日本のメディアは、ほぼ完全にスルーしているが、かなり、ややこしいことになっているな

http://www.rferl.org/content/nagorno-karabakh-tensions-azerbaijan-armenia/25479630.html
August 03, 2014
More Nagorno-Karabakh Deaths Reported
by RFE/RL's Armenian Service
The situation around Azerbaijan's breakaway region of Nagorno-Karabakh remained strained on August 3, with Armenia and Azerbaijan accusing each other of escalating tensions.
The self-styled Defense Ministry of Nagorno-Karabakh said its forces had foiled another Azerbaijani attempt at infiltration. It said one Azerbaijani soldier was killed.
Meanwhile, an ethnic Armenian soldier wounded in clashes near Nagorno-Karabakh earlier this week reportedly died in hospital on August 3.
This is the fifth death reported by Nagorno-Karabakh’s authorities since the latest flare-up of tensions in the conflict zone.
Also on August 3, the Armenian Defense Ministry accused the Azerbaijani side of violating the cease-fire along the frontline nearly 900 times.
Azerbaijan's Defense Ministry, meanwhile, blamed the Armenian forces for the continuing tensions.
Armenian Prime Minister Hovik Abrahamian said a meeting between the presidents of Armenia and Azerbaijan, Serzh Sarkisian and Ilham Aliyev, could be held as early as August 8-9 in the southern Russian resort of Sochi.
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EU Urges Conflicting Sides to Observe Ceasefire in Nagorno ...
RIA Novosti-13 時間前
Russia Voices Concern Over Violence in Nagorno-Karabakh
The Moscow Times-11 時間前
Armenia, Azerbaijan to Meet on Nagorno-Karabakh
Voice of America-2014/08/02
Leaders of Armenia, Azerbaijan to meet to ease tensions in Nagorno ...
GlobalPost-4 時間前
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euronews

Tasnim News Agency

Reuters India

Businessweek

Trend.az

La prensa
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OSCE Urges Immediate Settlement of Nagorno-Karabakh Conflict
RIA Novosti-2014/08/02
MOSCOW, August 2 (RIA Novosti) – OSCE Chairperson-in-Office Didier Burkhalter and members of the Minsk Group have expressed “deep concerns” amid rising violence in Nagorno-Karabakh, at the center of a territorial ...

5 Killed in Clashes over Nagorno Karabakh
Tasnim News Agency-18 時間前
The two former Soviet nations have been locked in a long-simmering conflict over Nagorno Karabakh. The sudden surge in tensions in a region that has been on a knife-edge for years comes as Armenia's ally Russia is ...
Events in Nagorno-Karabakh Violate Ceasefire Agreements ...
RIA Novosti-2014/08/02
MOSCOW, August 2 (RIA Novosti) – Recent escalation of the Nagorno-Karabakh conflict, which led to numerous casualties, is a serious violation of ceasefire agreements, a spokesperson for the Russian Foreign Ministry said ...
Armenia Urges to Stabilize Situation in Nagorno-Karabakh Conflict ...
RIA Novosti-2014/08/02
YEREVAN/BAKU, August 2 (RIA Novosti) – Armenia's Defense Ministry on Saturday called to stabilize situation in the breakaway republic of Nagorno-Karabakh, which is at the center of the territorial dispute between Armenia ...

Moscow concerned about sharp deterioration of situation in ...
Trend.az-2014/08/02
Moscow urges the sides of the Nagorno-Karabakh conflict to renounce the use of force and to take measures to stabilize the situation in the region, Deputy Director of the Information and Press Department under the Russian ...

Hetq Online
Escalating Violence Along the Line of Contact in the Nagorno ...
US Department of State (press release)-2014/08/01
Escalating Violence Along the Line of Contact in the Nagorno-Karabakh Conflict. Press Statement. Marie Harf Deputy Department Spokesperson, Office of the Spokesperson. Washington, DC. August 1, 2014. Share ...
US Expresses Concerns about Escalating Violence along the Line ...
Hetq Online-2014/08/02
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To break deadlock in negotiation process on Nagorno-Karabakh ...
Armenpress.am-2014/08/01
As reports "Armenpress", in an interview with Tert.am, a former Russian co-chair of the OSCE Minsk Group, former representative of the Russian mission on Nagorno-Karabakh said he sees no other possible breakthrough in ...
Deadlock in Nagorno-Karabakh undermines Armenian national ...
Daily Sabah-2014/07/30
Since Armenia occupied the Nagorno-Karabakh Autonomous Oblast of Azerbaijan SSR in between 1992 and 1994, peace and stability in the Caucasus have been the most needed values, particularly when the region came ...

