ウクライナ東部ドネツク（Donetsk）市内を戦車に乗り進む親ロシア派の武装集団（2014年7月27日撮影）。(c)AFP/BULENT KILIC

【7月28日 AFP】オランダ政府は27日、ウクライナ東部の親ロシア派支配地域にあるマレーシア航空（Malaysia Airlines）MH17便墜落現場の保全を目的とした国際武装部隊の派遣計画について、同地域で続く紛争に引き込まれる恐れがあるため中止すると発表した。

 MH17便墜落の調査を主導しているオランダ当局は、オーストラリアとともに武装部隊の派遣を計画していた。だが、マルク・ルッテ（Mark Rutte）首相は、ハーグ（Hague）での記者会見で、「この地域での国際作戦で軍事的優位を得るのは、われわれが出した結論によると、非現実的だ」と表明。墜落現場周辺での親露派武装勢力の存在や、同勢力を支援しているとの疑いがかけられているロシアとの国境に現場が近いことを指摘した上で、「ウクライナの紛争に直接関与する国際的軍事作戦は、現実の危険をともなうという結論に、各国のパートナーらとともに達した」と述べた。

 現場近郊の町々は激しい爆撃に揺さぶられており、オランダとオーストラリアの政府当局者の非武装チームも、27日の視察計画を断念した。ウクライナに派遣されている欧州安保協力機構（OSCE）監視団のアレクサンダー・フグ（Alexander Hug）副団長は、小規模な調査団が状況評価のために現地を訪れたが、重火器を目撃し「安全上の理由で」視察を断念したことを明らかにした。

 墜落現場では、夏の太陽の下、MH17便に搭乗していた298人の犠牲者の遺体の一部が放置されたままとなっている。現場周辺ではウクライナ政府軍と親露派の双方が停戦を宣言しているが、調査員らはこれまでのところ、安全上の懸念が原因で散発的にしか現場を訪れていない。ウクライナのパブロ・クレムキン（Pavlo Klimkin）外相はツイッター（Twitter）上で、同国政府は「MH17墜落現場の周辺40キロでの一方的な停戦に尽力している」が、「テロリストたちが犯罪の証拠を破壊している」と述べ、親露派を非難した。(c)AFP/ Bulent KILIC in Grabove with Dario THUBURN in Donetsk

http://www.afpbb.com/articles/-/3021613 　

コメント
01. 2014年7月28日 11:05:36 : nJF6kGWndY >この地域での国際作戦で軍事的優位を得るのは、われわれが出した結論によると、非現実的 正しい判断だな
02. 2014年7月28日 11:51:24 : YylixLkL5Y 宣伝の量では圧倒しているが軍事的には優位ではない、ということを認めたわけか。最大の被害を出した国の判断がこれか。
03. 2014年7月28日 12:03:17 : TbZy18kA1M 軍隊のことはまったくわからんが 写真の戦車って骨董品なの？ >>02 胡散臭さを感じとったとか（笑） しかし、マレーシアってのはすごい国だね。 犠牲者の多さでオランダに注目が集まったが 証拠がはっきりするまで非難しないと宣言するなんぞ 並の国ではないわ。
04. 2014年7月28日 13:01:57 : orGt3k1p1s 紛争地域では対する勢力が相手側に非を擦り付けるのはよくあること 証拠も無しで一方の言うことを間に受けるのは愚かなことだ マレーシアは懸命な判断をした。
05. 2014年7月28日 13:50:11 : fpggEg8Txw ま、協力を得たくばウクライナ軍に停戦を利用して再配置のための武器移兵器の移動をやめるようにとオランダ政府は勧告すべきだな。 ウクライナ軍は停戦を一方的に宣告しておいてその間に兵の配置の移動や兵器の搬入をやって義勇軍側を叩こうと策略した前歴があるからな。 停戦は双方の信頼が成り立たなければいくら呼びかけても意味がない。 双方それぞれに責任があるが、ウクライナ軍は性質の悪さではイスラエル軍並みだから信用はないなｗ
06. 2014年7月28日 15:02:39 : TGgfYEbPRU 確か、親ロ派が証拠隠滅謀ってるってことで派兵話が持ち上がったと思ったが・・・? 証拠隠滅の事実が無いのか証拠保全されると困るのかどっちだろな・・・。
07. taked4700 2014年7月28日 23:11:06 : 9XFNe/BiX575U : GF7WeO8bag 多分背景にあるのはロシアとアメリカおよび西側諸国の大掛かりなお芝居。 こうやって現場でもめていると口実をつけて、例えばオランダは国内の司法勢力に現場検証をさせないで置く。 まるで、リーマンショック後のＧＭ経営危機の時の労組つぶしの議論を見ているような感覚。あの時は、壮大な経営危機というお芝居をして、労組に労働条件の切り下げを飲ませた。 まあ、お芝居と言っても相当に実態はあったが、肝心なことは、当事者の故意によって作られた経営危機であった点。
08. 2014年7月30日 08:38:57 : aD7izCy1bE こんなことで巻き込まれた大変だ。賢明な結論。その裏にはアメリカの陰謀に気づいたのだろう。一緒にされたらたまらんもんね。まともな指導者だ。それに引き換え、おだてられれば木にまで登るバカの国があったな・・。

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