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中国の核戦力拡充に警戒、北米射程の大陸間弾道ミサイル配備は15年にも―米専門機関
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/631.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 03 日 12:42:05: igsppGRN/E9PQ
 

2日、米メディアはこのほど、米専門機関による報告書を引用し、中国の核戦力は今後3年から5年以内に、西太平洋に展開する米国の軍事力に極めて深刻な脅威となると指摘した。資料写真。


中国の核戦力拡充に警戒、北米射程の大陸間弾道ミサイル配備は15年にも―米専門機関
http://www.recordchina.co.jp/a98381.html
2014年12月3日 11時21分


2014年12月2日、米メディアはこのほど、米専門機関による報告書を引用し、中国の核戦力は今後3年から5年以内に、西太平洋に展開する米国の軍事力に極めて深刻な脅威となると指摘した。中国新聞社が伝えた。

報告書は米中経済安全保障調査委員会がまとめたもの。

それによると、中国の潜水艦発射弾道ミサイル「巨浪(JL)2」は、中国近海からアラスカを、日本南方の海域からハワイを、ハワイ西方から米西部を、それぞれ核攻撃できる能力を持つ。

また、中国の新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風(DF)41」は、早ければ2015年に配備される。東風41は10個の弾頭を搭載し、射程は7456マイル、北米のほぼ全域を射程圏とする。(翻訳・編集/NY)

 

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コメント
 
01. 2014年12月03日 18:21:25 : C3lq0gpU9A

  目には目を、歯には歯を、核には核を…


02. 2014年12月03日 21:38:15 : YxpFguEt7k
戦争行く? 選挙行く?
https://twitter.com/Renounce_War/status/539865472465108994/photo/1

そりゃ、選挙でしょ。


03. 2014年12月04日 06:23:47 : jXbiWWJBCA

【第532回】 2014年12月4日 小野田治 [ハーバード大学シニアフェロー]
「グレーゾーン事態」にどう対処すべきか
自衛隊が再考しなければならない3つのポイント
ニッポンの安全保障を考える(2)
――小野田治・ハーバード大学シニアフェロー

おのだ・おさむ
1954年神奈川県生まれ。防衛大学航空工学科(第21期)卒。77年10月第一警戒群(笠取山、三重県)に勤務。79年3月第35警戒群(経ケ岬:京都府)保守整備部門の小隊長。82年12月警戒航空隊(青森県三沢基地)警戒航空隊の部隊建設に従事。保守整備部門の小隊長。89年8月航空幕僚副長副官(東京都市ヶ谷基地)。96年8月防衛研究所第44期一般課程(東京都目黒基地)。99年3月航空幕僚監部防衛課装備体系企画調整官(東京都桧町基地)。00年8月第3補給処資材計画部長(埼玉県入間基地)。01年8月航空幕僚監部防衛課長(東京都市ヶ谷基地)。02年12月第3補給処長(埼玉県入間基地)。04年8月第7航空団司令兼百里基地司令(茨城県)。06年8月航空幕僚監部人事教育部長(東京都市ヶ谷基地)。08年8月西部航空方面隊司令官(福岡県春日基地)。10年12月航空教育集団司令官(静岡県浜松基地)。12年7月勧奨退職。
 昨年10月、安倍政権が日米安全保障協議委員会(「2+2」)で日本の役割を拡大すべく、日米防衛協力の指針(「ガイドライン」)を2014年末までに改訂することに合意。具体的には、拡大核抑止の強化、宇宙やサイバーなど新たな分野での協力、防衛装備・技術協力など、両国の連携の緊密化に合意した。

 この2+2で合意されたガイドラインの改訂は、昨年12月の閣議決定(国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画)と密接に関連している。

「あらゆる状況におけるシームレスな二国間の協力を可能とするよう強化する」、「同盟のグローバルな性質を反映させるため、テロ対策、海賊対策、平和維持、能力構築、人道支援・災害救援、装備・技術といった分野を包含する協力の範囲を拡大する」とし、日米が地域において平素から有事に至るまでシームレスに協力・連携することを目指しているからだ。

 その主要な課題は、第1に防衛出動に至らないグレーゾーン事態における協力、第2にA2/AD及び離島侵攻への対応、第3に拡大核抑止の信頼性の向上、第4に日米韓など多国間防衛協力への発展である。

頻発する異常接近
国際常識無視の中国軍

 以下では閣議決定の内容と、2+2で合意したガイドライン改訂の内容を実現するための課題を踏まえ、今後の日米防衛協力のあり方を考える上での論点を整理していこう。なお、主として海上及び航空分野に焦点を当てることにする。

