http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/620.html
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マレーシア航空MH17便の墜落以来目立つのは西側の半狂乱ともいえるロシア非難である。確たる証拠も公式に出せないまま、西側マスコミを中心にロシアが関与といった報道が次々と洪水のようになされ、ロシアけしからんの世論を誘導している。ロシア側は、かなり理路整然と反論をしているように見えるが、それもまともに取り上げて再反論するようなそぶりも西側は見せていない。何よりもアメリカ政府側から衛星写真を含め何も確たる証拠が公式に出てこないことが真相を示唆しているのではないか。
阿修羅にもよく紹介されているPaul Craig Roberts氏がかなり以前からアメリカはロシアを照準に定めたと書いていた。当時は、そこまでバカなことはしまいと考えていたが、どうもアメリカのネオコンは真剣のようである。
Paul Craig Robertsのwebsite
http://www.paulcraigroberts.org/
日本語訳は下の「マスコミに載らない海外記事」に
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/
一番最新の記事は、以下に紹介されている。
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-b0fe.html
このPaul Craig Roberts氏がしばしば言及しているのは、ウォルフォウィッツ・ドクトリンである。
「我々の第一目標は、旧ソ連地域であれ、他の地域であれ、かつてソ連が引きもたらしたようなスケールの脅威をもたらすような新たなライバルの再出現を防ぐことだ。これは新たな地域防衛戦略の基礎にある最も重要な考慮事項である。我々は、グローバルパワーを生み出すような資源を持つ地域をいかなる敵対的勢力も支配することがないよう努力する必要がある。」
何とも意味深なドクトリンである。Paul Craig Roberts氏はこれが現在ロシアに対して発動されていると何度も書いている。
この「マスコミに載らない海外記事」は他にもおもしろい記事を紹介してくれており最近よく見ているのだが、Paul Craig Roberts氏だけでなく、最近の紹介記事でも以下のようなものがあった。
(以下引用)
真空状態の本当の理由
現在の統治上の真空状態を巡る上記説明は、全て、クーデターそのものよりも早く始まっていた出来事が起源なのだ。何よりもまず、1991年の独立以来、ウクライナは、アメリカにとって、地政学的チェスの駒だった。ズビグニュー・ブレジンスキーが、アメリカのユーラシア勢力圏における、軸兵としての、ウクライナの役割について、1997年の著書“グランド・チェスボード”の中で、“ウクライナが無ければ、ロシアは、ユーラシアの帝国であることを停止する”と巧みな表現をしている。ビクトリア・ヌーランド国務次官補が、アメリカが、1991年以来、ウクライナにおける“民主主義の推進”に、50億ドル使ったことを認めている通り、この戦略的助言は、国務省では、確かにしっかり聞き入れられている。・・・
・・・ウクライナで政権転覆を起こし、傀儡を利用して、ロシアを攻撃するというアメリカの地政学的狙いさえなければ、ウクライナに危機はなかっただろう。避難民が東に向かって殺到することもなく、ウクライナは、文明の断層線に沿って、分裂することもなかっただろう。混沌ブラック・ホールの拡大は、ひたすら、不安定化が始まる前までは、ウクライナが、その加盟国候補であった、ロシアのユーラシア連合という統合目標を粉砕する為の脅迫を、最後までやり抜こうとするアメリカの取り組みが原因だ。
(引用終わり)
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-2c86.html
著者のAndrew Korybko氏はボイス・オブ・ロシアの記者とあるので一定のバイアスがかかっていることを考えなければいけないと思うが、大きな絵図としては、多分、Paul Craig Roberts氏やAndrew Korybko氏が指摘している通りではないかと感じている。
そして、現在の状況はアメリカがイラクに攻め入った前夜のようで嫌な予感がする。あのときもイラクなどアルカイダとは関係ないだろうと考えていたのだが、巧妙に捏造された「証拠」が次々とマスコミに流れた。そして極めつけは哀れなパウエル国務長官の国連安保理でのプレゼンテーションであった。そして、ご存じの通りあれよあれよという間に戦争に突入した。
MH17便も西側の仕組んだものであろうという状況証拠が次々浮上しているが、西側政府、マスコミは完全無視である。もうこれは、事実かどうかなどどうでもよく、どれだけ相手を悪者にできるか西側とロシアの生死をかけた戦争なのだと思う。そして、ロシア滅亡作戦はその他大勢を巻き込んで既に本格的に動き出してしまっており、のっぴきならないところまで来ているように見える。
