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ガザ攻撃:ハマースはそんなに「脅威」なのか  酒井啓子
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/371.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 7 月 12 日 09:41:31: mY9T/8MdR98ug
 

 イラクでのISIS(イラクと大シリアのイスラーム国)の動向に世界的な注目が集まる一方で、中東ウォッチャーたちは内心、別のことにハラハラしていた。6月12日に行方不明となった、ヨルダン川西岸地区に住むイスラエル入植者3人の運命だ。3人は生きているのか死んだのか、イスラエル、パレスチナ双方でヒリヒリした日にちが続いた後、6月29日に3人の遺体が発見された。

 そこから、事態は急転直下だった。イスラエル軍は、「ハマースの仕業だ」として早速「報復」を主張、ガザを再占領すると息巻いた。以降、イスラエルによる空爆で毎日ガザ市民が命を落とし、報復でハマースはロケット弾をイスラエル領内に打ち込む。イスラエルの攻撃が連日続くなかで、7月2日には、東エルサレムに住むパレスチナ人の少年がイスラエル入植者によって拉致され、生きたまま焼き殺される事件が起きた。それがパレスチナ人の怒りを煽り、その少年の葬儀のさなかにはパレスチナ住民とイスラエル軍の激しい衝突が起きた。イスラエルは7月8日以降空爆を激化させ、その圧倒的な武力によって11日までにパレスチナ人の死者は85人に上っている。

 この一連の展開は、不幸なイスラエル人三人の誘拐・殺害に端を発したことは確かだ。イスラエル国内では、事件発生以降、犯人を憎む激しい論調が行き交っていた。一方で、一部のパレスチナ人の間には、入植者三人の誘拐はイスラエルがハマースを叩く口実として作り上げた自作自演だ、という陰謀説まで出回った。報復で殺されたパレスチナ人少年の遺体が発見された場所が、悪名高きデイル・ヤーシーン村だというのも、パレスチナ人の怒りを挑発する格好の設定となった。デイル・ヤーシーン村は、イスラエル建国直前、イスラエルのテロ組織であるイルグンや軍事組織のハガナーが、もともとそこに住んでいたパレスチナ住民120〜250人を殺戮し、パレスチナ人を恐怖に陥れることで彼らに故郷を捨てさせたという、パレスチナ難民を生んだきっかけとなる場所である。

 だが、従来一触即発だった両者がこの事件で一気に全面衝突に至った、というのとは、事態は少し違うように思える。そもそも「すべての状況を利用して憎っくきハマースをとことんまでやっつける」とイスラエルが構えなければならないほど、入植者の誘拐・殺害がハマースの危険度を証明する事件だったというわけではない。この事件は西岸で起きたもので、ハマース幹部が拠点にするガザと事件の犯人がどれだけ密接な関係を持っているかは、疑問だ。実際、ハマースは事件への関与を否定している。だが、入植者の誘拐・殺害事件を口実にしなければならないほど、ハマースは差し迫った脅威だったのか。

 確かに、6月始めに成立した、ファタハとハマースのパレスチナ自治政府の統合は、これまで内紛を続けてきた両者が協力してイスラエルに当たることができるようになった、という点で、イスラエルには面白くなかっただろう。とはいえ、イスラエルが大規模攻撃を仕掛けなければならないほど、ハマースが手強く厄介な存在だったとは、思えない。

 なによりまず、1年前にエジプトで同胞団政権が倒れてから、ハマースは苦境にある。イスラーム主義の兄弟政権がたどった悲惨な道に意気消沈したこともあるが、それ以上にその後に成立したエジプトの軍事政権が、ガザとの密貿易ルートを徹底的に潰し、ガザ経済に大打撃を与えたのだ。数ヶ月前、ガザでパレスチナ人への支援活動を行っているNGOのスタッフが、こう言っていた。「今のパレスチナには、イスラエルに反旗を翻せる力はない。生活するだけで精一杯だ」。実際、2012年11月にハマースがイスラエルとの間で停戦に合意して以降、ハマースは一発もミサイルをイスラエルに打ち込んでいないのだ。

