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親ロシア派だけじゃない、世界中でバカが殺人兵器を持っている?
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20140729-00033355-playboyz-soci
週プレNEWS 7月29日(火)6時0分配信
7月22日、アメリカ情報当局が、ウクライナ東部で起きたマレーシア機の撃墜事故は、親ロシア派武装集団がウクライナ軍の輸送機と“勘違い”して撃ち落とした、との見解を発表した。
もしこの分析が正しいとしたら、何が怖いのか。それは、なんの確認や手続きもなく、“うっかり誤射”してしまうようなバカがヤバい殺戮(さつりく)兵器を持っていた、ということだろう。
実際、こうした殺戮兵器は世界中に広まっている。アメリカ情報当局によると、ウクライナ東部で使われたのはロシア製地対空ミサイル「ブク(SA11)」だというが、こうした旧ソ連の“危ない遺産”が、中東、中央アジア、アフリカなど、さまざまな武装組織に流出してしまっているのだ。
特にアフリカではチュニジア、エジプト、リビアなどの長期独裁政権が反体制派によって転覆させられた「アラブの春」以降、それらの国々が保有していた高性能の武器が、テロ組織に渡っている。
ナイジェリアの武装組織「ボコ・ハラム」もそのひとつかもしれない。同国内でテロを繰り返すだけでなく、今年4月には学生寮を襲撃して女子生徒250人以上を誘拐して奴隷にするなど、やりたい放題の集団だ。
こんな連中に対して、ナイジェリアの隣、ニジェールのアルカイダ(AQIM)は、武器や軍事訓練を提供するとの声明を2010年に出している。実際、ナイジェリア国軍の兵士が「ボコ・ハラムはわれわれより優れた装備を持っていた」と語ったとの報道もある。
危険なのは、重火器だけではない。1988年にアフガンに侵攻するソ連に対して、ムジャヒディン(異教徒と戦うイスラム聖戦士)と共に闘った元傭兵・高部正樹(たかべまさき)氏はこう語る。
「イラク北部で行方不明になった40kgの『ウラン化合物』。これをダーティボム(使用後に周辺への放射能汚染を伴う爆弾)で使われたら厄介です。中東の過激派が使用しなければよいのですが」核化合物は、爆発させなくても強力な武器になるから恐ろしい。そう解説するのは、作家・軍事評論家の柘植久慶(つげひさよし)氏だ。
「細かい粉にして風上からまくだけでも、かなりの殺傷能力があります。また、水に混ぜれば毒薬としても使えるでしょう」
中東の紛争地帯が危険なのはもはや当たり前だが、アメリカ周辺だって危険だ。元米陸軍将校の飯柴智亮(いいしばともあき)氏がこう語る。
「メキシコの麻薬カルテルのギャングたちから押収した兵器は、そのほとんどが米国内のガンショップで売っていたものでした。その中のひとつ、口径12.7mmの対物狙撃銃『M107バレットライフル』(以下、M107 )は、米国内では、ハンティング用の22口径ライフルと同じ簡単な手続きで入手可能です。
実際にM107を手にするとわかりますが、射撃場で紙の標的を試し撃ちするだけでは物足りず、ドカーンと派手に吹き飛ぶモノを撃ちたくなるんです。教育をほとんど受けていないメキシコの麻薬カルテルの血気盛んな若いギャングが、面白半分に離着陸中の旅客機を狙ったりしたら……」
7月4日、英紙タイムズは「アルカイダが、空港のどんな検査システムでも通過できる、体内埋め込み型ステルス爆弾を開発した可能性がある」と報じた。これが真実だとすれば、日本を含め各国でテロが発生するリスクはかなり高まっていると言える。
マレーシア機撃墜事件に関してアメリカは、ロシアの責任を厳しく追及し、ロシアはこれに反発している。両国の対立が再び冷戦状態に至る可能性もある。とはいえ大国同士の場合だと、さまざまな駆け引きが行なわれるだろう。
しかし、そんな緊張状態に、今回のような“バカ”が火をつけてしまったら……。そうならないことを祈ろう。
(取材/小峯隆生)
■週刊プレイボーイ32号「世界『バカが持っている兵器』リスト」より
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