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【モスクワ田中洋之】マレーシア航空機が撃墜されたウクライナ東部は、政府軍と親ロシア派武装集団の戦闘が激化し、軍用機が相次いで撃墜される「危険な空域」だった。ここで初めて外国の民間旅客機が撃墜され、ウクライナ情勢は地域紛争にとどまらない新たな段階に入った。
オバマ米大統領は16日、ウクライナ問題に関連し、ロシアの金融やエネルギー企業を対象にした本格的な経済制裁を発表した。その直後に今回の撃墜事件が起きた。
どこから地対空ミサイルが撃たれたのかは判明していないが、今回の悲劇を契機にウクライナを巡る欧米とロシアの対立がさらに激化する可能性がある。
ウクライナ東部のドネツク、ルガンスク両州では、親露派が携帯式対空ミサイルなどを使用し、政府軍の輸送機や攻撃機を多数撃墜してきた。高性能の武器はロシアから流入したとされる。
今月14日に政府軍のアントノフ26輸送機が撃墜された際、ウクライナ国防当局者は「強力なミサイル兵器がロシア領から発射された可能性がある」と指摘。16日に撃墜されたスホイ25攻撃機については「ロシア軍機に攻撃された」と述べ、国境付近の上空は危険度が高まっていた。
マレーシア航空機撃墜に使用されたとされる地対空ミサイルシステム「ブク」はロシアが開発したもので、高度2万メートルの飛行目標を攻撃できる。ロシア、ウクライナ両軍が保有しており、それぞれ国境地帯の防空用に配備しているとされるが、ウクライナ軍によると、東部では配備していないという。また、親露派武装集団もウクライナ政府軍の航空戦力に対抗するため「ブク」を保有しているとの情報があり、事実とすればロシアから流入した可能性が極めて高い。
一方、現地情勢の悪化を受け、米国などの航空当局はウクライナ東部の上空通過を避けるよう航空会社に要請していた。しかし、マレーシア航空などは、ウクライナが欧州とアジアを最短で結ぶルート上にあることから上空通過を続けてきたという。
◇言語絶する犯罪−−豪州首相
【ジャカルタ平野光芳】オーストラリアでは乗客27人が犠牲となったと伝えられ、大きな衝撃が走っている。アボット首相は18日、地元メディアに対し「地対空ミサイルで撃墜されたなら言語に絶する犯罪であり、速やかに処罰されるべきだ」と述べて犯行を非難した。
◇日本政府、NSCで対応協議
政府は18日午前、ウクライナでマレーシア航空機が墜落したことを受け、国家安全保障会議(NSC)の関係閣僚会議を開き、情報の分析や今後の対応を協議した。安倍晋三首相は首相官邸で記者団に対し「国際社会においても原因を究明していく必要がある。日本としてできることがあれば、国際社会とともに行っていきたい」と強調した。
菅義偉官房長官は18日午前の記者会見で、邦人の安否について「現在のところ、被害情報には接していない」と説明。ただ、搭乗者に国籍を確認できていない乗客がいることから、搭乗地であるオランダの日本大使館などを通じ邦人乗客の有無の確認を急いでいる。菅氏はマレーシア機の墜落原因について「撃墜されたとしたら、国際社会は強く非難すべきだ」と強調。その上で「真相を究明することが国際社会の責任だ。墜落の現場にすべての関係者がアクセスすることが大事だ」と述べた。【木下訓明】
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◇最近のウクライナで航空機が撃墜された事例
6月14日 ウクライナ軍輸送機が東部ルガンスク空港付近で撃墜され、49人が死亡
24日 ウクライナ軍輸送ヘリが東部ドネツク州で撃墜され、9人が死亡
7月14日 ウクライナ軍輸送機がルガンスク州で地対空ミサイルで撃墜された
16日 ウクライナ軍機がロシア軍機のミサイル攻撃で撃墜されたが、死傷者はなかった
17日 マレーシア航空機がドネツク州でミサイル攻撃で撃墜され、298人が死亡
http://mainichi.jp/shimen/news/20140718dde007030040000c.html
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