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最期の一撃 第四話 山下大将の第四遺訓
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2014年12月30日 武田邦彦 (中部大学)
「私のいう教育は幼稚園、あるいは小学校入学時をもって始まるのではありません。可愛い赤ちゃんに新しい生命を与える哺乳開始の時をもって始められなければならないのであります。
愛児をしっかりと抱きしめ乳房を哺ませた時、何者も味うことの出来ない感情は母親のみの味いうる特権であります。愛児の生命の泉としてこの母親はすべての愛情を惜しみなく与えなければなりません。単なる乳房は他の女でも与えられようし又動物でも与えられようし代用品を以ってしても代えられます。然し、母の愛に代わるものは無いのであります。
母は子供の生命を保持することを考えるだけでは十分ではないのであります。
子供が大人となった時、自己の生命を保持し、あらゆる環境に耐え忍び、平和を好み、協調を愛し、人類に寄与する強い意志を持った人間に育成しなければならないのであります。
………これが皆さんの子供を奪った私の最後の言葉であります。」
妊娠した女性は臨月を迎えると徐々に体内時計が変化し、授乳時間に合わせて眠りが浅くなる。平均して2、3時間ごとに授乳が必要な赤ちゃんが泣いて乳房を欲しがった時に起きるためだ。夫にはそんな変化はない。男女が等しく国を支えるのは当然だが、男女が「同じことをする」のは男女共同参画ではない。
赤ちゃんはお母さんが好きだが、お父さんにはゴマをする。それは人間が動物時代、「父親の子殺し」を体験し、それが遺伝子にあるからだ。夫婦と子供ふたりのネズミの家庭で、子供を他人の子供を入れ替えるとメスは気がつくが、オスは気がつかない。
次にメス(お母さん)を入れ替えると、オス(父親)は直ちに子供を殺す。オスはじぶんの子供を見分けることができず、メスが自分の連れ合いだった場合に、その横にいる子供は自分の子供と認識できるだけだ。
だから、新生児、乳幼児を母親から離すのは子供にとって不安な環境を与えることになる。最近、いかにして子育てをサボるかという視点から(それが「生活のため」というお金の場合が多いが)、男性が育児を担当することがあるが、慎重にしなければならない。山下大将が指摘しているように、子供こそ次世代の日本の宝であり、授乳を基本とする子育てで母親の果たす役割は大きい。
戦場では母親があれほど懸命に育てた子供の命を奪う命令をくだす。その度ごとに山下大将はその兵士の母親の顔を思い浮かべたに相違ない。でもそんなことは平和日本では二度としてはいけない。そして母親の任務はただ子供を育てるだけではなく、その子供が「大人となった時、自己の生命を保持しあらゆる環境に耐え忍び、平和を好み、協調を愛し人類に寄与する強い意志を持った人間に育成する」のは母親の役目である、母親しかできないのだと彼は思ったのだった。
マレーの虎と呼ばれ、勇猛果敢な陸軍大将として名を馳せた山下大将の胸中には、道徳的判断力、軍隊のいらない技術力、貞節で自律的な女性、そして無限の愛で優れた子供を育てる母親、それこそが戦争で傷んだ日本を立て直す大切なことして浮かんだ。
現代の日本は一時、山下大将の遺訓通りに進んだが、途中で愚劣な輩に掻き回され、また逆の道を歩いていこうとしているように見える。白人と苦闘した日本、やむを得ない戦争で多くの犠牲を出した日本、その渦中にあって「正しい人、山下奉文」の遺訓は日本の宝である。
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