また、多くのルーマニアやブルガリア、モルドバの少女が売春組織で、働か
せられているという。彼女たちは、親に売られた人身売買の犠牲者である。

また、旧ソ連のように情報封鎖された日本では全く報道されないが、今年の
２月と３月のたった２ヶ月間に、人口がわずか７００万強のブルガリアでは、
＜民営化＝市場経済化＞後の経済崩壊で生活苦に陥り、焼身自殺した人が８人
も出たのである。

ソ連の崩壊で「解放」されたはずの東欧は、バブル経済防止のための高金利政策
で経済抑制して市場経済化に成功したポーランドや、元々工業化が進んでいた
チェコ、社会主義時代も、ソ連から実験的な市場経済政策が認められていた
ハンガリーなどの国もあれば、失敗したルーマニアやブルガリア、ウクライナ、
モルドバのような国もある。

東欧ブロックだけでなく、スペイン、ギリシャ、イタリアなど南欧諸国も
破綻寸前となったが、旧ユーゴでは血で血を洗うような激しい内戦で、激しく
憎悪し合っていた民族同士が手を組み、民営化反対！、民族主義反対！
と訴えてデモをしている。

輸出の約７５％が旧ソ連圏であるウクライナは、将来、ＥＵに加盟するため、
旧ソ連圏、特にロシアとの貿易を止めて、ＥＵに切り替えるというのだが、
ウクライナの場合、ウクライナに進出しようとする欧米企業は、人口が３倍の
ロシア市場を諦めるしかなくなる。だから、そう簡単ではないのである。

やがてウクライナでも、旧ユーゴのように、対立していたロシア民族とウクラ
イナ民族は手を組み、民営化や民族主義に反対と訴えるデモをするようになる
であろう。