http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/571.html
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DOMOTO
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735
米海軍研究所機関誌『プロシーディングス』は次のように伝えています。
「2020年までにプーチン大統領は空母を数隻、揚陸用空母を2隻、ウラジオストックに配備し、日本と軍事対決する。経済利権を確保するため北方領土を維持し、日本には返さない」
これは6月21日に発売された日高義樹著『「オバマの嘘」を知らない日本人』の第3章「プーチン大統領は北方領土を返さない」の見出しの横からの引用です。
日高氏はすでに2013年11月の著作レポートでロシアによる太平洋での潜水艦隊の増強について取り上げ、その主な背景の一つを次のように説明しています。
「ベーリング海は北極海の一部で、温暖化現象で北極海の氷が解け始めるようになってから注目されている。米国海軍の首脳は、「ベーリング海はこれからアジアからヨーロッパなどへの、マラッカ海峡に匹敵する重要な海上ルートの拠点になる」と言っている。」(『アメリカはいつまで日本を守るか』第6章)
プーチンは北極圏に埋蔵する豊富なエネルギー資源とともに、この先マラッカ海峡ルートに匹敵するとされるこの重要な北極海上輸送ルートを確保するため、極東太平洋艦隊の強化に乗り出しています。
日本海を経由する北極海上輸送ルートは、日本、韓国、中国、台湾、そして南シナ海のASEAN諸国へのエネルギー消費地帯・貿易輸出地帯になります。
戦略国際問題研究所(CSIS)のアンドリュー・クチンス氏の今年1月のレポートで、極東でのロシアの活動の報告がありましたが、日高氏の先月の最新の著作を読んで、プーチンの極東戦略がここまで進んでいるのを知り驚きました。
この著作の第3章第1部「ロシア極東太平洋艦隊が日本と対決する」が、電子書籍として廉価で販売されています。
「プーチンは北海道を狙う」(BookLive!)
http://booklive.jp/product/index/title_id/273301/vol_no/001
ワシントンの軍事専門家は日高氏にこう言っているそうです。
「ウラジオストックを中心としてロシアの機動艦隊や潜水艦隊が行動することになれば、津軽海峡が極めて重要になってくる。しかも津軽海峡を常時ロシアの艦隊が航行することになると、北海道が日本列島から孤立して千島列島を含めたロシアの影響下に入ってしまうことになる」
「日本人が中国と尖閣諸島の危機に目を奪われている隙に、ロシアは海軍国家復活への道を歩んでいる」(日高氏)
つまり日本は、南方から尖閣諸島と沖縄を中国に、北方からは津軽海峡と北海道をロシアに「ハサミ撃ち」されている状況です。
南方から尖閣諸島と沖縄を中国が、北方からは津軽海峡と北海道をロシアが侵略する際、中ロ両国が「倒日同盟」を組んでくる可能性は充分にあります。
中ロ両国の対日本戦略に限らず世界戦略においても、ネット検索では中国とロシアが同盟を組んだという記事も事実も出てきません。それは至極当然で、両国が秘密同盟の方が都合がいいと考えれば、公表もしないし、検索結果にも出てきません。
しかし、米国の戦略国際問題研究所のアンドリュー・クチンス氏は、ロシアから中国への30年間にわたる天然ガス供給の契約(今年5月21日契約成立)の裏には、公表されなかった「国家機密」があると推測しています。
以下の記事は、7月10日の私の記事「中ロ同盟は国家機密か」です。
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【1】 中ロ同盟は国家機密か
7月3日に私は自身のブログのトップページに次のように書きました。
「集団的自衛権では台頭する中ロ同盟には対処できない 中ロに対して米国が戦ってくれるわけがない その「抑止力」は破綻する」
ここで言った「中ロ同盟」とは、6月12日の有料メルマガで取り上げた「中国とロシアの軍事同盟的な協力体制」のことを指しています。
5月21日のロシアから中国への天然ガス供給の契約成立のニュースは、国際情勢の専門家に注目され多くの分析がされているようです。
中国国際ラジオ放送のウェブサイトによると、プーチン大統領が7月1日に中露関係について発言したそうです。中国外務省の洪磊報道官はこのプーチンの発言を高く評価し、次のように述べたそうです。
「洪報道官は、『両国の全面的戦略パートナー関係は、平等、信頼、相互支持、互恵共栄、世世代代の友好を基礎に建てられたものだ。同盟を結ばず、対抗せず、第三者に対する行動をとらないことは、大国間の平和共存、善隣友好、相互協力の模範といえる』と話しました。」
中国、ロシア大統領の中露関係の発言を高く評価 (7/02-2014 中国国際ラジオ)
http://japanese.cri.cn/881/2014/07/02/141s223161.htm
そこでは中ロ関係では「全面的戦略パートナー関係」では「同盟を結ばず」と述べています。