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E6%88%A6%E4%BA%89
ナゴルノ・カラバフ戦争（ナゴルノ・カラバフせんそう）とは、アルメニアとアゼルバイジャンのナゴルノ・カラバフ自治州を巡る争い。日本の報道では「ナゴルノ・カラバフ紛争」と呼ばれることもある。戦争は泥沼化し、現在は事実上、アルメニア人の占領下にある。

ソ連崩壊後[編集]
1991年夏の保守派クーデターが失敗に終わると、アルメニア人は国民投票で圧倒的多数の賛成でソ連からの独立に賛成した[140]。続く9月の大統領選挙ではテル＝ペトロシャンが80パーセントの得票率で独立アルメニアの初代大統領に就任した[140]。一方のアゼルバイジャンでも9月に共和国最高会議が満場一致で独立に賛成し、続く直接制大統領選挙では、共産党を離脱し無所属となったムタリボフが人民戦線に圧勝して独立アゼルバイジャン初代大統領（アゼルバイジャン語版）となった[99]。

「ナゴルノ・カラバフ共和国」国旗
12月10日、ナゴルノ・カラバフ自治州はアゼルバイジャンからの独立を問う住民投票を行った[141]。自治州内のアゼルバイジャン人はこれをボイコットしたが、アルメニア人を中心とする有権者の85パーセントが投票に参加し、95パーセントの賛成多数によって、翌1992年1月6日に、ナゴルノ・カラバフ自治州は「ナゴルノ・カラバフ共和国」として独立を宣言した[141]。
輪作戦は両民族の散発的な衝突を激化させ、双方の臨時編制軍に数千人の義勇兵が志願した。アルメニアではこの紛争は19世紀末から20世紀初頭にかけてのオスマン帝国に対する民族解放運動（英語版）と重ね合わせられ、当時のアルメニア人ゲリラであるアンドラニク将軍やガレギン・ヌジュデ（英語版）をテーマとする作品が流行した[142]。18歳から45歳の男性が政府に徴集され[61]、女性たちも衛生兵として軍に参加した。多くの人々が戦いに志願したが、これと反対に出征に応じない者も多く、兵士の死体からの略奪や物資の闇市場への売却なども行われていた[61]。
ナゴルノ・カラバフ戦争の位置（ナゴルノ・カラバフ共和国内）
ホジャリ（1992年2月）
ホジャリ（1992年2月）
シュシャ（1992年5月）
シュシャ（1992年5月）
ラチン（1992年5月）
ラチン（1992年5月）
ゴランボイ（1992年6月）
ゴランボイ（1992年6月）
カルバジャル（1993年3月）
カルバジャル（1993年3月）
ホジャリ大虐殺[編集]

虐殺犠牲者
詳細は「ホジャリ大虐殺」を参照
2月初頭、マリベイリ（ロシア語版）、カラダグリ (en)、アガダバン (ru) のアゼルバイジャン人の村が襲撃され、村人が排除される過程で民間人から最少で99人の死者と140人の負傷者を出した[70]。当時、アルメニアとナゴルノ・カラバフを接続していたのは細い山道を通るラチン回廊（ロシア語版）のみで、ナゴルノ・カラバフで唯一の空港はステパナケルトからおよそ10キロメートル南東の、人口7千人の小さなアゼルバイジャン人居住区、ホジャリ（ロシア語版）に置かれていた[143]。加えてホジャリはステパナケルトに対するアゼルバイジャン側の砲撃拠点とされており、ステパナケルトには数日にわたって4百発ほどのBM-21グラートミサイルがアルメニア人の多層アパートに向かって降り注いでいた[55][144]。2月末、アルメニア軍はアゼルバイジャン側へ通告を行い、今後砲撃を停止しない場合はホジャリを占領すると最後通牒を発した[144][145]。一方、アゼルバイジャン側の報道によれば、ホジャリは周囲のアルメニア人居住区から3か月にわたって爆撃を受けており、水道や電気も1月から停止していたという[143]。