 第1の論点としてあげられるのは「グレーゾーン事態への対処」である。我が国は、グレーゾーン事態を招かないために、また、もし事態が生起してしまった場合に事態を深刻化させないために、再考すべき点は多い。

 まず偶発事件の危険を回避することである。

 グレーゾーン事態とは武力攻撃に至らない侵害のことだ。米国の安全保障専門家は、中国の急速な軍事力増強、領有権等に関する一方的な主張と行動が偶発的な衝突事態や紛争に発展するのではないかと心配している。

 中国の強圧的な行動は、法執行機関だけでなく軍にも及びつつある。2001年の米海軍EP-3電子偵察機への戦闘機衝突に始まり、昨年12月には、中国海軍揚陸艦の米海軍ミサイル巡洋艦への異常接近事件が発生した。

 我が国に対しては、2010年に沖縄南方沖で海上自衛隊艦艇に対して中国海軍の艦載ヘリが異常接近した。また、昨年1月には、東シナ海で海上自衛隊護衛艦に中国海軍フリゲート艦が火器管制レーダーを照射した。火器管制レーダーの照射は、国際的には一連の攻撃行動であり、正当防衛による反撃が認められている。

 さらに本年5月と7月の2度にわたって、東シナ海公海上空を飛行する航空自衛隊及び海上自衛隊の電子偵察機に対して、緊急発進した中国空軍の戦闘機が高速で異常接近する事件が発生した。なお、8月19日には南シナ海を飛行する米軍機に対しても中国戦闘機による危険な異常接近事件が発生した。

 東シナ海及び南シナ海での中国戦闘機の行動は、同一部隊によるものではないことから、部隊のレベルではなくさらに高位の組織から指示が出ていると考えられる。

 その目的は、中国の排他的経済水域(EEZ)及びその上空、とりわけ中国近海での軍事偵察や訓練演習を許さないことにある。特に海南島には中国の戦略原子力潜水艦の基地があり、米海軍の頻繁な情報収集・偵察飛行を止めさせるためにさらに危険な行動に出る可能性が高い。

 公海上の航行の自由を謳う国連海洋法条約に対する明らかな挑戦であるが、中国はかねてからEEZに関する沿岸国の排他的権利強化を主張している。一方で中国自ら我が国EEZ内で同様の軍事偵察等を行っている現実は矛盾というほかないが、これは中国が日米と交渉する際のバーゲニング材料だという見方もある。

 日米ともに偵察活動をやめることはあり得ないが、中国の危険な行為を抑制するために対話と牽制を繰り返していくことになるだろう。

警察作用から自衛権発動へ
空白がある日本の法制度

 次に、対領空侵犯措置だ。

 上記に関連して、対領空侵犯措置について付言しよう。

 対領空侵犯措置任務に就く航空自衛隊の戦闘機は、日本の領土及び自らに対する攻撃が切迫するまで、領空侵犯機を攻撃することができない。この任務は、公共の秩序の維持のための警察作用と位置づけられており、自衛隊法第84条には防衛大臣及びその委任された者が不法に領空に侵入した外国の航空機に対して強制着陸、領空外への退去等のために必要な措置を講ずるものとされている。

 しかし同第7章「自衛隊の権限等」には、当該措置に関する武器使用要件などの権限が明記されていない。自衛隊法では法律に書かれていること以外はできない(ポジティブ・リスト)。武器使用要件が書かれていないということは、刑法を根拠とする「正当防衛」、「緊急避難」の場合以外には武器の使用ができないことを意味する。

「日本の防衛法制」(田村重信、高橋憲一、島田和久編著、内外出版)によれば、領空侵犯機に対する武器の使用は、結果的に撃墜という効果を招くことから、「警察比例の原則」になじまないためとされている。

 警察比例の原則とは、武器の使用の効果がその使用目的(この場合は領空侵犯の中止)に比して必要最小限であることをいう。しかし、領空侵犯への対処ではもっとも穏当な武器の使用でも、相手機を撃墜する結果となることが想定され、同原則に矛盾を突きつけることになる。すなわち領空侵犯機が国民や財産を攻撃するのであれば撃墜は許容されるが、領空侵犯時点では相手機の目的は不明であり、撃墜によって未然に被害を防止することは法理、法益に反することになる。

 したがって武器の使用については、領空侵犯機が実力をもって抵抗したり、国民の生命及び財産に対して重大な侵害が加えられたりする危険が間近に緊迫し、これを排除するためには武器の使用を行うほかはない緊急事態の場合には、「必要な措置」として認められるとしている。