今までロシア非難に消極的だった欧州諸国も足並みをそろえてロシアを非難し経済制裁だと叫び始めたところから見ると相当アメリカから脅されているようだ。もしかしたら、MH17便の策謀に欧州諸国も関与していたのかもしれない。
(ところで、ネオコン的観点から見るとマレーシアはけしからん国だったようである。「マレーシアという国は、マハティールが米国やイスラエルの戦争犯罪を追及するようなことをやってきた国なんですね。さらにナジーブ首相が、ガザにも行ったと。」http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/225.html)
いずれにしろもう今更ウクライナがやりました、アメリカもそれを知っていましたなどとはいえない。真相を葬り去るには紛争を拡大させロシアの息の根を止めるしかない。そうしないと反対に自分がやられる。うまくプーチン・ロシアを抹殺しロシアに親米政権を樹立すれば、天然ガス等の資源が西側の自由になり、ネオコンが描いたような「すばらしい」社会になる。イラクがアメリカの傀儡政権の下、石油資源を政治交渉の武器にも利用できない惨めな国になったように、ロシアも傀儡政権の下、自由にしたいのだろう。ロシアの日本化、イラク化を狙っていると言ってもいい。
こう書いてくると、アメリカが、原住民インディアンを滅ぼし、また、メキシコからテキサス、カリフォルニアを奪い取ったいわゆるフロンティア開発が、太平洋を越えて日本、イラク、さらにはロシアに到達しようとしているのではないかと感じる。インディアンを滅ぼしたときもアメリカは出任せの難癖をつけつつ殺戮をくり返しほしいものを手にした。
ただ、今回はネオコンが思っているほど簡単にいくか。数ヶ月前からロシアをあおり何とかプーチンを戦争に引きずり込もうとしているが、プーチンはなかなか乗ってこない。プーチンが戦争に乗るまで、ますます今後ウクライナでロシア系住民が虐殺されるだろう。また、経済制裁も強化されるだろう。しかし、実際にロシアが戦争に乗った場合中途半端な戦争にはならないだろう。現ロシア政府を崩壊させるのが目的なのだから、ウクライナだけで終わるはずがない。
今までの手口からすると、ネオコンが描くシナリオは、ロシア軍がウクライナ東部に攻め込んだら、国連安保理でロシアに対する軍事制裁を提案、ロシアに拒否権を行使させますます悪辣ぶりを際立たせる。そして、ウクライナで今度はロシア軍による虐殺行為が起きる。イラク戦争の時と同じで有志連合が、ウクライナ支援に参戦。この時のために日本の尻をたたいて改憲解釈させ集団的自衛権を採用させたのだから、当然日本にもお呼びがかかる。あと制空権を確保してとりあえず、ロシア軍をウクライナから追い出し、クリミアも確保する。
そのあとはイラクのクエート侵攻と同じで侵略者ロシアを経済制裁等でギュウーギュー締め付ける。プーチンは戦争犯罪人とされ大統領の地位を降りるまで経済制裁を続けるとすればいい。この間にプーチンへの不満が高まり、オルガルヒを中心とした親米政権ができれば目的達成である。
制空権を完全に握れそうだと判断したら、イラクのように間をおいた2段階作戦など採らず、侵略者プーチンの政権を崩壊に追い込むためモスクワまで撤退するロシア軍を追って進攻する選択肢もある。キエフからスクワまで760Km程度とあるので、ウクライナ東部から攻め入れば600Km弱でモスクワである。
ロシア、プーチンはこのような状況になったとき、やはり核兵器で形勢を挽回する選択肢をとる誘惑に駆られるだろう。それもウクライナで使えるうちにできるだけ早く使った方が効果的である。ネオコンは、それも想定に入れているだろう。何せウォルフォウィッツ・ドクトリンで先制攻撃(pre-emptive attack)を謳ったような連中である。
もしかしたら、ロシア軍が攻め込んだあとウクライナ東部のウクライナ軍活動地域で誰のものともわからない核爆弾が炸裂するかもしれない。それに対抗するという名目で、西側もウクライナ東部に侵攻したロシア軍に核攻撃。その後、核を先制使用した悪魔のロシア政府を懲罰するとしてモスクワに向けて核攻撃、理由はモスクワ、悪魔のプーチンが一挙に片をつけようと欧州、アメリカ、日本に向け核攻撃の準備をしたためやむを得ずモスクワを攻撃したとする。こうすれば、世界を破滅から救ったアメリカの苦渋の決断ということで賞賛されるといったところか。
しかし、これらのシナリオは一つ間違うと人類を滅亡に追い込む壮大な核のパイ投げ合戦に発展してもおかしくない。
今回のMH17でアメリカはもうロシアとの戦争の覚悟を決めていると見るべきである。そして、アメリカは決意の固さ見せけ、ロシアとの関係を絶つよう日本及び欧州諸国に踏み絵を踏ませた。(このため、プーチン訪日など軽く吹き飛んでしまった。)アメリカはロシア打倒のアジェンダと着々とすすめ、現在のチャンスを生かすため、政府、マスコミそろって目的達成のために一直線である。ロシアとの戦争になれば、早速集団自衛権で日本も派兵となるだろう。プーチン及びロシア国民が挑発に乗らないようただ祈るばかりである。世も末だ。
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