モンテ・メルコニアン
ほどなくホジャリの大部分は包囲され、26日にアルメニア軍は第366軍の装甲車両数台を以てホジャリの制圧を開始した。ヒューマン・ライツ・ウォッチや「メモリアル」の報告書、そしてアルメニア軍司令官モンテ・メルコニアン（英語版）の兄によるメルコニアンの評伝[146]が共通して記すところによれば、ホジャリを攻略した後、アルメニア軍は街から避難しようとする数百人のアゼルバイジャン人に対して虐殺を行った。アルメニア軍は以前、ホジャリを攻撃したとしても、市民の退避のためにラチン回廊は封鎖せずに残しておくと述べていた。にもかかわらず、攻撃が始まるとアルメニア軍は民間人を含むホジャリの防衛組織を武力で圧倒して空港の滑走路を破壊し、退路を断たれ回廊へ逃れようとした民間人たちに銃撃を加えた[146]。攻撃の生存者の多くも、凍死するか重度の凍傷を負い、犠牲者たちの遺体にも執拗に損傷が加えられた[143]。事件の正確な犠牲者数は不明だが、少なく見積もったとしても485人[147]、アゼルバイジャン当局の公式発表では女性106人と子供83人を含む613人の民間人が虐殺されたという[148]。この他にも1257人がアルメニア側の人質となり、拷問、強姦されたとされる[143]。ホジャリでのアルメニア人の略奪も、ナゴルノ・カラバフ共和国政府によって合法化された[143]。ホジャリの市長は、紛争の4年間で千人以上が殺害され、2百人以上が行方不明となり、同じく2百人が戦闘で負傷して3百人が捕虜となったと語っている[149]。
ホジャリの生存者らは、ムタリボフが自身の失政を隠蔽するためにホジャリからの救援要請を無視したと主張し、これに対しムタリボフは、虐殺事件そのものが自分を失脚させるために政敵のアゼルバイジャン人民戦線が仕組んだマッチポンプであると述べた[150]。アルメニア側もムタリボフの論に同調し、虐殺を捏造であるとして否認している[150]。ヒューマン・ライツ・ウォッチの前身であるヘルシンキ・ウォッチによる同年の調査では、制服あるいは武装した状態のアゼルバイジャンのOMONもしくは民兵が民間人の中に紛れており、アルメニア軍はそれに向けて発砲した可能性があると報告されている[151]。
8万人を超す抗議者が議事堂を取り囲むなか、ホジャリの喪失と人命の損傷について野党人民戦線から責任を追及されたムタリボフは3月8日に議会に辞表を提出し、臨時大統領には人民戦線のヤグブ・ママドフ（英語版）が就任した[150]。
テヘラン共同宣言[編集]
一方、1992年初頭からは新たな和平調停の試みがイランによって始められていた。2月から外相のアリーアクバル・ヴェラーヤティーがバクー、エレヴァン、カラバフを訪問し、その後の一時調停はホジャリ大虐殺によって中止されていたが[152][153]、3月にも特使のマフムード・ヴァエズィー（ペルシア語版）がシャトル外交（英語版）を繰り返し、最終的に大統領のハーシェミー・ラフサンジャーニーが5月7日にテル＝ペトロシャンとママドフの両国大統領をテヘランでの会談に出席させることに成功した[154]。この会談によって、軍人を含む両国の最高レベルの代表者による協議の組織化が取り決められ、当事者間のすべての紛争は全欧安全保障協力会議 (CSCE) によって国際法に基き解決されることが宣言された。ヴァエズィーとCSCEのオブザーバーの介入の後、両国はあらゆる交流の再開に合意した[154]。合意事項には国境地帯の安全確保のみならず、継続的な難民問題の解決を国際基準や国連憲章によって保障することも含まれていた。
だが、合意の翌日に停戦協定に違反してアルメニア軍がシュシャ（ロシア語版）に侵攻し[153][155][156]、和平交渉は無に帰した[157]。
シュシャ占領[編集]

