http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/841.html
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自らが育てたISを脅威だと叫び、シリアを空爆すると言う米国政府はISへの支援を止めないのか?
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201408230000/
2014.08.23 16:55:27 櫻井ジャーナル
IS(イスラム国。ISIS、ISIL、IEILとも表記)の攻勢を口実にして、アメリカ政府はシリアを空爆すると言い始めた。
http://www.washingtonpost.com/news/checkpoint/wp/2014/08/21/pentagon-leaves-door-open-to-strikes-in-syria-to-curb-islamic-state/
フォトジャーナリストのジェームズ・フォーリーをISが殺したと8月19日に伝えられた時点で、この斬首はシリアへの空爆を誘うことが本当の目的ではないかと言われたが、現実になってきた。
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201408200000/
この展開は2001年9月11日の出来事を連想させる。この日、ニューヨークの世界貿易センターの超高層ビルへ航空機が突入、国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのだが、その直後にジョージ・W・ブッシュ政権はアル・カイダが実行したと断定、アル・カイダを弾圧していたイラクを先制攻撃し、サダム・フセインを排除している。
このアル・カイダとISは密接な関係にある。2004年にアル・カイダ系のAQI(イラクのアル・カイダ)が組織され、06年1月にはAQIを中心にしていくつかの集団が集まり、ISI(イラクのイスラム国)が編成された。現在はISと呼ばれている。
AQIを率いていたアブ・ムサブ・アル・ザルカウィは2006年6月に殺されたと言われ、引き継いだのはアブ・アブドゥラ・アル・ラシド・アル・バグダディとエジプト在住のアブ・アユブ・アルーマスリ。このふたりは2010年にアメリカとイラクの軍事作戦で殺され、アブ・バクル・アル・バグダディが次のリーダーになる。
その翌年、中東/北アフリカでは「アラブの春」が始まり、シリアでも3月に自由化運動の弾圧を口実にしてアメリカ/NATOやペルシャ湾岸の独裁産油国が体制転覆プロジェクトを顕在化させた。その直前、2月にはリビアでも同じパターンで内乱が始まる。
リビアの場合、アル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団)が地上軍の主力となり、アメリカ/NATOが特殊部隊を送り込み、空爆で支援した。LIFGの戦闘員を雇っていたのがサウジアラビアやカタールだ。
http://www.telegraph.co.uk/news/worldnews/africaandindianocean/libya/8407047/Libyan-rebel-commander-admits-his-fighters-have-al-Qaeda-links.html
この空爆はロシアとの信頼関係を壊す原因になり、シリアに対するアメリカ/NATOの空爆をロシアは阻止する。
アメリカがアフリカ支配を狙ってAFRICOMが創設されたのは2007年だが、その16年前にポール・ウォルフォウィッツ国防次官はシリア、イラン、イラクを殲滅すると語っていたという。これはウェズリー・クラーク元欧州連合軍最高司令官の話。
http://www.youtube.com/watch?v=TY2DKzastu8
ちなみに、当時の大統領はジョージ・H・W・ブッシュだ。
その翌年、1992年にウォルフォウィッツを中心とする国防総省のネオコン(親イスラエル派)は新たな世界制覇戦略に基づいてDPG(国防計画指針)の草案を作成、西ヨーロッパ、アジア、旧ソ連圏で新たなライバルが育つことを防ぎ、中東の石油利権を維持するため、軍事力の増強を主張している。
その後、アメリカの没落は続くが、その一方でBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)などが成長、ラテン・アメリカやアフリカも自立への道を歩み始めた。アフリカで欧米の支配体制を倒そうとしていたのがリビアのムアンマル・アル・カダフィ。
アメリカを「唯一の超大国」とするネオコンのプランが大きく揺らぐ中で起こったのが2001年9月11日の出来事であり、2011年に始まったアラブの春だ。その間、2007年には調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュがニューヨーカー誌に、アメリカ、イスラエル、サウジアラビアがシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を始めたと書いている。
http://www.newyorker.com/magazine/2007/03/05/the-redirection
この秘密工作が始まった頃にISは組織化され、その後、勢力を拡大していく。シリアの体制転覆に手間取る中、アメリカ/NATOやペルシャ湾岸の産油国はISを含む反シリア軍への支援を強化している。
2012年にはヨルダン北部に設置された秘密基地でアメリカのCIAや特殊部隊からISは軍事訓練を受けたと伝えられている。そうした事情があるため、ヌーリ・アル・マリキ首相は今年3月、サウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供しているとして両国を批判しているわけだ。
http://www.reuters.com/article/2014/03/09/us-iraq-saudi-qatar-idUSBREA2806S20140309
今回のISによる軍事攻勢でもアメリカはスパイ衛星、偵察機、通信傍受、地上の情報網などで動きはつかんでいたはずだが、反応は鈍い。
もし、本当にISを脅威だと考えているなら、アメリカ政府はISに対する支援を止め、サウジアラビアなど湾岸産油国にも同調するように求めることだ。そうしたことなしにシリアを空爆するなら、それはISを創設した目的でもあるシリアのバシャール・アル・アサド体制の打倒が目的だと思われても仕方がない。
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