144. 2015年1月31日 21:07:18
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2015.1.31 00:32 【イスラム国殺害脅迫】 後藤さんの妻の闘い 「夫は善良で正直な人間です」 気丈「助けたい」一心 【過激組織「イスラム国」】 http://www.sankei.com/affairs/news/150131/afr1501310003-n1.html 後藤健二さんの妻が29日に出した声明によると、「イスラム国」側から最初にメールで連絡を受けたのは昨年12月2日。湯川遥菜(はるな)さん(42)と後藤さんの身代金として2億ドルを要求する映像がインターネット上で公表された今月20日以降は、イスラム国側との間で、数本のメールでのやり取りがあったという。 〈夫の命を救うために戦ってきました〉 〈私は、これが夫にとって最後の機会になると恐れています。夫の解放とモアズ・カサスベ中尉(ヨルダン人パイロット)の命を救うために残された時間は、あと数時間しかありません〉 後藤さんの妻は声明で、メールを通じたイスラム国との“攻防”や、それに対する不安などを、そう記している。 「一番心配し、つらいのが家族。後藤さんの妻は後藤さんと同じか、むしろそれ以上につらいはず。そんな状況で声明まで作らされるとは…」。後藤さん夫妻と面識があり、イラクで拘束された経験を持つジャーナリストの安田純平さん(40)は後藤さんの妻の心境を、こうおもんぱかる。 安田さんによると、イスラム国は他の外国人を拘束した際も水面下で家族を脅迫していたが、表立って家族を脅迫に利用したのは今回が初めてだという。 × × 〈夫は善良で正直な人間です。人々の苦境を伝えようとシリアに向かいました〉 〈湯川遥菜さんの状況についても探ろうとしていたと思っています〉 イスラム国の支配地域に入った理由をそう記す後藤さんの妻。声明ではイスラム国への非難を一切封印しているが、安田さんは「一番、イスラム国を非難したいのは後藤さんの妻。後藤さんを助けるために全てのみ込んでいるのだろう」とみる。 シリアやレバノン、パレスチナなどで武装集団に拘束された経験があるフォトジャーナリストの豊田直巳さん(58)は「家族にまでメールを送りつけて脅迫するやり方は本当に卑劣だ。後藤さんの妻の恐怖や苦しみは計り知れないものがある」と語る。 × × 〈2人の娘には、父親を知りながら成長してほしいと思っています〉 幼い子供たちと父親との再会を望む後藤さんの妻は、一方で解放に向けた努力を続ける人々を気遣い、こう述べている。 〈両政府のすべての努力に感謝いたします。ヨルダンと日本の人々の思いやりにも感謝いたします〉 豊田さんは「自分を支えるのに精いっぱいという心理状態の中、小さなお子さんたちを不安にさせないように、笑顔を作って踏ん張っておられるのではないか」と話す。 一方で「イスラム国が何度も声明を出しているのは交渉を進めたいという意思の表れで、後藤さんの妻へのメールは、交渉成立に結びつけるため圧力をかけるメッセージなのかもしれない」とも推測。「そうすると後藤さんは生きていると考えられる。望みを捨てず後藤さんが無事に戻ると信じてほしい」と訴えた。 後藤さん妻の声明全文 産経新聞 1月31日(土)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150131-00000080-san-soci 「イスラム国」に拘束されている後藤健二さんの妻が、29日に公表した声明の全文は次の通り。 私は、シリアの組織によって拘束されているジャーナリスト、後藤健二の妻です。彼は昨年10月25日、私の元から連れ去られました。以来、私は彼の解放のために水面下で動き続けてきました。 私は今まで声を上げませんでした。それは、夫の置かれた苦境が作り出した世界中のメディアの注目から、私たちの子供と家族を守るためでした。 夫と私には2人の幼い娘がいます。赤ちゃんの娘は健二が出発したとき、わずか生後3週間でした。私はまだ2歳の娘が父親に再会できることを願っています。2人の娘には父親を知りながら成長してほしいと思っています。 夫は善良で正直な人間です。人々の苦境を伝えようとシリアに向かいました。夫は湯川遥菜さんの状況についても探ろうとしていたと思っています。遥菜さんの死を本当に悲しく思い、彼のご家族に心から同情いたします。ご家族がどれだけつらい思いをされているか痛いほど分かるからです。 夫がトラブルに巻き込まれたと気付いたのは、昨年12月2日、夫を拘束する組織から一通のメールを受け取ったときでした。 1月20日に湯川さんと夫の命と引き換えに、2億ドルを要求するビデオを見ました。それ以来、組織と私の間で数本のメールのやりとりがあり、夫の命を救うために戦ってきました。 過去20時間に、誘拐犯は最新で、最後とみられる要求を私に送ってきました。 「(妻の名前)、おまえは今、このメッセージを世界のメディアに公表し、さらさなければならない! さもなければ健二が次だ! もしサジダ(・リシャウィ死刑囚)が健二との交換に備え、1月29日木曜の日没までにトルコ国境にいなければヨルダン軍パイロットは即座に処刑されるだろう」 私は、これが夫にとって最後の機会になると恐れています。