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シリア北部でパレードする「イスラム国」メンバー(AP)
凶悪「イスラム国」の恐ろしすぎる実態 一般市民や捕虜も惨殺 シリア日本人拘束
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140820/frn1408201538005-n1.htm
2014.08.20 夕刊フジ
民間軍事会社を経営する湯川遥菜(はるな)さん(42)とみられる日本人男性を拘束したイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」。イラク北部とシリア東部にかけて幅広い範囲で活動を活発化させており、アルカーイダをしのぐ世界最大規模の国際テロ集団だ。捕虜や方針に従わない一般市民を容赦なく惨殺するという、他の過激派組織とは比しない残忍さで知られている。
湯川さんは、シリア北部アレッポ郊外バーブで拘束されているという情報がある。直前まで同行し、イスラム国とも戦闘を続ける反体制派武装組織「イスラム戦線」の地区幹部は共同通信の取材に対し、「命を賭けてでも助ける」と明言。自分たちが拘束しているイスラム国の戦闘員との「捕虜交換」を提示しているが、イスラム国から明確な返答はないという。
ロイター通信によると、イスラム国は19日、シリア内戦の取材中に武装グループに拉致され、行方不明になっていた米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏とみられる人物を処刑する映像を公開した。
中東だけでなく世界全体の脅威となっているイスラム国。もともとは2003年のイラク戦争後、国際テロ集団アルカーイダに忠誠を誓い、イラクでテロを展開していたが、13年に隣国のシリア内戦で台頭した。昨年末から再びイラクでの攻勢を強め、今年6月、国境を越えた「イスラム国」の樹立を宣言し、組織名もイスラム国を名乗ると発表した。
指導者のバグダディ容疑者は、イスラム教にとって最高権威である「カリフ(預言者ムハンマドの後継者)」を名乗り、世界のイスラム教徒に結束を呼びかけている。
「米軍がイラクから引き上げた後、シーア派のマリキ政権下で弾圧されたスンニ派の部族指導者らを取り込み、急速に支配地域を広げた。決定的な出来事は、今年6月に、イラク第2の都市モスルを制圧したこと。十何倍もいるイラク政府軍を破り、政府軍は武器や戦車を残して逃げてしまった。そこで大量の武器が手に入り、市内の銀行からカネを奪って、戦闘レベルが一気に上がった」
『イスラムのテロリスト』(講談社+α新書)などの著書がある軍事アナリストの黒井文太郎氏は、急拡大の背景をこう分析する。
規模は一万数千人ともいわれる。黒井氏は「コアなメンバーはそれほどいない。メンバーは流動的で、これ以上増えることはないだろう」と指摘するが、インターネットなどで若者を勧誘し、ヨーロッパやロシアのチェチェンなど海外の志願兵も多いという。
最も狂信的な組織とされ、容赦なく殺害する残忍さは類をみない。他の過激派組織との衝突も多く、路線の違いや残虐性から、今年2月にはアルカーイダ本体から断絶された。
「自分たちに従わない者は見せしめに殺すというもので、捕虜は片っ端から首を切り、支配地域にある民間人やほかの宗派への暴力行為、処刑も頻繁に行われている。イラク北部の少数派のヤジディ教徒の住民は改宗を迫られ、殺害された。7世紀のイスラム社会に戻すことを目指していて、窃盗した人は手足を切断するなど、当時のイスラムの法律を厳格に適用しようとしている。彼らにしてみれば、正しいイスラム国家のあり方であり、悪いことをしている意識はない」(黒井氏)
人、武器だけでなく、シリア東部の油田も獲得し、資金力も豊富にあるとされるイスラム国。黒井氏は「アルカーイダは弱体化しており、テロワールドから退場している。過去にもイスラム国ほど領土を広げた過激派組織はなく、圧倒的な存在感で、しばらくは台風の目になるだろう」とみている。
※閲覧注意 ナイフや銃による処刑映像
2014/07/26 に公開
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