しかし、これを額面通りに受け取っていいものでしょうか。
米国のシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)のアンドリュー・クチンス氏(ロシアとユーラシアが専門)の1月の報告は、このことを考えさせます。
例えば現在、米国は国防予算の大幅削減にともない、通常兵力を大幅に削減していますが、核兵器戦力の即応体制は強化しています。仮に中ロ同盟が結ばれたとして、それを世界に向けて公言すれば、米国の中ロに対する核兵器戦力の即応体制は何倍も強化されるでしょう。
また中ロ同盟を世界へ向けて公表すれば、欧米の資本と両国の経済の関係が悪くなります。
中ロ両国にとってもし同盟を結ぶのなら秘密同盟の方が都合がいいのです。
アンドリュー・クチンス氏は今年1月の時点で、「中国とロシアで天然ガス供給の協定が結ばれた場合、その協定の完全な内容は、本質的には(本質的な点については)国家機密になる」と分析しています(“will essentially be a state secret”:will 強い予測・確信)」
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Possibly, China and Russia will finally resolve their difference over gas prices and supply arrangements, but the full nature of that agreement, if it is achieved, will essentially be a state secret.
(結論部, PDF 9ページ)
Russia and the CIS in 2013: Russia's Pivot to Asia(「ロシアのアジアへの旋回」)
(2014-1月 戦略国際問題研究所)
http://csis.org/publication/russia-and-cis-2013?utm_source=feedburner&utm_medium=feed&utm_campaign=Feed%3A+CSIS-Russia-And-Eurasia-Related-Publication+%28Russia+and+Eurasia+-+Related+Publication%29
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中国とロシアで結ばれた天然ガス供給の契約は、「ロシア側から2018年から30年間にわたり毎年380億立方メートルの天然ガスを供給。総契約額は4000億ドルを上回った」(ロイター)と見られています。
ロシアから中国への30年間にわたる天然ガス供給という、これほどの大きな契約です。
この契約のほかに「国家機密」として公開されなかった裏での取引きと協力事項があることを、ロシア問題の専門家クチンス氏は推測しているわけです。この天然ガス供給の裏で結ばれたかもしれない両国間での「国家機密」が、中ロの同盟的な協力体制である可能性を考えてみる必要があると考えます。
中国とロシアの軍事同盟的な協力体制 ( 6/12-2014 拙稿 )
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38843166.html
例えが悪いかもしれませんが、徳川家(米国)による幕藩体制を倒すために、<犬猿の仲>であった薩摩と長州が<秘密同盟>を結び、そして幕藩体制が倒されたという史実があります。この薩長の<秘密同盟>では薩摩が武器を長州へ渡し、長州は米を薩摩に渡しその絆を深めました。中国の欲しい兵器と天然ガスをロシアが、ロシアの欲しいマネーを中国がという具合にです。
私の目に触れたものとしては、ロシアと中国の天然ガス供給の発表があった後も、中国とロシアの同盟の可能性を否定する意見が多いように思います。
しかし、ロイターのコラムニストであるアナトール・カレツキー氏などはこの発表の後、
「北大西洋条約機構(NATO)と米国のアジアにおける同盟関係に匹敵する中ロ関係構築の可能性」、
「核保有超大国間の戦略的再編の始まりを意味する可能性」、
「中ロ関係は最高の組み合わせだ」
と述べています。
そして中ロの連携・協力の関係の考えを否定することが、「楽観的かつ短絡的だという理由」を5つ挙げています。さらにロシアが持つ「軍事面の先進技術や航空技術、ソフトウエアなどの分野」を中国が必要としていることも指摘しています。
コラム:ガス契約で急接近の中ロ、憂慮すべき5つの理由=カレツキー氏 (5/24-2014 ロイター)
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPKBN0E402B20140524?sp=true
■ 関連記事
プーチンのアジアへの旋回シフト( 6/12-2014 拙稿 )
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/38830237.html
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