 射撃用レーダーの捕捉、爆弾投下準備など、相手の意図が明らかになるまでは攻撃できないので、被害を未然に防止することは難しい。

 閣議決定ではこうした点には触れられていないが、現実に迫りつつある識別不明機に対して、実効的な手段を持たないのは問題である。もちろん事態の拡大防止のためにこちらから先には攻撃しないという原則には大きな意味がある。しかし、撃墜されるかもしれないぎりぎりのところまで耐えろというのでは抑止は機能しない。

 では、諸外国はどう対処しているのだろうか。

 民間航空機の安全確保を目的とする国際民間航空条約機構(ICAO)によって、戦闘機などによる要撃の手順、要撃された航空機の手順や信号などが定められている。一方、実際の武器使用の判断などはそれぞれの国の事情によって異なる。米国の場合には、2001年の同時多発テロ以降は連邦航空局、国家安全保障省、国防省の各機関が統合的に運用される法体系になっている。

 例えば北東部であれば北米防衛(NORAD)司令官が、平時の対領空侵犯措置や麻薬取締などからテロのような緊急事態や防衛事態までを一元的に指揮することになっており、平時の警察作用から有事の軍事的対処までシームレスな対処を可能としている。

 平時の武器使用権限は大統領とその委任を受けた少数のトップの直接的判断によるとされているが、そもそも欧米の法体系は日本のように法律に明示されていることしかできないポジティブ・リストではない。したがって武器の使用に関するハードルは日本よりはるかに低く、警察作用から自衛権の発動に至る空白はほとんどないと言える。

 欧州では、本年7月にロシアとウクライナの国境付近でウクライナ空軍の戦闘機がロシア戦闘機によって撃墜された。また本年3月にはトルコ空軍がシリアとの国境付近でシリア空軍の戦闘機を撃墜した。領空侵犯というグレーゾーンで武器の使用を躊躇しないのは、それが国際的に合法であり抑止を確実にするためである。

整備されつつある
日米共同体制

 平素からの日米の密接な連携についても重要だ。

 これまでに発生した事態などから得られる教訓とは、正確な情報によって速やかに対処し、事態の拡大を防止することである。そのためには第1に、いつ、どこで、何が起きているのかをリアルタイムで情報収集する必要がある。気がつかないうちに領海領空を侵犯されたでは済まない。

 第2に、事態に際して迅速な対処行動をとることである。既成事実を覆すのは、それを未然に防止する何倍もの時間と資源を必要とする。

 そして第3に挑発的な行為、不法な行為、危険な行為を速やかに国際社会に発信し、けん責することによって軽薄な行動を許さないことである。

 閣議決定では、グレーゾーン事態における警察機関相互、自衛隊及び関係機関の密接な連携、迅速な命令発出、平素からの訓練演習が述べられており、治安出動や海上における警備行動の迅速な発令が明記された。

 また共同訓練を含む我が国の防衛に資する活動に従事している米軍が、武力攻撃に至らない侵害を受け、米国の要請または同意がある場合に、米軍の武器等防護のために自衛隊が武器を使用できるよう法整備することとされた。

 これらの処置によって、グレーゾーン事態に的確に対処できるようになるのか疑問が残るところだが、米軍との密接な連携による事態対処が平素から可能となる点が重要である。

 ガイドラインには、偶発的な事件などによって急速に緊張が高まる場合に備え、前述の3点の教訓、即ち正確迅速な情報収集・警戒監視、迅速な対処行動及び対外的な発信を任務とする、常設の共同調整所を設置し、双方の部隊を迅速に行動させることができる態勢を構築することが必要である。

 一昨年、航空自衛隊の航空総隊司令部が横田基地に移転し、在日米軍/第5空軍司令部と隣接することになった。北朝鮮のミサイル対処に際しては両国の司令官、幕僚が同じ部屋で情報を交換し、密接に調整を行った。特に弾道ミサイルや領空侵犯については、迅速な対処行動と正確な情報発信を行い得る態勢が不可欠であり、常時共同調整所で周辺の状況を監視できるようにする必要がある。

 また、双方の情報・警戒監視センサー情報の融合、活動の相互調整、共同活動など、柔軟な連携態勢を常に発揮できるようにする。双方の情報要求、作戦要求の調整、ハード/ソフトの相互運用性の確保が大切であり、将来的には共通の運用要求の検討や共同開発に結び付けていく着意も必要だろう。
http://diamond.jp/articles/-/63150


