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計画的ガザ攻撃の現実が白日化
あたかもずっと明らかではなかったかのように、今や以下のことが公式的となっている。つまりイスラエルは、狙いをつけたものを攻撃しつつある、ということだ。そこには、内部に何十という家族が閉じ込められた居住区や病院、学校、モスク、そして航空機から落とされたちらしがガザの住民にシェルターだと告げている場所すらもが含まれている。これらの場所が攻撃され、首相ネタニヤフは、そこにハマスがイスラエルに発射するロケット砲を隠しているからだ、などと語る。
それがたとえ真実だとしても――少なくとも部分的にはおそらく――、それは単に、市民の生命に関し何の違いもない同じ道義的レベルにイスラエルとハマスを置くにすぎない。そうした考え方は、ニューヨークタイムスのコラムニストであるニコラス・クリストフ、トーマス・フリードマン、ロジャー・コーエンが、双方の「過激派」部分と悪質な政治指導部がお互いにどれほど強めあっているかを教え諭す場合のように、企業メディアのよりリベラルな部分の中で許される議論の欄外に、無造作に記されている。
米議会はイスラエル支援で一致
もちろんこの道義的等価性に似たものは、米国議会の議論の中には今後もまったく見出されないだろう。そこでは二大政党の対立による政治の停滞が、大量殺人における麗しい二党共謀にとって代わられている。上院は、それ以前の下院決議をオウム返しにしつつ、「進歩派」民主党とバーニー・サンダースを含む他の残り全部と共に、「いわれのない」ロケット砲攻撃に対するイスラエルの「自衛権」を承認し、パレスチナの諸勢力がすでに形成した統一政府の解体を求めるために、一〇〇対〇の票決を行った。
その後、彼女の事務所が誇らしく公表しているが、「上院歳出委員会議長、上院議員、バーバラ・A・ミクルスキーは今日、二〇一五年会計年度国防省支出法案の委員会通過を公表した。そこには、前年会計年度よりも一億一七〇〇万ドル増の、米国―イスラエル共同ミサイル開発計画向けの六億二一〇〇万ドルが含まれる。ここには、鉄のドームミサイル防衛システムを支援する三億五一〇〇万ドルが含まれ、それは、この計画に向け当局が二〇一五年会計年度に要求したものを倍化している」。
われわれはわれわれが恐れていた政治停滞が逆転したことを喜ぶことができるだろうか?
僅か一週間の平和すらなかった
イスラエル―ハマスの道義的等価性論それ自身は、実体的ないのちの破局と歴史的つながりからかけ離れた抽象の中でのみ維持可能だ。これを理解するためにはわれわれは、しばらく、当座の一面見出しから引き下がらなければならない。これらの見出しの中では毎日の暴虐がそれ以前の暴虐をぼやけさせているのだ。
イスラエル国家は米国の全面的な支援に基づいて圧倒的な火力と大虐殺を加えるための技術的優位をもっている、というだけではない。われわれはガザに関する大嘘をも解体しなければならない。この大嘘は際限のない繰り返しを通じて信用を得ているのだ。それは、「全入植者を引き上げさせたイスラエルのガザからの撤退は、そこに自由かつ平和的に発展する可能性を残したが、その見返りに得たものはロケット砲攻撃だった」というように、展開されている。
しかし本当のことは、ガザにはたった一週間の平和すら一度もなかった、ということだ。二〇〇五年のアリエル・シャロンの「撤退」の当時から、イスラエルの航空機は故意に轟音をとどろかせながら頭上を飛び回った。ガザは二〇〇六年以来基本的にイスラエルによって封鎖された。その港は使用が禁止され、輸出品のほとんどは差し止められ、漁船は漁場に近づくことができず、その住民たちは国連の援助への徹底的な依存状態に引き下げられた。農民たちは国境近くの自身の農地で働いている時に銃撃された。子どもたちもイスラエルの狙撃兵に銃撃され倒れた。二〇〇八―九年や二〇一二年の以前のイスラエル軍事侵攻は言うまでもなく、「静穏」の時ですら、狙い定めた暗殺は日常生活のいわば特色となった。
ネタニエフのはるか前に、「ガザが海に沈めば」が彼の願いだと語った者が、聖人の列に加えられたイツァク・ラビンだった。ガザの住民の許されざる罪こそ、この願いを満たすことができないことにあるのだ(あたかもそれは実体のある選択肢であるかのように)。
オバマは実行可能な停戦しゃ断
占領はいくつかの社会サービスに対する最低限の責任を負うようイスラエルに強制してきた。その一方的な「撤退」はイスラエルに、占領を近代戦テクノロジーと監視テクノロジーを用いて行われる一種の中世風包囲に変える余地を与えた。ガザは今日、清潔な水もないままがまんできないほどに詰め込まれ、ストレスを加えられ、閉じ込められ、ナチ時代を除けば、欧州のユダヤ人ゲットーのあらゆるものと同じほどの悪条件の中で生活している。
その民衆の市民的防衛ではなく、その戦闘員のためにまったく印象的な地下トンネルを構築したハマスか、それとも失敗したクーデター(二〇〇七年)という形でイスラエルと米国CIAと結託した腐敗したパレスチナ自治政府か、それ自身の指導部を判断するのは結局パレスチナ人だ。ちなみに先のクーデターは、パレスチナ社会が真の民主的選挙の組織化に成功した後のことであり、テルアビブとワシントンはその選挙結果を嫌ったのだった。
その判断は相当に不快なものとなるかもしれない。しかし事実は、想像もできない恐怖にもかかわらず、ガザのほとんどの人びとは、包囲という緩やかな死に対する諸々の解決の始まりなしにやめられるような抵抗を欲してはいない、ということだ。ハマスが要求している停戦条件――国境の開放、漁業と通商の許可、殺害されたイスラエルのティーンエージャーの捜索との口実でイスラエルに逮捕された囚人数百人の釈放――は完全に合理的だ。
実行可能な停戦への道を妨げていることは、オバマ政権の政治的かつ道義的崩壊だ。「われわれ自身の政府の」指導性を判断することは、またこのエピソードの致命的結末を直視することはわれわれの仕事だ。
「二国家解決策」あるいはある種の「単一の民主国家」というこのどちらかへ何らかの突発的できごとが道を開く、などというおとぎ話はまったくあり得ない。イスラエル自身の振るまいがワシントンにとって有用性よりもいわば戦略的不利を多くするまでは、また世界的な草の根の憤激とBDS(ボイコット/投資引き上げ/制裁)がイスラエルをいわば「国際的のけ者国家」にするまでは、どのような解決もありそうにない。
それが起きるまでは、またそれが起きなければ、パレスチナはジョージ・オーウェルが『一九八四年』で描いたイメージとなるだろう。すなわち、「未来の像を求めるならば、人間の顔に押された――永遠に――靴跡を想像せよ」と。
▼筆者は、米国の社会主義組織のソリダリティーが発行する雑誌「アゲンストザカレント」の編集者。(「インターナショナルビューポイント」二〇一四年八月号)
http://www.jrcl.net/frame140825f.html
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