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トルコからシリアへIS戦闘員はWFP等を利用して運ばれている事実をつかんだ記者がトルコで事故死
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201410230000/
2014.10.24 06:13:51 櫻井ジャーナル
トルコからシリアへ向かっていた自動車が大型車と衝突、その自動車に乗っていたイランのテレビ局プレスTVの記者、セレナ・シムが死亡、同乗していたカメラマンは重傷を負った。10月19日のことである。その前日、MIT(トルコの情報機関)は彼女をスパイ扱いしていたことから、事故にトルコの政府機関が何らか形で関係していると疑う人もいる。
シムはトルコでISの活動を調べていたのだが、そこでトルコからシリアへ戦闘員を運び込むためにWFP(世界食糧計画)やNGOのトラックが利用されている事実をつかみ、それを裏付ける映像を入手したと言われているが、事故後、映像は行方不明になっている。西側は「人道的援助」を軍事目的に使っているということだ。
ISの戦闘員がトルコからシリアへ入っている、つまりトルコ政府が協力していることは知られている。10月2日にはジョー・バイデン米副大統領でさえ、ハーバード大学で講演した際、次のように語った。レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は多くの戦闘員がシリアへ越境攻撃することを許してISの強大化させたと後悔していたというのだ。また、サウジアラビアの実業家で王族の一員でもあるアフワリード・ビン・タラルは、自国がISを支援していたことを認めている。
バイデンは過去の話であるかのように言っているが、今もそうしたことが行われている事実を彼女はつかみ、報道しようとしていた。しかも輸送に国連やNGOが関係しているというわけだ。西側メディアは無視する情報だろうが、インターネットを通じて世界へ広がることは避けられず、トルコだけでなくアメリカやEUの支配層も彼女を黙らせたいという欲求を持っていただろう。
トルコには支配層にとって邪魔な存在を片付ける組織が存在する。例えば、NATOの一員である以上、トルコにも「NATOの秘密部隊」。イタリアのグラディオと連携している組織ということだ。この秘密部隊は「右翼団体」を手先として使うのだが、トルコの場合は「灰色の狼」。「民族主義者行動党」の青年組織で、その内部にある「対ゲリラ・センター」がその秘密部隊だと考えられている。この「灰色の狼」に所属していたひとり、モハメト・アリ・アジャは1981年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世を銃撃、西側メディアは「ソ連黒幕説」を流していた。
ISはシリア北東の街、コバニを攻略する際に化学兵器を使ったとされている。アメリカが2003年にイラクを先制攻撃した後に化学兵器を見つけているので、こうした化学兵器やリビアで略奪されたものが使われている可能性もあるが、ISにも製造技術はある。ちなみに、アメリカが発見した化学兵器について口を閉ざしたのは、それが「西側の技術」で製造されたもので、イラクを攻撃する口実に使った「大量破壊兵器」とは違ったからだ。
http://www.nytimes.com/interactive/2014/10/14/world/middleeast/us-casualties-of-iraq-chemical-weapons.html?_r=1
昨年8月、シリアでは化学兵器が使われた。西側メディアは政府軍による攻撃だと宣伝したが、事実に反することは間もなく判明する。この辺の事情は本ブログでも何度か書いたこと。
アメリカの監視システムはシリア政府の動きは勿論、化学兵器の発射を準備し始めた兆候があればすぐに察知でき、アメリカだけでなくイスラエルへもその事実が伝えられることになっている。
化学兵器は弾頭に装填すると3日以内に発射する必要がある。装填した瞬間から腐食が始まるからで、つまり準備を始めたら3日以内に攻撃があるということになる。もし、8月にシリア政府軍が実際に化学兵器を使ったとするならば、3日前にはそうした動きがあり、アメリカやイスラエルは察知していたはずで、死傷者が出ることを予想しながら警告しなかったことになる。
調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、この攻撃の数カ月前、アメリカの情報機関はアル・カイダ系の武装組織、アル・ヌスラがサリンを製造する能力を持っていると報告している。
http://www.lrb.co.uk/v35/n24/seymour-m-hersh/whose-sarin
遅くとも5月にはアル・ヌスラだけでなく「AQI」つまりISもサリンに関する知識を持っているとCIAはバラク・オバマ大統領に説明している。
9月の段階で、シリアでサリンを保有しているのは政府軍だけだとサマンサ・パワー米国連大使は主張しているが、これはCIAの情報を知らなかったのか、知っていながら嘘をついたということになる。
国防総省の科学顧問でもあるマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授、そして国連の兵器査察官を務めたリチャード・ロイドは、化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。
https://www.documentcloud.org/documents/1006045-possible-implications-of-bad-intelligence.html
ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。
この「化学兵器話」でアメリカ政府はシリアを直接、攻撃しようとしたが、ロシアの抵抗で実現しなかった。そして9月23日からISを口実にしてシリアで空爆を始めている。成果が上がっているかのように宣伝する人もいるが、最初の攻撃で破壊されたビルはその15から20日前から蛻の殻だったとCNNのアーワ・デイモンは翌朝の放送で伝えている。製油所を破壊しているのは、シリアの産油能力を弱めるためだと推測する人が少なくない。
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