04. 2014年12月04日 06:48:38 : Qk0z0gVGLY
中国の課題はいかにGDP費に占める軍事費の割合を抑えるか、だな。

そこがうまくいけば米国のように他国にたかることもなくなる。ただ、
基本的に国外に中国軍が駐留することはないだろうから、あまり心配していない。
米国は背伸びするあまり、軍部の暴走を止められなかった。

技術面は日本や米国からの技術流出が今後続くので、そのうち完全に
技術レベルで逆転されるだろう。この流れはしかたない、止められない。

そして、今後中国が米国のような暴君にならないことを期待する。


05. 2014年12月05日 06:23:53 : jXbiWWJBCA

【第533回】 2014年12月5日 小野田治 [ハーバード大学シニアフェロー]
アジアの安定化に日本が果たすべき役割は何か ニッポンの安全保障を考える(3)
――小野田治・ハーバード大学シニアフェロー

おのだ・おさむ 1954年神奈川県生まれ。防衛大学航空工学科(第21期)卒。77年10月第一警戒群(笠取山、三重県)に勤務。79年3月第35警戒群(経ケ岬:京都府)保守整備部門の小隊長。82年12月警戒航空隊(青森県三沢基地)警戒航空隊の部隊建設に従事。保守整備部門の小隊長。89年8月航空幕僚副長副官(東京都市ヶ谷基地)。96年8月防衛研究所第44期一般課程(東京都目黒基地)。99年3月航空幕僚監部防衛課装備体系企画調整官(東京都桧町基地)。00年8月第3補給処資材計画部長(埼玉県入間基地)。01年8月航空幕僚監部防衛課長(東京都市ヶ谷基地)。02年12月第3補給処長(埼玉県入間基地)。04年8月第7航空団司令兼百里基地司令(茨城県)。06年8月航空幕僚監部人事教育部長(東京都市ヶ谷基地)。08年8月西部航空方面隊司令官(福岡県春日基地)。10年12月航空教育集団司令官(静岡県浜松基地)。12年7月勧奨退職。
?昨年10月に安倍政権は日米安全保障協議委員会(「2+2」)で日本の役割を拡大すべく、日米防衛協力の指針(「ガイドライン」)を2014年末までに改訂することに合意。拡大核抑止の強化、宇宙やサイバーなど新たな分野での協力、防衛装備・技術協力など、両国の連携の緊密化に合意した。

?合意されたガイドラインの改訂は、昨年12月の閣議決定(国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画)と密接に関連している。

?シリーズ「ニッポンの安全保障を考える(2)」では、閣議決定の内容と、ガイドライン改訂の内容を実現するための課題を踏まえた、今後の日米防衛協力のあり方を考える上での第1の論点として「グレーゾーン事態の対処」を挙げた。

?本稿ではそれに続く第2の論点として、「国際貢献」を挙げる。なお、主として海上及び航空分野に焦点を当てることにする。

地域における日米共同の
軍事・非軍事の支援が必要

?国際社会における安倍政権の掲げた「積極的平和主義」は、安全保障戦略の重要な柱であり、自衛隊の国際的な活動における制約をいかに緩和するかは大きな課題である。

?今回の閣議決定において、武力行使そのもの及び武力行使と一体化する活動は、憲法9条が禁止する活動であることを原則としつつ、「現に戦闘が行われていない地域」での後方支援活動は武力行使の一体化に該当しないとされた。

?また武力行使を伴わない国連平和維持活動における「駆け付け警護」に伴う武器使用や、「任務遂行のための武器使用」、領域国の受け入れ同意に基づく武器使用を伴う在外邦人の救出を可能とする方向で、今後法整備されることになった。

?この方向によって自らの安全を他国に依存せずに国際的な活動を行うことが可能となることから、今後の法整備に併せて共通の部隊行動基準策定など、具体的な連携について米国と調整を進める必要がある。

?一方、中東におけるイスラム国に対する多国籍軍の行動のように、武力行使を伴う活動に参加できない現状は変わらず、国際的な立場から見たときに果たして「より積極的な国際貢献」の役割を担うと言えるのか疑問が残る。米国では、今般の憲法解釈の変更を評価しない人々は、「日本は自国の防衛のためだけに集団的自衛権の行使を容認し、国際活動においては依然として十分な貢献ができないままだ」という見方をしている。

?また地域諸国が主体的な能力を発揮できるよう、日米が協力して各国の防衛能力構築を支援する活動は極めて重要である。現在日本の支援は非軍事分野に限定しているが、米国と共同して軍事・非軍事の区別なく支援を行っていくことが有益である。

