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(Japan: War, Peace and the Constitution: FRANCE 24 English)
http://www.france24.com/en/20140806-focus-japan-constitution-war-pacifism-veteran-peace-abe-hiroshima-anniversary/
歴史−日本−平和
最終更新:2014年8月6日
日本:戦争と平和、そして、憲法
JAPAN - Japan: War, Peace and the Constitution 投稿者 france24english
第2次世界大戦で荒廃した日本は、その後、戦争と軍隊を放棄する憲法を立案することによって平和の道を選んだ。しかし現在、日本軍部隊が海外で戦うことを許可するために、安倍首相は憲法による歯止めの一部を除去することを計画しており、日本はこの戦後平和主義から踏み外しつつあるようだ。しかし、戦争を経験した人々は何を言わなければならないか?私たちは元帝国海軍飛行士の後を追い、彼の戦争体験と平和についての考えを教えてもらった。
このプログラムはエリーズ・デュフォとパトリック・ロヴェットが準備した。
記者 ユカ・ロワイエ、ギヨーム・ブレッション
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(書き起こし)
(プレゼンター)
…広島原爆投下69年目の日だ。140,000万人もの人々が死亡したこの攻撃の爆心に近い市の平和公園で、数万人の人々が1分間の黙祷を捧げた。核爆弾の攻撃を受けた唯一の国として、日本には核兵器廃絶への努力をする責務があると首相が語った。安倍晋三氏がこの発言を行った日本はいま、軍隊が海外で戦うのを許可すると先日彼が決めたことをめぐって割れている。
フランス24のユカ・ロワイエは、ある元日本帝国海軍の飛行士に会った。彼は、いまや戦闘に派遣されるかも知れない兵士たちに自分の経験を伝えている。
(ナレーション)
離陸許可よし。高橋淳氏にとって空は第2の家のようなものだ。彼は人生のほとんど全てを空中で過ごし、25,000時間以上の飛行記録を持っている。
(高橋淳氏、元日本帝国海軍飛行士)
ちょっと面白いことをやってみようか?
(ナレーション)
高橋氏は91歳のいまも、この空で旅行客を乗せたり操縦を教えたりして、定期的に飛んでいる。
(ある訓練生)
彼がいるだけで私たちは安心だ。
(別の訓練生)
空を飛んでいるとき、淳さんは歳が止まったように見える。
(ナレーション)
小さい頃に飛行機に魅せられた高橋氏は、18歳のとき飛行士になるために日本帝国海軍に入った。時は1941年、日本が真珠湾の米軍基地を攻撃し第2次世界大戦における太平洋の舞台の幕が開いた。三菱・一式陸攻爆撃機の機長として戦争の最後の数年間、高橋氏は最も過酷な航空戦のいくつかに参加した。
(高橋淳氏)
南方へ最初に送られたとき、私たちは総勢40機の編隊だった。ニューギニアやサイパンでの戦いの後、1年も経たないうちに、私たちは私の機ともう1機のたった2機だけにまで減っていた。
(ナレーション)
日本の兵士たちには当時、天皇を守るために戦死することが最高の名誉と見なされていたが、高橋氏の意識は生き延びること一点にあった。
(高橋淳氏)
撃たれた場合には、私は敵船への衝突を試みただろう。しかし、私は4〜5人の乗員を持つ大型機の機長だった。部下と自分の命は守り続けると、私は決めていた。
(ナレーション)
戦争が終わりに近づき、海軍は自暴自棄になった。カミカゼ飛行士を送り、効果のない自爆作戦をたびたび行った。高橋氏の名前も名簿に載った。しかし、彼がその究極の命令を受ける前に戦争は終わった。
(高橋淳氏)
本当のことを言うと、私はただ安堵した。皆、戦争が終わったことがただ嬉しかった。戦争で死ななければならなかったから。
(ナレーション)
300万人もの命を失い、日本は平和の道を歩み出した。米国の占領下で新憲法が立案され、これが戦後日本のアイデンティティの礎となった。最も有名な第9条では紛争解決の手段としての戦争が禁止され、軍隊の保有も禁止された。70年が経ち、平和主義の国是が変わろうとしている。
(安倍晋三氏、日本首相)
私たちはいかなる事態にも対処できるよう十分に準備し、日本に戦争を仕掛けるいかなる試みをも抑え込む能力を強化する。
(ナレーション)
