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米国はシリアの体制を転覆させる手兵としてチェチェン人をパンキシ渓谷で訓練、送り込んでいる(櫻井ジャーナル)
http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/480.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 10 月 19 日 20:57:18: igsppGRN/E9PQ
 

米国はシリアの体制を転覆させる手兵としてチェチェン人をパンキシ渓谷で訓練、送り込んでいる
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201410190001/
2014.10.19 20:07:37 櫻井ジャーナル


 民主党のバラク・オバマ政権も「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」に基づいて破壊と殺戮を続けている。そのターゲットはイラク、イラン、シリア、リビア、レバノン、ソマリア、スーダン、朝鮮といった国々だけでなく、1年ほど前から核保有国のロシアや中国も含まれるようになった。

 こうした強硬姿勢の背景にはロシアや中国の軍事力に対する過小評価があるようだ。例えば、2006年にフォーリン・アフェアーズ誌が載せたキール・リーバーとダリル・プレスの論文によると、アメリカが核兵器のシステムを向上させているのに対し、ロシアの武器は急激に衰え、中国は核兵器の近代化に手間取り、相対的にバランスが大きく変化、アメリカはロシアと中国の長距離核兵器を第1撃で破壊できるとしているのだ。
http://www.foreignaffairs.com/articles/61508/keir-a-lieber-and-daryl-g-press/the-rise-of-us-nuclear-primacy

 つまり、ワンサイドゲームで勝てるということ。そこでウクライナでロシアと核戦争を始めることも厭わないとネオコンは考えているのだろう。ネオコンに従属している日本の支配層もそうした分析を信じている可能性が高い。

 現在、アメリカ/NATOはいくつかの地域で戦争、そのひとつがシリアだ。「大イスラエル構想」、イランとの関係、パイプラインの建設、地中海東岸で発見された天然ガスなどシリアが狙われている要素はいくつか存在するが、そのシリアを攻撃する主力としてアメリカが使っているのはIS(ISIS、ISIL、IEILとも表記)。

 シリアのバシャール・アル・アサド体制を転覆させるプロジェクトをアメリカ/NATOやペルシャ湾岸の産油国が始動させたのは2011年春のこと。トルコにある米空軍インシルリク基地でアメリカの情報機関員や特殊部隊員、あるいはイギリスとフランスの特殊部隊員らが反シリア政府軍を訓練、その戦闘員を雇っていたのがサウジアラビアやカタールなどの産油国。

 当時の反政府軍はFSA(自由シリア軍)と呼ばれていたが、その戦闘員の大半は外国人で、シリア人から見れば単なる侵略軍にすぎない。体制転覆プロジェクトが思惑通りに進まないのは当然なわけで、NATOの空爆が予定されていたはずだが、これはロシアの抵抗で実現しなかった。

 ウォルフォウィッツ・ドクトリンに従い、2003年に攻撃されたイラクではサダム・フセイン体制が崩壊するとアル・カイダ系の武装勢力が入り込んでくる。フセイン時代、アル・カイダ系の武装集団は厳しく弾圧されていたが、そのフセインが排除されたことが大きい。

 このアル・カイダとは、ロビン・クック元英外相が明らかにしたように、CIAに雇われて訓練を受けた数千人におよぶ「ムジャヒディン(聖戦士)」のコンピュータ・ファイルにすぎない。
http://www.theguardian.com/uk/2005/jul/08/july7.development
そのファイルに登録された戦闘員が送り込まれてきたということになる。

 イラクに入ってきたアル・カイダ系の戦闘集団はAQI(イラクのアル・カイダ)と呼ばれていた。2006年1月になるとAQIを中心にしていくつかの集団が集まり、ISI(イラクのイスラム国)が編成される。

 シリアでFSAの敗色が濃厚になっていた2013年春、ISIはシリアでの活動を活発化させる。同じ頃、アメリカ/NATOはシリアへの直接攻撃に向かって動き始め、政府軍が化学兵器を使ったという偽情報を必死に広めようとしていた。

 この情報が嘘だと最初に指摘したのはロシア。このロシアをサウジアラビアの総合情報庁長官だったバンダル・ビン・スルタン。元アメリカ駐在大使で、後に国家安全保障問題担当顧問になる。「バンダル・ブッシュ」というあだ名がつけられるほどブッシュ家とは近い関係にある。

 このスルタンは2013年7月31日にロシアを極秘訪問、ウラジミール・プーチン大統領らに対し、シリアからロシアが手を引けば、ソチで開催が予定されている冬期オリンピックをチェチェンの武装グループの襲撃計画を止めさせると持ちかけたという。
http://www.telegraph.co.uk/finance/newsbysector/energy/oilandgas/10266957/Saudis-offer-Russia-secret-oil-deal-if-it-drops-Syria.html
シリアから手を引かないとオリンピック期間中に襲わせると脅しているとロシア側は理解したのは当然だろう。その際、バンダル長官はプーチン大統領から、サウジアラビアとチェチェンの反ロシア勢力との関係を知っていると言われたようだ。

 チェチェンの反ロシア勢力はグルジアのパンキシ渓谷を拠点にしているが、この地域へはチェチェンからの難民が流れ込んでいて、そこでアメリカのCIAはチェチェン人をリクルートしていると言われている。本ブログでは何度も書いているが、グルジアはアメリカやイスラエルの強い影響下にある国だ。

 このパンキシ渓谷からシリアへもチェチェン人が送り込まれ、ISの戦闘員として戦っている。
http://balkanist.net/georgia-is-home-to-many-of-the-chechen-fighters-in-syria/
その人数は200名から1000名。シリア政府によると、アメリカ/NATOやサウジアラビアをはじめとするペルシャ湾岸の産油国の支援を受けてシリアへ入っている外国人戦闘員は25万人以上で、その41%はサウジアラビア人だと言われているが、チェチェン人は「精鋭部隊」と見なされている。今後、彼らがロシアへ攻め込む部隊として使われる可能性は大きい。

 アメリカは「用済み」の手駒を簡単に処分するが、まだISはアメリカ/NATOの指揮下にあるだろう。そうでなかれば石油を売ることは不可能なはずで、空爆もより効果的に行うだろう。アメリカの「友好国」であるトルコなどは、公然とISよりアサド体制の打倒を上位に掲げている。


 

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