占領地に展示されたT-72
詳細は「シュシャ占領（英語版）」を参照
3月28日にアゼルバイジャン側はステパナケルトへ攻撃を開始し、翌日午後には街の近くまで達したが、ほどなくアルメニア人たちによって押し返された[158]。ホジャリ占領後の数か月後にはシュシャはアゼルバイジャン側の最後の砦となり、アゼルバイジャン軍は再びグラートミサイルでステパナケルトに対する砲撃を開始した。4月にはステパナケルトの5万人のアルメニア人は相次ぐ砲撃により地下壕暮らしを強いられ[133]、都市周辺部からのアゼルバイジャン軍侵入の危険も高まったため、アルメニア軍は5月8日に戦車やヘリコプターと数百人の兵力を以てシュシャのアゼルバイジャン軍要塞に攻撃を加えた。繰り広げられた激しい市街戦によって双方に数百人の死者が発生したが、翌日にはアゼルバイジャン軍はアルメニア軍によってシュシャから追い立てられた[61]。これにより、アゼルバイジャン側には23,156人の難民が発生した[159]。
シュシャの占領は隣国トルコで大きな反響を呼び、首相のスュレイマン・デミレルは、自国民から紛争に介入しアゼルバイジャンを支援するよう強く要求されていると語った。デミレルは、トルコの介入はイスラム世界とキリスト教世界のさらなる対立を引き起こす恐れがあるとしてこれに反対した[160]。しかし、トルコは派兵こそ行わなかったものの、実質的な軍事支援と顧問の派遣をアゼルバイジャンに対して行っている。1992年5月にはCIS軍元帥のエフゲニー・シャポシニコフが、カフカース情勢への干渉は第三次世界大戦を招きかねない、とアメリカと西欧諸国に対して警告を発した[43]。
2012年夏には、プレイヤーがアゼルバイジャン兵となってシュシャでの戦闘に参加するという設定の、ゴア描写を含むファーストパーソン・シューティングゲーム『占領下―シュシャ』(az) が、アゼルバイジャンでリリースされている[161]。
ラチン占領[編集]
5月18日、アゼルバイジャンでの政争を尻目にアルメニア軍は回廊内の小さな町、ラチン（ロシア語版）に攻撃を加え、ほとんど防御のなされていなかったラチンは翌日までに制圧された。その後もアルメニア軍は周辺の山岳地帯を攻略し、やがてナゴルノ・カラバフと本国のアルメニア人勢力圏は地続きとなった[162]。同月にはナヒチェヴァンにもアルメニア軍によって砲撃が加えられている[163]。これを受けてアゼルバイジャン国内では人民戦線の武装クーデターによって大統領府や議事堂、空港が占拠され、一時は復権していたムタリボフも政治生命を絶たれモスクワへ亡命した[150]。6月7日には大統領が改選され、人民戦線大統領のアブルファズ・エルチベイ（ロシア語版）が議会によって次代大統領に指名された[150]。エルチベイは徹底した親トルコ、親欧米、かつ主戦派であり、ロシアとイランに対しては冷淡であった[164]。シュシャ占領後も和平の努力を続けていたヴァエズィーの尽力のこれに至っては意味を持たず[165]、最終的にイランは紛争によるアルメニア側の国境変更要求を一切受け入れないと言明するに至った[166]。
同年夏にはCSCE加盟国のうち11か国がアルメニア・アゼルバイジャン間の和平調停を目的として新たに「ミンスク・グループ（ロシア語版）」を結成した。CESEは停戦の監視や難民への人道支援の保護のためにNATOとCISによるPKOの投入を決定し、いくつかの地域で停戦は見られたものの、7月に入ると両国間の交渉は完全に決裂した。CESEは冷戦終結後に相次いで発生したユーゴスラビア紛争、沿ドニエストル戦争、チェチェン紛争、アブハジア戦争、南オセチア戦争（ロシア語版）などへの対応に追われ、ナゴルノ・カラバフ戦争についてはほとんど影響力を発揮することができなかった[167]。また、ミンスク・グループで最も強い影響力を持っていたロシアが現地の親露勢力に肩入れするばかりで、民主化に注力しなかったことも、CSCEの和平調停が行き詰まった原因に挙げられる[168]。
ゴランボイ作戦[編集]
詳細は「ゴランボイ作戦（英語版）」を参照
