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ISを攻撃するとして行ったシリア領空爆を米国政府は自衛だと主張、集団的自衛権なら日本も参戦
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201409250000/
2014.09.25 13:42:07 櫻井ジャーナル
イラク人やシリア人だけでなく、アメリカ人の首を切ったIS(イスラム首長国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)を殲滅するという名目でアメリカ軍がシリア領を空爆した。そのISに対抗させるため、反シリア政府軍の「穏健派」を支援するともいう。
今回の空爆をアメリカは「自衛権の行使」だと主張しているようだが、もし日本が集団的自衛権を認めていたなら、日本もシリア攻撃に参加することになった。「ISとの戦争」の先にはアサド政権の打倒が見える。つまりシリア侵略。アメリカ政府の主張を大々的に宣伝するということは、侵略を後押しすることを意味する。
サマンサ・パワー米国連大使によると、その支援にはシリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すことも目的に含まれている。パワーはアメリカがユーゴスラビアに対して先制攻撃した際、その攻撃を正当化するためのプロパガンダに参加、ピューリッツァー賞を授与されている。
アメリカの国防総省でポール・ウォルフォウィッツを中心とするネオコンのグループが世界制覇プランを作成していたころ、ユーゴスラビアを「悪魔化」する宣伝は始まっていた。そうした偽情報のひとつが1992年に伝えられたボスニアにおけるセルビア兵による少女レイプ。
これを伝えたのはニューズデーのロイ・ガットマンだが、誤報だったことは別のジャーナリスト、アレクサンドラ・スティグルマイアーやマーティン・レットマイアーらによって確認されている。
ガットマンの情報源だったヤドランカ・シゲリはクロアチアの与党で民族主義の政党、HDZ(クロアチア民主団)の副党首。しかも、クロアチアの亡命者が創設したプロパガンダ組織CIC(クロアチア情報センター)のザグレブ事務所の責任者でもあった。なお、ICRC(赤十字国際委員会)によると、セルビア人による組織的なレイプが行われた証拠はない。
こうしたプロパガンダが延々と続けられ、1998年にマデリーン・オルブライト国務長官が空爆の支持を表明、99年にNATOはユーゴスラビアを攻撃したわけだ。その際、スロボダン・ミロシェビッチ大統領の自宅だけでなく、中国大使館も爆撃されている。ちなみに、オルブライトはズビグネフ・ブレジンスキーの教え子で、スーザン・ライス安全保障問題担当大統領補佐官の母親はオルブライトと親しく、スーザン自身も小さい頃からオルブライトと顔見知り。
ところで、アサド体制の打倒はイスラエル政府も望んでいる。例えば、駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンは退任前、イスラエルはシリアの体制転覆が希望であり、アサド体制よりアル・カイダの方がましだとエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている。
http://www.jpost.com/Features/Front-Lines/Diplomacy-Obama-passes-the-kishka-test-326570
パワーやオーレンと立場が近いジョン・マケイン米上院議員は昨年、トルコからシリアへ密入国、ある会議に出席している。その席にはFSA、アメリカ政府が言うところの「穏健派」のイドリス・サレム准将、そしてアメリカ政府が空爆の口実に使っているISを指揮していたイブラヒム・アル・バドリー(アブ・バクル・アル・バグダディ)も同席していたとされている。ネオコン、FSA、ISはつながっていると見なければならない。
ISは2004年に創設されたAQI(イラクのアル・カイダ)を中心にして生まれた戦闘集団。その2年後にISI(イラクのイスラム国)が編成され、2010年に現在の体制ができあがっている。名前の通り、当時はイラクで活動、シリアはアメリカの情報機関員や特殊部隊員、あるいはイギリスとフランスの特殊部隊員らがトルコの米空軍インシルリク基地で訓練していたFSAが政府軍と戦っていた。
リビアでアメリカ/NATOの地上部隊として動いたいたのがアル・カイダ系のLIFGだが、ムアンマル・アル・カダフィ体制が倒れると、アル・カイダの戦闘員はシリアやイラクへ移動していく。その際、マークを消したNATOの軍用機がシリアとの国境に近いトルコの軍事基地へ武器と戦闘員を運んだと言われている。
http://www.theamericanconservative.com/articles/nato-vs-syria/
その後、シリアの体制を転覆させるプロジェクトはアル・カイダ系の戦闘集団を使うようになる。そして2012年には、ヨルダン北部に設置された秘密基地で反シリア軍戦闘員をアメリカの情報機関や特殊部隊が訓練した。このことはドイツのスピーゲル誌やイギリスのガーディアン紙など西側のメディアも伝えている。当時の状況を考えればアル・カイダ系の戦闘員を訓練していたはずで、その中にはISの中心メンバーも含まれていた。
http://www.reuters.com/article/2013/03/10/us-syria-crisis-rebels-usa-idUSBRE9290FI20130310
http://www.theguardian.com/world/2013/mar/08/west-training-syrian-rebels-jordan
何度も書いたことで恐縮だが、ISはアメリカ/NATO、ペルシャ湾岸産油国、そして恐らくイスラエルが作り上げたモンスター。このモンスターがコントロール不能になったとする見方もあるが、現在の動きを見ているとアメリカ/NATOと連携している、つまりアメリカ政府が黒幕である可能性が高いように思える。
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