?能力構築支援活動を日米が協力して行うことで、地域諸国に防衛協力のあり方を提示できるからである。その活動が中長期的には地域に共同防衛体制を育むことになるだろう。領土などの係争を抱えているフィリピンやベトナムにとって、こうした支援は非常に重要な意義を持つと考えられる。

「日本が盾、米国が鉾」
という考え方は過去のもの

?第3に「我が国に対する武力攻撃事態への対応」も重要な論点だ。

?我が国に対する武力攻撃について現ガイドラインでは、日本に対する航空侵攻、周辺海域及び海上交通路の侵害、着上陸侵攻、不正規型攻撃、弾道ミサイル攻撃について共同作戦を行うこととしている。

?もっとも懸念されるのは、A2/AD(Anti Access/Area Denial)による弾道ミサイルや巡航ミサイルによる攻撃と離島に対する着上陸である。特に南西諸島方面は地積が限られることから抗たん化(*)、分散配置は容易ではないが、即応態勢を確保するための前方展開拠点新設を含めて可能な限り努力する必要がある。さらに自衛隊と米軍施設の相互利用や施設の多機能化と多重化、空港、港湾、電力や通信といった社会インフラの抗たん性を高める努力も大切である。米軍は艦艇や陸上の基地が精密なミサイル攻撃に晒されることに大きな脅威を感じており、日本の基地に十分な抗たん化措置が図られない場合には、情勢緊迫時にグアム島などの後方基地に戦力を一時退避させることを考慮しているものと思われる。

?離島侵攻対処における水陸両用戦能力の整備と日米共同態勢はもとより、南西諸島への迅速な戦力機動、後方支援、住民避難などのために本州方面との輸送手段を多層的に整備することが不可欠で、とりわけ海上及び航空輸送能力の整備充実、この分野での日米恊同も考慮に入れるべきである。

?武力攻撃が生起する場面は、陸上、海洋、航空という3つの場に加えて宇宙、サイバー空間を考慮する必要がある。両分野ともに平素から日米が協力して警戒監視に努め、有事においては相手にこの分野を利用させない「拒否的能力」も必要になると思われる。

?日米共同作戦は、日本が主体的に防勢作戦を行い、米国がこれを補完・支援することを基本としている。航空侵攻、海上交通路防衛に際して、米国は「打撃力の使用を伴う作戦を含め自衛隊の能力を補完する作戦」を行うこととされている。弾道ミサイル攻撃に際して米国は「必要に応じて打撃力を有する部隊の使用を考慮」するとして、日本の打撃力使用については記述がない。

「日本が盾、米国が鉾」、防衛作戦での主体と補完という伝統的な考え方は、弾道ミサイルや巡航ミサイルの発達、宇宙分野やサイバー分野を考慮すれば、既に意味を失っているように思える。

?日本は現在保有している地対艦、空対艦ミサイルの長射程化を図れば限定的な打撃力を整備できるだろうし、北朝鮮の弾道ミサイル基地だけでなく、A2/ADへの対処にも活用できると考えられる。

?また、前述した常設の日米共同調整所は有事における指揮統制中枢としてより有効に機能するだろう。将来的に日米共同開発によるA2/AD対処兵器が実現するかもしれない。

(*)抗たん化……軍事施設などが敵の攻撃を受けてもそれに耐え、機能を維持できるようにすること。

米国の後方支援は可能だが
戦闘はできない日本

?当然ながら、第4の論点として「周辺事態法が適用されるような事態が起きた場合、我が国はどのように行動するのか」も挙げられる。

?先日、ハーバード大学でアジア各地から訪れた大学生に対して日本の安全保障について講義を行った際に、フィリピンの学生から質問を受けた。

「フィリピンは中国との間で島の領有権を争っていますが軍事的に太刀打ちできません。もし中国から軍事攻撃を受けたら日本の自衛隊は助けに来てくれますか?」

?筆者は以下のように答えた。

「残念ながら、貴国のために自衛隊が中国と戦うことはできません。同盟国である米国が貴国を支援するでしょう。その際、日本は米国を支援することになると思います」

?日本は周辺事態法の適用によって、フィリピンを支援して中国と戦う米軍に対して、戦闘が行われない地域に限って物品や役務などを支援し、捜索救助活動及び船舶検査活動などを行うことができる。