6月後半、アゼルバイジャン軍はナゴルノ・カラバフ北側に接し、アルメニア側の占領下にあったゴランボイ県（アゼルバイジャン語版）へ進軍した。これに対して、従来まで戦争はアゼルバイジャンでの内戦であり自国は無関係であると主張していたアルメニア政府は、ナゴルノ・カラバフ分離独立を支援するとして公然とアゼルバイジャンを威嚇した[169]。6月18日にナゴルノ・カラバフ共和国政府は非常事態宣言を発令し、8月15日にはロベルト・コチャリャン率いる国家防衛委員会が結成された。ナゴルノ・カラバフでは18歳から40歳、将校では50歳までの男性と訓練経験のある女性が国防軍へ徴兵された[138]。しかし、アゼルバイジャン側でこの攻撃に加わっていたのが当時ギャンジャに駐屯していたロシア空挺軍第104防衛師団からのロシア人兵士であったため、彼らはアルメニア側の説得に応じて攻撃を停止し、また武器の譲渡も行ったため、反対にアルメニア側の武装が強化されることとなった。
1993年3月のテレビ・インタビューにおいてメルコニアンは、自分の軍はマルトゥニ（ロシア語版）だけで55両のT-72と24両のBMP-2、15両の装甲兵員輸送車及び25基の重砲を鹵獲し、「我々の武装のほとんどはアゼルバイジャンからの鹵獲品だった」と語っている[61]。また、ナゴルノ・カラバフ国防軍指揮官であったセルジ・サルキシャンは、戦争全期を通して鹵獲したアゼルバイジャン軍の戦車は156両に上ると主張している[170]。
窮乏[編集]
冬が近づくと、民生用のエネルギーが不足し始めたため、両勢力は大規模な攻撃を控えるようになった。アゼルバイジャンによる経済封鎖は未だ続いていたが、アルメニアとナゴルノ・カラバフにはトルコを経由した援助も散発的に届いていた[43]。しかし、震災によってメツァモール原子力発電所が閉鎖されて以降、アルメニアの電力不足と食糧不足はその深刻さを増していった。さらに、隣国グルジアでアブハジアと南オセチアの分離戦争が発生したことにより、ロシアからアルメニアへ通じていた唯一の石油パイプラインも破壊された。そのため、1992年から翌1993年の冬の寒さは湯の供給を断たれたことにより、アルメニアとナゴルノ・カラバフで特に耐え難いものとなった[171]。穀類の供給も滞るようになったが、これに対しては各国のアルメニア人ディアスポラが本国へ寄付と援助を行った。1992年12月にはアメリカからバトゥミを経由して3万3千トンの穀物と150トンの乳児用調整粉乳がアルメニアへ届けられた[171]。翌年2月には欧州経済共同体からECUが450万送付された[171]。
一方、アゼルバイジャン国内に発生していた難民たちは、アゼルバイジャンとイランの両政府が設置した臨時のキャンプでの生活を強いられていた。しかし、国際赤十字によれば、12月までに毛布の配給を受けており、食糧の状態も充分であったという[172]。また、国家財政の重要な地位を占めていた石油の輸出も、ソ連時代からの設備の老朽化（1965年のバクー油田の年間産出量は2億1500万トンだったが、1988年のそれは3300万トンまで減少していた）と、欧米企業の投資や介入によって、完全にその利益をアゼルバイジャンのものとすることはできなかった[43]。
カルバジャルの戦い[編集]
詳細は「カルバジャルの戦い（英語版）」を参照
エルチベイはアルメニアとの和平交渉には楽観的で、またエリツィンとアメリカ大統領のジョージ・H・W・ブッシュもそれを求めていたが、1993年1月から和平の機運は衰えていった[173]。3月になると、ナゴルノ・カラバフ北部、マルタケルト（ロシア語版）近郊のサルサング貯水池（英語版）にもアゼルバイジャン軍により攻撃が加えられた。ゴランボイでの戦いから戻ったばかりのメルコニアンの軍勢は、砲撃地点と考えられたカルバジャル（ロシア語版）へ向かい[61]、ほどなく同地を占領していくらかの装甲車両と戦車を鹵獲した（カルバジャル県（ロシア語版）の人口のほとんどはアゼルバイジャン人とクルド人が占めていた[174]）。4月2日にはアゼルバイジャン軍は壊滅的な打撃を受け、翌日の第二波攻撃でアルメニア軍はカルバジャルを占領した[61]。
この戦闘の後2か月間、エルチベイは非常事態を宣言し国民皆兵制を敷いた。翌月の4月30日、トルコとパキスタンが共同主催した国際連合安全保障理事会決議822（ロシア語版）では、すべての敵対行動の即時停止とカルバジャルからのすべての占領軍の撤退が求められている[175]。また、ヒューマン・ライツ・ウォッチはアルメニア軍がカルバジャルで民間人の強制追放や人質利用、無差別の放火を犯したと指摘している[174]。
アゼルバイジャン側の劣勢[編集]

