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「最期の一撃」解読・・・その1 日本軍人と右翼思想
http://takedanet.com/archives/1016675244.html
2014年12月31日 武田邦彦 (中部大学)
最期の一撃のシリーズを執筆していますが、なにしろ戦争のことであり、「戦争は嫌い」という人が多いですし、「戦前の軍部は侵略戦争をした」と思っている人もいます。また右翼というと戦争賛成、再軍備賛成、原発賛成、秘密保護、はては憲兵、言論圧迫などを思い浮かべる人も多いでしょう。
でも、「戦前の日本の軍人は右翼ですか?」と質問すると100人が100人、「それは右翼ですよ」と答えるでしょうし、まして「マレーの虎」と呼ばれた日本陸軍中の陸軍軍人・山下大将ともなると、右翼に決まっていると思っている人が多いと思います。彼の風貌から見ても、丸刈りの頭、ごつい顔、軍刀、勲章、テコでも動かないような頑固そうな顔・・・と到底、現在の「チャライ男」とはかなりの距離があります。
でも、山下大将の考えは、1.人間には道徳的判断力が一番、大切、2.科学は戦争のためではなく生活を豊かにするものに限るべきだ、3.女性は男性とともに社会を支えなければならない、4.日本軍人の多くも、意見を言わない女性も日本のためにならず、その言動はほぼ同じだ、5.立派な人物を育てるうえで母親の影響がもっとも大きい、などで、この考えが現代の知識人、右翼、左翼、女性議員、善良な日本人などの誰に一番近いかというと、紛れもなく善良な日本人で、到底、アメリカの影響下にある知識人、思想的に強い考えを持つ右翼や左翼、一部の女性の利害を代表しがちな女性議員などとは一線を画しています。
「なぜ、日本軍の軍人中の軍人が、21世紀の善良で平和を愛する日本人と同じなのか?」と問わなければなりませんし、これはなんら驚くことでもありません。現在の私たちの先入観、日本軍人=戦争好きの右翼 とか、戦前の軍部=暴走 というのは戦後のアメリカ占領政策の中で創造されたものだからです。
どんな時でも「事実を見る勇気」は必要で、その一環としてまず「山下大将の遺訓」と整理してみました。人はその命が絶たれるとき、その人の心の底にあるものがでます。山下大将は軍人ですから、政府が戦争を始めれば命令によって軍務にあたるので、見かけは戦争をする人のようにみえますが、真実を表現すると「戦争は政府がしたいと思うものであり、軍人はそれに応じて戦争を職とする人である」と言えるでしょう。
例外はあります。戦前の日本軍人の中でも「戦争をしたくてたまらなかった人たち」がいないわけではありません。それは膨大な軍組織ですから、当然でもあります。しかし、戦争を始めたのは、軍人ではなく、第一に国民(マスコミに誘導されたことはありましたが)、第二に政府でした。戦争が近づいてきた時、アメリカとの和平を主張する人に対して「腹を切れ」という趣旨のバッシングをしたのはほかならぬ、朝日新聞を中心としたマスコミでしたし、その報道を喜んで好戦的新聞を買ったのは日本国民だったのです。
日本国民が日本国民を非難するのは辛いので、誰かに責任を転嫁したい・・・その気持ちはわかりますが、やはり今後の平和のことを考え、子供の未来を心配するなら、安易に軍部を非難せず、なぜ戦争に至ったのかを冷静沈着、大人として親としての勇気と覚悟を持つ見る必要があるでしょう。
山下大将の遺訓は私たち日本人がこれから憲法改正の議論(まずは議論です)を控え、平和国家を築くためにはどうしても必要な第一歩と考えています。
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