?そこに中国軍が攻撃を仕掛けてきたら、米軍の要請を受けて戦うことができるかというと、果たして武力行使の3要件に該当するのか疑義がある。

?米軍が空母を派遣する場合、海上自衛隊には対潜戦、機雷掃海、潜水艦による中国艦艇の制圧、航空自衛隊には警戒監視と航空優勢の確保などが期待されるところだが、対潜戦や中国艦艇の制圧などは武力行使であり不可だろう。一方、機雷掃海や警戒監視は「現に戦闘行為を行っている現場」でない限りは可能である。

?集団的自衛権の行使がどの程度可能かは今後の法制整備を待つ必要があるが、大局的に見て地域の安定に寄与するためには日米が連携して行動する必要があり、そこに制約があってはならない。

日本の打撃力強化に
強い懸念を持つ米韓

?最後の論点として、「拡大核抑止の信頼性向上」が挙げられる。

「北朝鮮の核及び弾道ミサイルに対して、日本はこれらの使用を抑止する手段を持つ必要はないのか」、「北朝鮮の基地に対する打撃能力を整備して、米国の拡大核抑止を補強すべきではないか――」

?こうした議論について米韓の識者の多くは、日本が独自の判断で北朝鮮を攻撃する能力を保有することに強い懸念を表明している。日本が北朝鮮を攻撃すれば、北朝鮮は韓国を攻撃して、一気に事態が拡大するという見方である。従って日本の打撃力強化とその一方的な行使は、抑止の信頼性向上には繋がらないという。

?筆者はこの見方は正しいと考えている。日本国内の議論は、日本に対するミサイル攻撃を抑止するという点に焦点が当てられているが、同時に韓国に対する攻撃も抑止できなければ意味がないからだ。日本だけが打撃力に乏しいので北朝鮮が日本を攻撃してくるかもしれないという危惧もあるが、結局は米韓と協力しなければ地域の安定には繋がらない。

?日本の役割は、米韓と協力して打撃力を発揮するほか、朝鮮半島周辺の情報収集・警戒監視、海上及び航空優勢の確保、日本及び米国に向かう弾道ミサイルへの対処、米韓の後方支援、北朝鮮の動きに併せたロシアや中国への対応である。日本が保有する地対艦、空対艦ミサイルの長射程化とその運用について、日米韓との協力態勢が構築できれば、北朝鮮の弾道ミサイル攻撃に対する抑止効果は向上するだろう。

?また、米軍と自衛隊のイージス艦がともに日本海で弾道ミサイルの警戒及び対処を行う際に、イージス艦を守るために我が国の空中警戒管制機が海上及びその上空を監視し、戦闘機が必要な対処を行う。

?かつて北朝鮮のミサイル発射事案においては、北朝鮮の戦闘機やロシアの情報収集機や戦闘機が日本海に進出してきた。米艦艇と協力してこれらに対処することができなければ円滑な作戦運用は困難である。

アジアの安定化に
果たすべき日本の役割とは

?今日、米軍は自衛隊の能力を高く評価しているが、日米の統合的な戦力運用は集団的自衛権、あるいはそれを盾にとった政治の壁に阻まれてきた。集団的自衛権に基づく共同防衛体制では集団的自衛権行使の可否は当事国の判断に委ねられており、「自動的に他国の戦争に参加することになる」という論理は、自国の主体性を否定するアナーキーな考えである。

?また、「アジアにはNATOのような集団自衛権に基づく共同防衛体制は育たない」とこれまで多くの識者が指摘してきた。歴史的、文化的背景はもとより、政治体制や経済力の差があまりに顕著であり価値観や国益も多様である。それでも、少なくとも経済や安全保障に関するリスクについては認識を共有しつつあるのではないか。

?富が向上し、諸国民がそれを実感することによって価値観の共有も進む。地域共通の安全保障リスクとは、第1に中国の経済的興隆及び軍事力の著しい増強に伴って、その対外姿勢が各国との係争や紛争を招き地域全体の懸念が増していること。第2に津波や地震などの自然災害、非国家主体のテロや海賊行為が顕在化していることが指摘できよう。

?20年前にはこうしたリスクは軽微だったが、現在の状況は大きく変化している。NATOがソ連の脅威を対象として生まれたように、アジアが中国やその他の脅威に対して結集することは不可能だろうか。可能性があるとすれば、そのけん引役はだれが務めるのか――。

?他国の紛争に巻き込まれることを心配するより、互いに協力して地域の紛争を防止することが大切である。いざというときはフィリピンを助けるという選択ができなければ、地域の意識は分散したままである。昨年12月に発表された政府の安全保障戦略の本質はそこにあるのではなかろうか。

