今思えば、イラク人はフセイン派だったかもしれない。自分の国は社会主義だと言っていたから、バアス党の党員だったのかもしれない。イスラエルの問題については、自分たち(アラブ人)にもユダヤ人の血は混じっている(皆混血している)と言っていた。
シリア人は、シリアのアサド大統領の先代にそっくりな顔をしていた。同じ部族なのかもしれない。彼も自分は社会主義者だと言ったような気もするが、時間が経ちすぎていて、私の記憶は定かではない。

イエメン人の女の子は、当時分裂国家だった南イエメンの社会党員だった。彼女に誘われて、私はフランス共産党のユマニテ祭に初めて行った。
友好国の外国人のスタンドが沢山あった。「進歩的ユダヤ人」のスタンドもあった。スタンドの表示名を見て、私はシオニストではないユダヤ人がいることを知った。

彼ら彼女らから、私は狂信的なものは何も感じなかった。高学歴者で知識人だからかもしれないが、「宗教」や門閥、部族制を離れた社会や国家ができれば、この地も平和になるだろうと思う。
中東は世界でも君主制が多く残存している地域だ。君主制の廃止と非宗教国家の樹立は社会進歩と平和のための必須条件だろう。