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アフガンの新人警察学校の卒業生が、今月末に戦闘任務を終える米軍などの国際部隊に代わって、治安維持の前線に送られる。国際部隊は今、現地の警察部隊の育成に力を入れている。13年に渡った治安維持をアフガンに託すためである。
しかし、今、厳しい現実がある。アメリカの軍事作戦で権力の座を追われたタリバンが、国際部隊が撤退する中、攻勢を強めている。
アフガンの治安部隊とタリバン戦闘が激しさを増す南部のヘルンマンド州に取材班が入った。アフガン軍のヘリが警戒に当たっている。が、今年の春から国際部隊が撤退し、現地の治安部隊は苦戦を強いられている。兵士や警察官は貧しさから志願した農家の出身者が多く、急ごしらえの訓練を経てタリバンとの戦いに投入されている。士気も低く、統制も取れていないようだ。軍の病院には戦闘で負傷した兵士らが次々と運び込まれていた。
負傷した兵士「パトロール中に爆弾が爆発したんだ」
勢力を盛り返すタリバン。復興への遅れなどの住民の不満を取り込む一方、麻薬の原料となるケシを密売し、資金源を確保し支配地域を広げている。そのタリバンの北部で活動するメンバーに接触した。影響力が弱かった北部でもタリバンは急速に勢力を伸ばしている。入念に銃を手入れし戦闘に備えるタリバンたち。その多くは最近タリバンに加わったという。中には”治安部隊”からタリバンに身を投じた人もいた。
元警察官のタリバン戦闘員「これが警察の職員証だ。アフガンの治安部隊は腐敗にまみれている。イスラムの教えに基ずくタリバンの支配こそがふさわしい」
半年前まで警察官だったこの男性は、戦闘でタリバンの強さを目の当たりにし、自分を守るためにもタリバンに加わった方が得策だと考えた。
各国が進めてきた復興支援にも影響が出てきている(中部ゴール州の例:略)。
いまだ自立と安定には程遠い厳しい現実。国際社会が目指した国家再建とはかけ離れたものとなっている。
米国では、米兵の帰還を歓迎するムードがいっぱいの一方、議会の一部で”戦闘任務の終了は時期少々尚早”との声も上がり始めている。米軍の撤退後、イスラム過激派が台頭したイラクの二の舞になりかねない、との懸念があるためである。
ケネス・カッツマン(アフガンの専門家)「懸念するのはタリバンに国土の多くを奪われることだ。再び戦闘部隊やイラクのように軍事顧問の派遣が今後検討されるかもしれない」
しかし、米国内ではテロとの戦いに国民が疲弊し厭戦ムードが広がっている。
オバマ大統領は、アジア重視の国防戦略を進める上でも、アフガンからの撤退を公約通り進め、自らの手でテロとの戦いに区切りをつけたいという強い決意がある。
オバマ「アメリカは責任ある形で戦争を終結させる。戦闘任務が終わっても関与は続けていく」
アメリカのオバマ大統領としては、イラク、アフガンでの対テロ戦争の終結を実績として残したいところだが、軍の撤退でアメリカとしては一区切りつけたとしても、暴力の連鎖は止まらないのが現実だ。現地の治安部隊や軍が担う任務は、その厳しさの度合いをを増しているように見える。
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