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米国は自分から罠にはまろうとし、全世界に問題をばらまく
http://japanese.ruvr.ru/2014_10_17/278829166/
17:11 ロシアの声
人類を驚かすことにかけては米国は寸分たりとて余念が無い。少なくとも人類の一部である思考することができる人間たちは、この声明に驚愕しつづけている。しかも驚かすのは声明の馬鹿馬鹿しさだけでなく、この声明によっておきる否定的結果を米国人が予想することができないという点もそうなのだ。
先日飛び出した、めまいのするような発言は米国防総省のヘーゲル長官の口から出たものだった。ヘーゲル長官は米軍協会で演説したなかで、ロシアを米国の仮想敵国呼ばわりしたのだ。その発言を文字通り引用すると、
「米軍に対する要求は、日々刻々とさらに多様で複雑なものとなるだろう。テロリストや反対勢力側からの脅威は、我々にとってさらに長期にわたって存在するだろう。しかし私たちは、NATOの敷居の上に立っている修正主義のロシア、そして近代的ならびに戦闘能力を持つロシア軍も相手にしなければならないのだ。」
ここで何よりもこちらを仰天させるのは、ロシアがNATOの敷居の上に立っているという部分だ。当然ながら、持ち上がるのは「いったいどうやってロシアは敷居の上に立つはめになったのだろう」という問いだ。西側でここ数年、ロシア帝国復活の兆しにしきりと脅かされつづけてきた凡人であればすぐに、狡猾で全体主義的ロシアが平和で民主主義の守り手であるNATO陣営との境界線までとうとう達してしまった、さぁてとんでもないことがおきてしまうだろう、暴力だってありえるぞと思い込むに違いない。だが実際は、すべてがその正反対なのだ。頼むからやめてほしいというこちらの嘆願に耳を傾けず、狡猾に裏切り、ロシアとの境界線まで達したのはNATO陣営のほうだ。しかもNATOが東進を始めたのは90年代からのことで、当時、ロシア人の民主主義的改革主義者や外国人の助言者らが総力をあげてこの国の改革にとりかかったがために、ロシアの経済、科学、軍は破綻し、この国は誰かに脅威を与える状態には到底なかった。西側の指導者らは、NATOの拡大はない、というロシアへの約束を破って、これを行い、その言い訳となると、もごもごと不明瞭な文句をつぶやくだけだった。NATO拡大は行われ続け、ロシアはこれを黙って飲むだろうと信じられ続けた。そして、2007年、プーチン大統領が安全保障政策問題を話し合うミュンヘン会議の席で、ロシアにとってはNATOのこうした行為は、米国が国連決議も得ずにユーゴスラビア、アフガニスタン、イラクなどの独立国に武力侵攻を行った事実と同様、受け入れがたいとはっきり述べると、これに西側は大きな驚きを示したのだ。
ミュンヘン会議でのプーチン大統領の演説は西側指導者を大きく揺さぶったが、この結果とられた帰結は正しいものではなかった。この演説は蜂起、奇行と捉えられたが、実際は、これはシリアスな警告であり、ロシアを負け犬だ、こいつが相手なら何をやってもいいんだと考えるのはやめてほしいという慇懃なお願いだったのだ。だが、このお願い、警告は聞き入れられなかった。だから今回ヘーゲル長官は、NATOよ、準備せよ、つまりロシアはおまえの陣営の敷居にいるぞ、と言っているわけだ。この準備の必要性を正当化するため、ヘーゲル長官はロシアを修正主義と呼んだ。つまり、西側の見方ではロシアは生意気で、西側は自分が勝利者だと思っている冷戦の結果をあつかましくも見直している存在というわけだ。
これは非常に危険な態度だ。こうした態度がとられた結果、人類は大きな問題を抱えてしまった。米国とNATOによるユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア侵攻の悲しい教訓がそれを物語っている。これらの国々では、何十万人もの命が代価として支払われたが、すべては米国がこいつらは「悪いやつら」だから罰し、米国流の民主主義を植えつける権利があると野心を燃やしたがためだった。ところがよくよく考えれば、民主主義はドイツ、日本、あるいはスウェーデンのそれは米国的民主主義とはかなり異なる。サウジアラビアなどそもそも全く欠如している。だがこれらの国については、米国はなぜか高精度ピンポイント・ミサイルや強力な爆弾を投下して自己流モデルを強要することはしない。
なのに、ロシアを相手にしたやりかたはそれとは異なる。ロシアが断崖絶壁でもがき、こなごなに砕け散るのではないかという期待を西側に与えていた間は、ロシアは民主主義を身につけようと骨身惜しまず頑張っているねと褒められ続けたが、プーチン大統領が、奪われ、身包み剥がされたロシアの秩序を取り戻そうと腰を上げ、ロシアもようやく両足で立ち上がろうとし始めたとたん、ロシアは自由を侵害しているとして批判が浴びせられ始めた。そして今など、完全に敵扱いされ、ロシアに対する戦争まで始められたのだ。そうだろう。制裁発動は事実上は戦争開始に等しい。経済的手段によるこの戦争は私たちのパートナーの米国が考え付いたものであり、これはロシア経済を破壊し、生活水準を急激に下げ、反感をあおり、「プーチン体制」の破綻に招くべく放たれたものだ。これが戦争でなくて、何であろう? もし西側の指導者らがロシアはこの挑戦にこたえないだろうと思っているならば、彼らは何者なのだ? 頭の弱い連中なのだろうか?
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