http://www.asyura2.com/14/warb14/msg/207.html
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熱狂的親露独立派の“ガス抜き”という役割を別にすれば、「ウクライナ危機」の内実(「クリミア半島と欧州銀行危機回避の交換プログラム」)を覆い隠すこと以外に意義がない破壊(ほとんどが住居)と殺戮(ほとんどが一般市民)の“合作内戦”に終わりが見えてきたことはとりあえず喜ばしい。
停戦合意の内容も、どちらかが“勝った”というようなものではなく、ウクライナの一体性を望むキエフ政権と強い自治権を望む東部地域の両方を立てたものと言えるだろう。
また、キエフ政権が“テロリスト”と呼び続けた親露派戦闘員の処遇について、「両州の出来事に関与した人の刑事訴追を見送る法律を採択する」とはっきり示したことは和解に大きく資する。
「ウクライナ領土から違法な武装組織、兵器、雇い兵を撤収させる」という合意は、ロシアと米国(NATO及びキエフ政権)の両方にかかわる問題だから、名指しをしないで“清算”を行うという合意は妥当である。
転載する記事は、「欧米各国が重視するロシア軍兵士のウクライナ東部からの撤退もいつ実現するか不透明」とロシア軍関係者のウクライナからの早期撤退を望む姿勢を見せているが、今回のケースでは、和平交渉が決着するまで、ロシア関係者も米国関係者もとどまったほうが望ましいと考えている。
というのも、「欧州安保協力機構(OSCE)による停戦監視」は、どちらが停戦を破ったかという問題に言及することはできても、それぞれの武装勢力を抑え込む力はないからである。
キエフ政権側の右派セクターを抑えられるのは米国軍事顧問団であり、親露勢力側の強硬独立派を抑えられるのはロシア特殊任務要員である。
残念なことだが、現時点で米露がウクライナから手を引けば、和平を嫌い武力で決着を付けたい“過激派”が再び撃ち始める可能性が高い。
一般市民の生命や生活をズタズタにした5ヶ月間の“内戦”だったが、それでも、2000名〜2500名の犠牲者にとどまったのは、米露による軍事的コントロールがあったがゆえとも言える。
(ウクライナ軍を含む武装勢力の犠牲者が抑えられた分、とんでもないことに、一般市民が犠牲に捧げられることになった)
また、和平交渉と併行して、MH17便撃墜問題にきっちり決着を付けなければならない。
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ウクライナ東部2州「特別な地位」 強い自治権付与[日経新聞]
OSCEが覚書公表
2014/9/7 20:59 (2014/9/7 23:16更新)
【モスクワ=田中孝幸】欧州安保協力機構(OSCE)は7日、ウクライナ政府と親ロシア派武装勢力が5日に署名したウクライナの和平に関する覚書の詳細を公表した。東部地域に強い自治権を持つ「特別な地位」を認める一方、「ウクライナ領土から違法な武装組織、兵器、雇い兵を撤収させる」との項目も盛りこまれたことが明らかになった。
最大の焦点である東部ドネツク、ルガンスク両州の統治体制を巡っては「特定地域に暫定的自治権を付与する特別な地位に関する法律を定め、地方分権を実施する」と明記した。
東部の「特別な地位」は高度の自治権獲得を目指す親ロ派が要求していた文言。親ロ派が掲げていた自治体の繰り上げ選挙の実施も盛り込まれた。
[ウクライナ停戦合意文書の12項目]
1、双方の即時停戦
2、欧州安保協力機構(OSCE)による停戦監視
3、ドネツク、ルガンスク両州の特定地域に暫定的自治権を付与する「特別な地位」に関する法律を定め、地方分権を実施
4、ロシア、ウクライナ国境に安全地帯を設け、OSCEが常設の監視を実施
5、捕虜や違法な拘束者の即時解放
6、両州での出来事に関連した者を刑事訴追しない法律の採択
7、国民対話の継続
8、両州の人道状況改善の措置実施
9、特別な地位に関する法律に基づき地元自治体の繰り上げ選挙を実施
10、ウクライナ領土からの違法な武装組織、兵器、雇い兵らの撤収
11、両州の経済復興、生活再建に向けた計画策定
12、停戦協議の参加者について身の安全の保証
(モスクワ=共同)
政府による親ロ派の戦闘員の恩赦では「両州の出来事に関与した人の刑事訴追を見送る法律を採択する」と明示。対象を「テロリスト」とみなしてきた親ロ派の幹部にも事実上広げた。
政府側は親ロ派の武装解除やロシア軍の撤退を求めてきたが、覚書では「違法な武装組織」との表現にとどまり、名指しはされなかった。
ウクライナのポロシェンコ大統領は5日、覚書について「私の和平計画がベースになっている」と語ったが、6月時点の政府の和平計画と比べると親ロ派側に大幅に譲歩した内容となった。親ロ派優位に傾く戦況や経済情勢の悪化を背景に戦闘終結を最優先し、妥協に踏み切ったとみられる。
ただ、東部の「特別な地位」の中身については独自の軍の編成権や司法権など準国家的権限を求める親ロ派側と、あくまで一定の地方分権にとどめたい政府側との主張の隔たりは大きい。
ロシア通信によるとルガンスク州の親ロ派最高幹部は7日、覚書について「平和のための妥協の用意はあるが、独立を諦めたわけではない」と強調した。月内には両者による本格的な和平交渉が始まる見通しだが、協議は難航が必至だ。
欧米各国が重視するロシア軍兵士のウクライナ東部からの撤退もいつ実現するか不透明だ。ロシア政府はそもそもウクライナでの自国軍の存在を認めていない。
ウクライナ政府もロシア軍の脅威は中長期的に続くとみている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07H0C_X00C14A9FF8000/?dg=1
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