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戦争とは
知らない者同士の殺し合いであり
それで利するのは
互いを知りながら殺し合わない者たちである。
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ポール・ヴァレリー(フランス第三共和政時代の詩人)
NHKBS1で放送された第一次世界大戦を題材としたBSドキュメンタリー「最後の戦死者 伝令トレブション」より
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米国連邦政府は、9.11を契機として、独りよがりの(メチャクチャな)根拠で個別的自衛権を発動し、アフガニスタンとイラクに軍事侵攻した。アフガニスタンでは、NATO諸国も集団的自衛権の発動というかたちで参戦し、イラクでは、英国を中心とした有志連合が参戦し日本も占領期の復興支援や後方支援という名目で参戦した。
侵略されたアフガニスタンとイラクの民間人の犠牲者は、推定だがおよそ23万人に達するとされている。こちらのほうがより悲惨で耐え難いことだが、テロの危機と愛国心を煽ることで延べ数十万人の兵士を戦場に駆り立てた米国連邦政府の帰還兵に対する使い捨て的処遇にはあきれ果てる。
昨日(23日)朝NHKBS1で放送された「BBCニュース」は、「1日平均22名の自殺」というショッキングな数字を冒頭に掲げ、米軍帰還兵の問題に焦点を当てた。
内容は、四肢のいずれかが欠損する傷を負った兵士が、精神的リハビリの一環としてアフガニスタンを再訪した状況を撮影したものである。
「1日平均22名の自殺」ということは1年間におよそ8000名が自殺していることを意味する。
開戦から今年夏までほぼ13年間の米軍関係者死者数は、アフガンでおよそ2400名、イラクでおよそ4500名とされている。アフガニスタンとイラクを合わせておよそ7000名である。
戦地での体験からPTSDで苦しむ帰還兵の割合は多い。四肢のいずれかが欠損するような傷を負ったひとは、心身ともに耐え難い日々を送ることにもなる。何より、家族や地域社会における人間関係で苦しむ。自殺という道を選ぶ人もいれば、かつて最愛だった家族を殺してしまう人もいる。
大規模な対イスラム戦争の端緒であった91年の湾岸戦争でも、劣化ウラン弾の影響が考えられる病気や遺伝子損傷を含む帰還兵に対するケアの貧困が大きな問題になった。
米国は、帰還兵から処遇をめぐって怨嗟の声が沸き上がっている状況にあるにも関わらず、「イスラム国」を名目としてイラクに再び派兵する動きを見せている。
西側的立場で考えても、アフガニスタンもイラクも、何ら成果があげられなかったどころか、混迷と対立をより深めてしまう結果になったと言えるだろう。(それが目的だとも言えるのだが...)
「テロと人道」を紡ぎ出す(でっち上げる)ことで蛮行的軍事行動を正当化し、それでますますドツボにはまっていくような米国との“集団的自衛権”は、そぶりだけちらっと見せて有名無実化してしまうのが賢明である。
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