ヘイダル・アリエフ
ゴランボイとカルバジャルでの相次ぐ敗北、そして反露、反イラン政策により両国の親アルメニア化を招いたことにより、アゼルバイジャンでエルチベイは支持を失った[176]。そして、ギャンジャで軍閥を形成していたスラト・フセイノフ（ロシア語版）大佐がロシアに支援されたクーデターを引き起こしたことによりエルチベイは失脚し[176]、後任に元共産党第一書記で新アゼルバイジャン党に所属するヘイダル・アリエフが大統領となった。一時は首相（ロシア語版）に就任していたフセイノフもアリエフにより逮捕され、以降のアゼルバイジャンではアリエフによる権威主義体制が構築されてゆくこととなる[177]。10月に大統領となったアリエフはロシア、トルコ、欧米とのバランス外交を志向し、エルチベイ政権下で脱退していたCISへも再加盟を果たした[177]。
1994年1月初め、アゼルバイジャン軍とアフガニスタンからのゲリラが、アルメニア側に占領されていたイラン国境のフュズリ県（アゼルバイジャン語版）の一部を奪回したが、フュズリ（ロシア語版）の街そのものを制圧するには至らなかった[178]。同月10日にはマルタケルトに進軍し、いくらかのアルメニア軍兵士を捕虜としたりもしたが[179]、アルメニア側が徴集兵、正規陸軍及び自国の内務省軍を出動させたことにより[180]、ほどなくアゼルバイジャン軍は失速した。最終的に5千人のアゼルバイジャン人と数百人のアルメニア人が死亡し[43]、アゼルバイジャン軍は1万5千人の兵員を喪失し撤退した[181]。
分析[編集]
ナゴルノ・カラバフ戦争においてアゼルバイジャン側が守勢に立たされ続けた原因には、開戦時の両軍の状態の差の他にもいくらかの要因が挙げられる。第一にアルメニア側に比較してアゼルバイジャン側の士気は概して低く、国益よりも私利私欲を優先するアゼルバイジャン人が数多く存在した[117]。国費で武器を購入しながら廉価な装備を兵士に与えて私腹を肥やす者、果てはアゼルバイジャン人青年を数人単位百ドルでアルメニア側へ戦力として売り払うアゼルバイジャン人ブローカーもいたとされる[117]。ロシアの政治学者ゲオルギー・ミルスキー (ru) もまた、アルメニア人の若い義勇兵はアゼルバイジャン人に比べて士気が高く、領土のために命を失う覚悟を持っていたと指摘している[182]。あるジャーナリストは、ステパナケルトでは制服を着たアルメニア人男性の中に健常者を見つけることができなかったのに対し、アゼルバイジャンでは壮年の男たちがカフェでたむろしていたと述べている[183]。サハロフもまた、アゼルバイジャン人にとってナゴルノ・カラバフは単に野心の問題に過ぎなかったが、ナゴルノ・カラバフのアルメニア人にとってそれは生死の問題に直結していたのだと指摘している[184]。
停戦[編集]
ロシアはかねてから南カフカースでの自国の影響力を増すためにCSCEを差し置いて独自の和平工作を行っていたが、1994年5月にビシュケクでアゼルバイジャン、アルメニア、ナゴルノ・カラバフ、そしてロシアの代表が停戦協定に調印したことによってそれは実を結んだ[185]。この「ビシュケク議定書」は非公開であるが、その内容には、アゼルバイジャンの主権を維持した上でのナゴルノ・カラバフへの広範な自治の付与、ナゴルノ・カラバフに対する安全保障システムと難民問題に対する調整、占領地域からのアルメニア人の撤退、ラチン回廊及びアゼルバイジャン・ナヒチェヴァン間ルートに関する調整、などが含まれていると分析されている[186]。
6年間の戦闘の末、1994年5月12日午前0時1分に停戦は成立した[187]。
結果[編集]