安倍晋三首相は、日本が世界の紛争で軍事的な関与を拡大するために、この憲法上の制約を緩和した。日本は練度が高く装備も十分な自衛隊を持つが、彼らの国際的は役割は非戦闘活動に限定されている。自衛隊法の改正により、集団的自衛権の名の下に海外での戦闘が可能となる。
この動きへの支持は低いことが判っている。武力行使にはまだ厳しい制約があると安倍氏は改めて確認したが、一般国民は納得していない。国民投票を通じて憲法を改正するのではなく、解釈を変えようとする首相の企図に多くの人が怒っている。
(ジェフ・キングストン氏、テンプル大学アジア研究科長、日本)
…、そして、安倍氏は夜の泥棒のように裏口から忍び込み、憲法の心と魂を盗んだと一般国民は見ている。
(ナレーション)
政府発表の数日後、高橋淳氏は当時の戦争を若い兵士たちに直接説明するために、東京近郊の海軍基地に行った。現在軍服を着る若者に、戦闘体験のある者はいない。しかし、こうした兵士たちも、戦争を戦うことがいまや現実となり得る。
(高橋淳氏)
君たちは決して戦争はやってはいけない。しかし、日本が攻撃を受けたときに国を守るのは君たち次第だ。君たちは誇りと尊厳を持って国を守って貰いたい。戦争中、私は誇りを持って国を守った。君たちもそうしなさい。
(ナレーション)
東京都心の靖国神社では、戦死者に感謝を捧げる夏祭りが4日間行われ、毎年約30万人が訪れる。戦争犯罪のために有罪となった人々も祀られているために論争の的となっている場所だが、高橋淳氏には友のために祈る場所だ。
(高橋淳氏)
私がいまも飛行を続けられるのは、ここに祀られている戦友みんなのおかげだ。彼らがいまでも守ってくれていると、私は感じている。彼らが安らかに休み続けるよう祈り、彼らに感謝するために、私はここに来ている。
(ナレーション)
彼の最後の航空戦から69年。高橋氏はいまでも空高く飛んでいる。そのため、彼は世界最高齢の現役民間飛行士としてギネスブックに登録された。
(高橋淳氏)
私はもう少し飛行を続けたいと願っている。あとどれだけかは分からないが。100歳の飛行士がいるなんて楽しいじゃないか?
(ナレーション)
銃弾が空を飛び交うことさえなければ、この男を阻む物はない。第2次世界大戦の退役飛行士は、空が2度と爆弾で汚されることのないよう願っている。
(プレゼンター)
私の担当はここまでです。是非このままフランス24をご覧になって下さい。
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(投稿者より)
フランス24(英語サイト)に掲載された記事です。フランス語の動画記事も同局サイトにありますので一部参考にしましたが、聞き取りや和訳には間違いがあるかも知れません。ご容赦下さい。聞き取った文章は聞き取れた範囲でフォローアップ投稿してあります。
この記事の扱うテーマが今後数ヵ月〜数年にわたって問題になると思ったので、他の話題を優先させ、これは後回しにしましたが、記事の発表は8月6日とかなり以前です。
それでも、これをご紹介しようと考えたのは、高橋氏の見方や考え方が私には自然に思えたからです。
先の戦争に対する日本の意識や行動について、国や人によって見方は様々です。中には、ステロタイプ的な、あるいは、観念的なものも多く見受けられるように思えます。
しかし、記事が伝える高橋氏の姿は、そうしたものとは一線を画しているように思えました。空に憧れ、戦争の中では生き延びることを追い求め、戦争が終わった後は死んだ友に感謝し祈り、戦争には反対しつつも国の危機には毅然と立ち向かえと述べる氏の姿は、当たり前といえば当たり前なのですが、実はこれまで余り伝えられなかったように思えます。
靖国についても、"it's a place to pray for his friends" 「ここは友のために祈る場所だ」、神社が祈りの場所なのは当然のことですが、それでも、こうした記者の見方を目にしたのは、2010年から「阿修羅♪」に投稿を続けて実は今回が初めてです。
ただ、その一方で、日本を戦争に引きずり込もうとする者たちがいることも忘れてはいけません。「国の危機には毅然と立ち向かえ」という思いが、金儲けのために国に危機を持ち込む者たちの食い物にされることがあってはなりません。
戦争の悲惨さを強調する記事ではありませんので、物足りなさを感じる方はおられるかも知れませんが、見やすいレポートに仕上がっていると思います。6分半ですから、英語がおできになるならご覧になってもいいかも知れません。
- 『日本:戦争と平和、そして、憲法』の書き起こし 無段活用 2014/10/03 18:04:41
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