http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/765.html
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最近、ISIS(ISIL)と呼ばれていた勢力は、内外のメディアから、「イスラム国」というもっともらしい呼び方をされるようになったようだ。
8月8日に再開された米軍の空爆は、「イスラム国」部隊を攻撃することで、山中に逃れたクルド少数派ヤジディー・コミュニティの数万人がクルド自治区に向かう環境を確保する目的で実施されている。
8月初旬、居住地シンジャールから脱出し背後にあるシンジャール山中に逃げ込みクルド自治区に向かったクルド少数派ヤジディーの悲劇については、高温下で十分な食糧や飲料水もないため子供40人の死亡や拉致された女性50〜100人が人身売買されたという未確認情報までが報じられている。
メディア報道をざっと見聞きしていると、シンジャールにあるヤジディー・コミュニティは「イスラム国」に襲撃されたため背後にあるシンジャール山に命からがら逃げ込んだというイメージを持つだろう。
しかし、シンジャールのクルド少数派ヤジディー・コミュニティが山に逃げ込んだのは、「イスラム国」に対する脅えが根底にあったことは確かだが、「イスラム国」に攻撃されたからではない。
[英国BBCニュースが8日前後に報じた内容]
8月3日の朝、それまでシンジャールを保護してきたクルド治安部隊「ペシュメルガ」が忽然と消えた。「ペシュメルガ」が理由も告げずにいなくなったことが、ヤジディー・コミュニティにパニックを引き起こし、背後にあるシンジャール山への避難につながったというものである。
居留民を保護すべき関東軍(幹部)が逃げ出したソ連軍侵攻後の満州を彷彿とさせる経緯である。
「ペシュメルガ」にシンジャールから撤退しなければならない理由があるとしても、同胞であるヤジディー・コミュニティに対し、撤退の理由はともかく、撤退を告知するのは当然の義務である。
「イスラム国」がヤジディーを「悪魔崇拝者」とみなしその殺害を広言してきたことを考え合わせれば、ヤジディー・コミュニティのその後の行動は予測できるものである。
「ペシュメルガ」に、4万人ほどと言われるヤジディー・コミュニティが脱出するための車両を用意すべきとまでは言わないが、飲料水と食糧は供給する義務があるとは言いたい。
この「ヤジディー・コミュニティの受難」が、米国オバマ政権の空爆再開理由になり、フランスや英国がクルド勢力に武器を供与する契機になったことを考えると、クルド少数派ヤジディー・コミュニティは、クルド多数派により、“人身御供”にされたと言っても過言ではないだろう。
「イスラム国」がイラク情勢に絡むことで、バグダッド政府にはイランとロシアがテコ入れし、クルド人勢力には欧米諸国がテコ入れし、加えて、シリア軍機がイラクに展開する「イスラム国」部隊を空爆するという異様な構図になった。
その結果、イラク人同士・ムスリム同士が血で血を洗う悲劇的争乱に今後ますます拍車がかかることになるだろう。
※ 関連参照投稿
「イラクを突然崩壊寸前に追い込んだISISの正体:首に賞金1千万ドルの指導者バグダディ氏は米国のアセットらしい」
http://www.asyura2.com/14/kokusai8/msg/870.html
「ISIS指導者バグダディの謎に満ちた素顔:5年前米軍は4年間拘留後あっさり釈放:露RTRが本人の最新ビデオ映像を放送!」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/103.html
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