?米国との同盟関係を強化するとともに、地域における共同防衛体制を具体的な形にし、不安定化しつつある地域の安全保障バランスを安定させることが日本の新たな挑戦である。

?地域不安定化の最大の要因である中国の軍事力はどこまで大きくなるのか、一方的な自国の利益主張と強制力の行使は今後も続くのか、北朝鮮の瀬戸際政策はいつまで続くのか、今後の見通しは全く不透明である。地域の大国である日本がいかなる行動をとるかが、地域の将来を大きく左右する時代となりつつあることを、今一度自覚すべきである。
http://diamond.jp/articles/-/63231


06. 2014年12月05日 22:27:26 : j4gYtFgxD6
中国に対して日米が軍事協力して対峙する。いつまでそんな迷信を信じているのか。

米中の首脳会談 APECだけで8時間
日米は挨拶もどきだけ。

頭の中で一人相撲をとっていないで事実を見なさい。


07. 2014年12月12日 07:43:53 : jXbiWWJBCA

団結するアジア諸国、動けば動くほど孤立する中国
国民党大敗の台湾統一地方選、中国寄り政策にNOを突きつけた台湾人〜宮崎正弘氏
2014年12月12日(Fri) JBpress
 マット安川 ゲストに評論家の宮崎正弘さんを迎え、台湾の地方選結果の解説や香港デモの情勢、中国や日本への関係まで、幅広くお聞きしました。

台湾、民進党の大勝利は、中国に寄りすぎた国民党の自滅のおかげ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:宮崎正弘/前田せいめい撮影
宮崎 正弘(みやざき・まさひろ)氏
評論家、作家。国際政治・経済の舞台裏を解析する論評やルポルタージュを執筆。中国ウォッチャーとしての著作の他、三島由紀夫を論じた著書もある。近著に『オレ様国家 中国の常識』『2012年、中国の真実』『中国が世界経済を破綻させる』など。メールマガジン『宮崎正弘の国際ニュース・早読み』を発行。(撮影:前田せいめい、以下同)
宮崎 11月の台湾の統一地方選で与党の国民党が大敗しました。台北市長選では、国民党は名誉主席の連戦さんの息子が出ましたが、何の政治実績もないお坊ちゃまで、市民の反発を買い大差で負けました。

 桃園市ではやはり名誉主席の呉伯雄の息子が出ました。ここは国民党の強い土地でまさか負けないと思っていたのに負けてしまった。台中ではベテランの13年間市長を務めた現職が大差で負けた。結局、6つの直轄市のうち国民党が勝ったのは1つ、新北市の朱立倫という人だけです。

 要するに土砂崩れです。かつて土井たか子(旧社会党委員長)さんが「山が動く」と言って、自民党が壊滅的打撃を受けましたが、あれと同じ現象です。つまり民進党は勝ちましたが、人気があったわけではなく、完全にアンチ馬英九総統、アンチ国民党感情で、それが票に結びついた。

 というのは、馬英九さんはずっと中国に対して腰が低く、妥協に次ぐ妥協をし、名誉主席の連戦や呉伯雄という人もすっかり中国になびいて、しょっちゅう北京に行って、あれやこれやと妥協的なことを言っていた。つまり台湾に対する尊厳などが日々失われていたわけです。

 それに対して今年3月、台湾の国会を若者たちが占拠しました。支持デモが50万人出て、市民が連日カンパや食料を持ってきて応援した。学生ボランティアは世界17カ国語に訳して主張を世界中に配信した。1つの革命が起きて、台湾政治が変わった。その変化がずっと底流にあったわけです。

 このあと2016年に総統選があります。国民党は誰を出すか。期待の人たちがみんな負けちゃって、唯一勝った新北市の朱立倫市長がおそらく出てくることになるだろうと思います。

「マット安川のずばり勝負」スタジオ風景/マット安川、宮崎正弘、加藤知華/前田せいめい撮影
 片や民進党ですが、これだけの大差で勝ったものの、民進党の実力ではないということをよく知っている。女性党首の蔡英文さんは、ここまでの勝利をもたらしたので候補になるでしょう。民進党は派閥が4つあり互いに仲が悪い。そういうことで党内コンセンサスとしては女性党首が次の総裁候補に落ち着きそうなムードです。

 民進党と中国の関係については、民進党は党綱領で台湾独立をうたっていますが、いまは凍結しています。民進党の幹部もどんどん北京に招待されたり、国際会議に行ったりしている。なぜなら台湾企業が6万社、大陸に進出し、100万人のエンジニアとマネジャーが大陸に行っている。