夫の解放とモアズ・カサスベ中尉(パイロット)の命を救うために残された時間は、あと数時間しかありません。私はヨルダンと日本の両政府に、この2人の命運が両政府の手中にあることを理解していただきたいと思います。 両政府のすべての努力に感謝いたします。ヨルダンと日本の人々の思いやりにも感謝いたします。子供の頃、私の家族はヨルダンに在住しており、私は12歳までアンマンの学校に通っていたので、ヨルダンとヨルダンの人々には特別の愛着と思い出があります。 最後に、私の家族、友人、そして夫の同僚に対し、この3カ月にわたる娘と私への支援に感謝します。 夫とカサスベ中尉の無事を祈っています。 (原文は英語。個人情報に関する部分を一部割愛) 2015.1.30 23:16 【イスラム国殺害脅迫】 「日本人記者を誘拐せよ」 「イスラム国」支持者らネットに書き込み 横行する人質ビジネス 【過激組織「イスラム国」】 http://www.sankei.com/world/news/150130/wor1501300062-n1.html 解放交渉が行き詰まり先の見えない展開となり、在ヨルダン日本大使館前で待機する報道陣=30日、アンマン(共同) http://www.sankei.com/world/photos/150130/wor1501300062-p1.html 【アクチャカレ(トルコ南部)=内藤泰朗】「日本人記者を誘拐し別の捕虜交換に利用しろ」−。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の支持者らが29日、後藤健二さん(47)ら人質事件を取材する日本人記者を標的にした書き込みをツイッター上でしていることが明らかになった。過激派支配地域では、人質を売買する誘拐ビジネスが横行、記者活動は厳しい状況に置かれている。 地元トルコや日本、欧米の報道陣数十人は29日、後藤さん解放の可能性があるとみて、シリアのイスラム国支配地域の「正面玄関」で、過去に人質交換が行われたアクチャカレ検問所の前に集結した。 しかし、ツイッター上では、イスラム国支持者とみられるユーザーらが検問所前で待機する日本の報道陣の写真を掲載。中には記者の顔がはっきりと判別できる写真もあり、ユーザーらからは「このうちの誰かを誘拐して、別の捕虜交換に利用しろ」といった書き込みが相次いだ。 欧米メディアの記者たちによると、シリア北部では昨年以降、通訳やガイドを装って外国人に近づき、数万ドル(数百万円)でイスラム国に売り渡す誘拐ビジネスが横行。イスラム国が敵視する米英など欧米を中心とした記者たちが最大の標的になっている。 後藤さんも、仲介していた同行ガイドに裏切られ、人質取引の材料となった可能性が指摘されている。29日の日本記者への脅しは、日本人も標的の一つになったことを示した形だ。 イスラム国は、500万ドル(約6億円)程度とされる高額の身代金のほか、欧米に屈しない姿勢を世界に誇示する政治宣伝などを目的に、人質の国籍で使い分けている。今回は、日本とヨルダンの人質2人を使って両国の対テロ連携を引き裂く狙いがあるものとみられている。 「国境なき記者団」(本部・パリ)は先月、昨年1年間で、イスラム国の支配地域があるシリアとイラクで計47人のジャーナリストが誘拐されたことを明らかにした。これは世界で誘拐された記者の4割に当たる数だという。 過激派に詳しいトルコ人記者は「イスラム過激派たちは、外国の記者たちはすべてイスラム国の破壊をもくろむスパイだという基本的な認識をもっている。そのスパイを逆に利用して敵(外国)に打撃を与えるのは正当なことだと考えている」と指摘した。 ヨルダンで救出デモ「2人は必ず帰ってくる」 産経新聞 1月31日(土)7時55分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150131-00000105-san-soci
【アンマン=森本充】死刑囚との交換期限とされた「日没」から一夜明けたヨルダンでは30日、「イスラム国」に拘束されている後藤健二さんとヨルダン人パイロットの2人の身を案じる声が聞かれた。 金曜日のこの日、ヨルダン国内は休日で、地元警察によると、礼拝後に救出を求めるデモが行われる。タクシー運転手のイブラハム・アイヤーダさん(58)は「日本人ジャーナリストに非はない。パイロットもヨルダンのために働いていた。2人が無事に解放されることを願う」と話す。 ヨルダン政府は、パイロットの生存が確認されない限り、死刑囚の釈放に応じない姿勢を見せており、多くの市民も「生存確認は交渉開始の大前提だ」と理解を示している。 フセイン・ムハンマド・フセインさん(48)は「イスラム国の設定する期限は単なるパフォーマンスにすぎず、2人は必ず帰ってくる。ヨルダン政府は期限を気にせず、じっくりと交渉すればよい」と語った。
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