07. 母系社会 2014年8月23日 12:58:20
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★キエフ政権は、親EU派の新興財閥(旧世代)が牛耳る政権だが、やはり 「ネオ・ナチ」的な政権でもあるのは間違いない。●ウクライナは、地理的にロシアと西欧勢力との緩衝地帯で、同じくロシア とインドを支配していたイギリスとの緩衝地帯として形成されたアフガンに 非常に良く似ている。 アフガンには、最大民族のパシュトゥーン人(45%)、タジク人(32%)、 ハザーラ人(12%)、ウズベク人(9%)の他に、アイマーク人、ヌーリス ターン人、バローチ人、パシャイー人などの少数民族がいる多民族国家 である。 ウクライナにも、最低でも10以上の民族や集団がいて、最大民族の ウクライナ民族はウクライナ中央に集中している多民族国家であり、 ウクライナ周辺は、ほとんど全てウクライナ民族とは異なる民族や集団 が住む事実上の多民族国家。 しかし、ウクライナやアフガンには、国民が共通して支持する人物や、 そうした人物にまつわる神話=国家としての<共同幻想>が無い。 福沢諭吉が日本には政府はあるが、国民はいないと嘆いたように、初期の 明治国家には国民がいなかったのである。国民がいないとは、当時の日本には、 国民が共通して信憑する日本国家としての<共同幻想>=国家のイメージが 無く、国民は国家との関係を明識できなかったということである。 それで明治政府は、国家としての<共同幻想>を捏造して、国民を形成する ために、日本書紀等の記述を根拠に、天皇は「現人神」(あらひとがみ)= 「生き神」として神話化し、日本は「生き神」である万世一系の天皇が統治 する国で、国民は天皇の赤子であるというファンタジーを捏造し、義務教育や マスゴミを通じて国民を徹底的に洗脳したのである。 その結果、今日でも多くの国民が、なんとなく天皇を尊崇する国民国家=日本 が誕生したのであるが、このような国家としての<共同幻想>が、ウクライナ やアフガンには無い。したがって、このような存在は、近代的な国民国家では ないので、選挙の度に国家が分裂しかねない「疑似国家」なのである。 (中国やアフリカの人工国家にも無いのだが・・・) ●ウクライナは、東南部のロシア民族さえもクリミアを入れれば3つのロシア 民族があり、北部にもウクライナ民族とは異なる独自集団が住み、西部も4つ の独自集団に分かれ、クリミアのタタール人や港町のオデッサには、ユダヤ人、 ギリシャ人、ルーマニア人、ブルガリア人、トルコ人などの少数民族が 多いし、更に民族意識が明確ではない集団も数多くいるようだ。 また、ロシア民族が多い東部は工業地帯で中産階級が多く、比較的自由の気風 が強いが、西部は中小企業が多い農村地帯で保守的気風が強い地域。親EU派 が多い西部は保守的気風で、親ロシア派が多い東部は革新的・自由派が多い という、通常のイメージと異なる点もウクライナ情勢を複雑怪奇にしている。 だから、地域党という不思議な名前の政党があり、ロシア民族など、 ウクライナ民族以外の民族や集団を組織していたようだ。 ●そして、最大民族のウクライナ民族も、現在も形成途中の若い民族であり、 そうであるが故に、「ウクライナ民族至上主義」、つまり、<右>に傾いて いる。 (スラブ系のロシア、ベラルーシ、ウクライナの3民族自体が、まだ曖昧 な民族であり、ロシア民族の半数はベラルーシやウクライナ民族は同一民族 =兄弟民族と考え、今回の内戦も家庭内の争いと考えているという) というのは、下記のウクライナの学者へのインタビューでも紹介されている ように、「ウクライナの政治的な主流は、たとえば、西ヨーロッパ寄りという よりも、はるかに右翼寄り」で、「こうした右翼的なイデオロギーが支配的な なかでは、右派セクターやスヴォボダの極右は実際には極端な存在とは 見なされていない」のが現在のウクライナなのである。 「右派セクター」や「スヴォボダ」は人気が無いが、理由は彼らが極右だから ではなく、ロシアに介入の口実を与えかねない挑発的集団だからなのである。 