色の薄い部分がアルメニア側の実効支配地域
ナゴルノ・カラバフ「共和国」は国際社会からの承認を得られないまま事実上独立し[188]、アルメニア側はナゴルノ・カラバフとアルメニア本国を連結する形でアゼルバイジャン領の約14パーセント（ナゴルノ・カラバフ自体を除外すると9パーセント）を占領下に置いた（アゼルバイジャン側の主張する20パーセントから40パーセントという数字は、大幅に誇張されたものである）[189]。アゼルバイジャン側では72万4千人、アルメニア側では30万人から50万人が難民として住処を追われた[190]。停戦後にアルメニア人の多くはナゴルノ・カラバフへ帰還することができたが、アゼルバイジャン人の難民はアゼルバイジャン国内で難民キャンプ暮らしを余儀なくされており、深刻な社会問題となっている[188]。
さらにアルメニア占領下のナゴルノ・カラバフ一帯では、古代からのアゼルバイジャンの多様な文化遺産が破壊されている、とアゼルバイジャン側は主張している[191]。青銅器時代の古墳やモスクの破壊、歴史博物館からの盗難、古文書の焼却などが行われ、アゼルバイジャン人の文化的源泉であるシュシャの被害は特に甚大であるという[191]。占領地で「文化的ジェノサイド」が繰り広げられているとのアゼルバイジャンの抗議に対しては、国際連合を始めとする多くの組織がアルメニアを批判する決議を採択しているが、国際社会はアルメニアの行為を強く制止するには至っていない[191]。その一方で、アゼルバイジャン側もナヒチェヴァンに中世から存在するジュルファのアルメニア人墓地（ロシア語版）を2005年までに破壊し尽くしている[192]。
「アゼルバイジャンは情報戦でアルメニアに負けた」との意識が共有されているアゼルバイジャンでは、戦争後も日常的にテレビでナゴルノ・カラバフに関する特別番組が組まれており、これは国内で和平への妥協を許さない空気を醸成している[193]。一方のアルメニアではナゴルノ・カラバフに関する報道はほとんど行われず、ナゴルノ・カラバフをアルメニアの一部とする既成事実化が図られているという[193]。
和平交渉[編集]
1997年から、CSCEの後身である欧州安全保障協力機構 (OSCE) は再三に渡ってナゴルノ・カラバフに関する和平案を提唱し続けたが、そのいずれもアルメニアとアゼルバイジャンの了承を得ることができなかった[194]。同年にテル＝ペトロシャンはナゴルノ・カラバフの一部をアゼルバイジャンへ譲渡することでの和平の用意があると述べ、ナゴルノ・カラバフの指導層を過激派であると批判した[195][196]。このためにアゼルバイジャンに対し弱腰であると批判されたテル＝ペトロシャンは失脚した[197]。大統領後任にはナゴルノ・カラバフ出身でさらなる強硬派のコチャリャンが就任し、アゼルバイジャン側もバクー・トビリシ・ジェイハンパイプラインとカルス・トビリシ・バクー鉄道（英語版）の敷設によってアルメニア排除の姿勢を見せたことにより[198]、和平への道は遠ざかった[199][200]。