 ここまで交流が深化してビジネスが完全にビルトインされている以上、いまの経済依存体制を覆すような政策は取れないと思います。限られた政治空間の中でどこまで独自の主張を出して選挙民に訴えることができるか、というのが民進党の課題でしょう。

中国軍の腐敗は120年前の日清戦争当時から変わらない

 中国の反腐敗キャンペーンの一環で、いま軍の上層部が狙われています。軍の汚職はスゴいですから。この上層部は江沢民(元国家主席)人脈で、その軍人たちを一掃しようと習近平(国家主席)はしゃかりきになっています。

 今年は日清戦争開戦120周年です。中国でもさまざまなイベントがありましたが、中国はなぜ日清戦争に負けたのか。

 当時、日本のGDP(国内総生産)は中国の5分の1しかなかった。軍事力も中国のほうが大きかった。中国は英国やドイツから買った世界最強の軍艦を持っていたのに対し、日本は小さな軍艦しかなかった。それなのになぜ日本が勝ったのか。

 いまの軍の腐敗とまったく同じなんです。当時、中国では武器庫を開けたら、武器がないんです。大砲の砲弾がない。みんな横流ししてしまって。

 いまの中国でも飛行機をスクラップにして売るとか、燃料や食料のちょろまかしなんかをみんなやっている。ですからいまの中国の軍事力は張子の虎で、空母まで持っているけれど、実際はどうなのかというところです。

世界から孤立しているのは日本ではなく中国

 いま世界で孤立しているのは日本ではなく、中国です。11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)での日中首脳会談はたった25分でした。

 一方、オバマ大統領との米中首脳会談は合計10時間にも及びましたが、結局、米中関係で何か成果があったのかというと、ただの1つもない。「新たな大国関係」という意味不明なことを習近平さんは一生懸命持ちかけたけれど、オバマ大統領は聞く耳を持たなかった。

 そのあと、ミャンマーでASEAN(東南アジア諸国連合)会議が開かれ、オバマ大統領も安倍(晋三)首相もインドのモディ首相もみんな行ったのに、習近平さんは行かなかった。代わりに李克強首相を派遣した。ここでも中国は孤立しました。さらにその後、豪州のブリスベンでG20(20カ国・地域)首脳会議があり、ここでも中国は孤立した。

「マット安川のずばり勝負」マット安川、宮崎正弘/前田せいめい撮影
 そして、どの会議でも何が決まったかというと、公海の安全航行のルールの確立です。中国が南シナ海で好き勝手やっているということは、誰も口には出さないけれど、公海の安全航行ルールの確立というのは、そのことを言っているわけです。ルールを破っているのは中国ですから。

 いま中国の味方は誰か。表面的な友だちはロシアです。嫌々だけどカネが入るからということでラオスとカンボジアはいちおう中国寄りの発言をしたりしている。ですから日本が孤立しているということは全然ないんです。

中国にとって計算外だった周辺諸国の団結

 ベトナム、フィリピンは貧弱な軍しかありません。艦船がほとんどない。ですから中国は南シナ海でやりたい放題やっている。スプラトリー諸島とパラセル諸島だけで18の島、岩礁に中国はセメントを流し込んで、2カ所に滑走路を造っている。

 米国は今年4月、フィリピンと新軍事協定を結びました。フィリピンの対外的危機に対して情報を共有し、装備の支援なども行うというものです。日本もフィリピン海軍に対して巡視艇10隻を供与することになっています。

 ベトナムに関しても、米国の空母がベトナムに寄港し、日本は潜水艦技術を供与する。また明らかに軍事品とは思われないようなものは日本も協力できると思います。

 豪州も米国と日本と軍事訓練をやります。ここにインドも入る。これは豪州ブリスベンのG20で決まったことです。中国が南シナ海まで来たら、目の前は豪州ですから必死ですよ。

 ですから中国が動けば動くほど、周りの諸国が団結している。これは中国にとって計算外です。いまのアジアには中国問題しかないんです。

「マット安川のずばり勝負」2014年12月5日放送

「マット安川のずばり勝負」マット安川/前田せいめい撮影
マット安川(本名:安川昌之)
(株)オフィスヤスカワ代表取締役。1973年1月10日生、神奈川県出身。O型。大学在学中から30種以上の仕事に携わり、のちに渡米。語学を学び、インターンシップ、のち現地法律事務所へ勤務、3年間マネジメントを担当する。帰国後、各界著名人のトレーナー兼マネジメントなどを手がけ、企業コンサルティング、事業マッチングのほか、TV・ラジオの番組DJ・企画制作など多方面に活躍中。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42432



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