また、急進党という極右党派が急速に人気を集めているようで、最近の政党の 支持率では、大統領派に次ぐ第2位。急進党党首のオレグ・リャシコは、白昼、堂々と市長を拉致するなどの無法ぶりで、アムネスティ ・ インターナショナルは、リャシコが誘拐や虐待をしているとして、ウクライナ検察に告発している。(先の大統領選挙では急進党のオレグ・リャシコが3位) ウラジミール・イシュチェンコへのイタビュー:主要な脅威は資本主義だ http://alt-movements.org/no_more_capitalism/modules/no_more_cap_blog/details.php?bid=205 ★ウラジミール・イシュチェンコは、ウクライナの社会学者。このサイト (no more capitalism)には、他にもウラジミール・イシュチェンコの 論文があるので、読めば極めて信頼できる左派系の学者であることがわかる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー <引用開始> CM: あなたは右派セクターやネオファシストについて多くのことを書いていきましたね。2月初め、ヤヌコヴィッチ政権崩壊の2週間ほど前に、『ガーディアン』に「ウクライナの抗議運動参加者は極右と決定的に決別しなければならない」と題され、副題に「ネオファシストはユーロマイダン運動に介入しはじめている。その登場の危険性を見逃すことはできない」とする文章を書きました。 右派セクターのネオファシストのイデオロギーに人気があるのでしょうか。あるいは、彼らの人気は、ユーロマイダンでの暴力的な戦術、警察に対峙する人々の存在によって拍車がかけられたのでしょうか。 VI: 人気の原因は、イデオロギーというよりもその行動でしょうね。彼らは人々のヒーロー、蜂起の前衛だと見なされました。彼らは多くの尊敬を集めましたし、蜂起の象徴的な存在を獲得しました。
しかし、ウクライナの政治的な主流は、たとえば、西ヨーロッパ寄りというよりも、はるかに右翼寄りだということを理解すべきです。西側において極めて厳しい批判を受けるような事柄も、多かれ少なかれウクライナでは甘受できてしまうのです。「白人ヨーロッパ人の防衛」といったことを発言することは多かれ少なかれオーケーで、主流の政治家ですらこういったことを口にすることができるのです。また、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー(LGBT)の人々に対して、何らの考慮もなしに、同性愛を嫌悪するようなことを言うのもオーケーなんです。こうした右翼的なイデオロギーが支配的ななかでは、右派セクターやスヴォボダの極右は実際には極端な存在とは見なされていないんです。 今、右派エクターとスヴォボダは批判されています。というのも、彼らの暴力と挑発的な行動がロシアによって利用されうると見られているからです。ロシアのメディアは、彼らを大いに利用し、ウクライナには極めて深刻なファシストが存在するということを示すために、彼らを利用しているからです。彼らが右派セクターを批判する場合であっても、彼らは、彼らの反 民主主義的なイデオロギーを批判していないのです。彼らを極右だから批判しているのではないのです。彼らが「首尾一貫したナショナリスト」ではないために、つまり、ウクライナの国益を考えていなさそうに見えるために批判するのです。 ウクライナの最大の問題は、多分、この右翼的なコンセンサスであり、これに挑戦しうる本格的な左翼の勢力が不在だということです。 <引用終了> (急進党)Radical Party (Ukraine) http://en.wikipedia.org/wiki/Radical_Party_(Ukraine) 白昼、堂々と市長を捕まえているオレグ・リャシコ。 Ляшко арестовал мэра Стаханова/Mayor Stakhanov arrested by Lyashko https://www.youtube.com/watch?v=_WzGw7i-frw |