が志向しているのは「集団自殺」です。
彼らは来世で生きるつもりであり、自分たちが死ぬに当たって、我々無信仰者を「巻き添え」にしたいということのようです。

彼らをそこまで追いやったのは、西欧社会における移民差別かもしれません。
しかしその解決策は、本来なら、無信仰者の殺戮ではなく、社会改革しかないはずです。
神に全てをゆだねる宗教には解決できないことでしょう。発想が根本から間違っています。

異教徒や無信仰者を「殺せ」という宗教はカルトであり、尊重するに値しません。
そこには生命の慈しみも、人間の善性の肯定もありません。
あるのは虚無主義だけです。