 国際社会がISISという新たな脅威にどう対応するか、頭を悩ませているときに、さして脅威とは思えないハマースをイスラエルが全力で叩くことが、今の中東の政治バランスにどう影響を与えるか。言い古された言い方ではあるが、さっそくサウディアラビアが出資する有力汎アラブ紙「シャルクルアウサト」は、イスラエルの行動に対して「そんなことをしてるとISISがパレスチナに現れることになるぞ」と脅している。イラクでのISIS退治にアメリカが頼らざるを得ないイランは、真っ先にイスラエルのガザ攻撃を激しく非難している。

 欧米では、ISISを前にしている今こそ全中東諸国が一致団結してISISに対峙すべきだ、という論調が強い。だが、イスラエルのガザ攻撃は逆に、アラブ、イスラーム諸国の「一致団結」をイスラエルに向けてしまうことになる。そもそもレバノン南部を拠点に対イスラエル抵抗運動として戦っていたヒズブッラーは、シリア内戦以降はシリアでアサド政権を助けて、ISISと戦ってきた。イラクでも頑張ろう、としてきた矢先に起きたイスラエルのガザ攻撃に、ヒズブッラーが「改めて敵はイスラエル」と自覚したら、どうなるか。イスラエルの行動がISISを利するのは、明らかだ。

 かつてPLOに対して、「テロリストを匿う者はテロリスト」というブッシュ米政権のレトリックを駆使して総攻撃を行ったイスラエル。今、「ガザには(ISISの)黒旗が翻っている」と主張して、ハマースをISIS並みの悪魔に仕立てようとしている。だが、結果的にISISを助けることになるガザ攻撃が、「テロに対する戦い」のレトリックで国際社会を説得できるとは思えない。


http://www.newsweekjapan.jp/column/sakai/2014/07/post-865.php  

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コメント
 
01. 2014年7月12日 09:59:50 : jXbiWWJBCA
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303379504580023413655909860
イスラエル軍、レバノンからの攻撃に応戦 
2014 年 7 月 12 日 03:08 JST
 【テルアビブ】イスラエル軍は11日、レバノンから発射されたロケット弾が北部のメトゥラ付近に着弾し、これに報復射撃を行ったと明らかにした。

 レバノンから誰が攻撃してきたかは不明だという。レバノン政府はミサイルの発射に関与した容疑者1人を逮捕したと発表したが、詳細は明らかにしなかった。イスラエル北部では、同国と交戦中のパレスチナ自治区ガザの武装組織にレバノンの過激派組織が加勢する恐れが強まっている。

 11日にはイスラエル南部のアシュドッドでも、ガザから打ち込まれたロケット弾がガソリンスタンドに着弾し、50歳の男性が手を切断する重傷を負った。イスラエルの新聞ハアレツが報じた。

 テルアビブではこの日も朝から空襲警報が鳴り響いた。イスラエル軍によると、ガザからイスラエル中部に向けて発射された3発のロケット弾を軍の防空システムが撃ち落とした。「アイアンドーム」と呼ばれる防空システムでロケット弾を撃墜し、被害を抑えることに成功したという。

 イスラエル軍はガザからの攻撃に対して空と海から応戦している。パレスチナの保健省の調べでは、イスラエルとハマス(ガザを実効支配するイスラム原理主義組織)との間の今回の武力衝突で死亡したパレスチナ人の数は少なくとも98人、負傷者は670人に上る。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014071202000126.html
レバノンからロケット弾 軍応戦、戦線拡大の恐れ

2014年7月12日 朝刊


 【カイロ=中村禎一郎】イスラエル軍は十一日、レバノンからイスラエルにロケット弾が撃ち込まれたことを明らかにした。到達したロケット弾は二発とみられるが、被害は出ていないもようだ。AFP通信などが伝えた。パレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの戦闘が続く中、戦線がレバノンにまで拡大する恐れがある。
◆パレスチナ側死者100人超える
 イスラエル軍はレバノン南部から発射されたロケット弾が北部メトラの空き地に着弾し、砲撃で応戦したと説明。レバノン治安当局もロケット弾発射を確認し、「最多で三発」発射されたとしている。誰が発射したかは分かっていないが、イスラエル軍は、イランの支援を受けてレバノン南部で活動するイスラム教シーア派組織ヒズボラの可能性は低く、ハマスに近い小規模のパレスチナ勢力による攻撃とみている。
 一方、八日に始まったイスラエル軍のハマスに対する本格的な軍事作戦は四日目の十一日も続いており、ガザからのロケット弾攻撃も止まっていない。AFPによると、これまでの戦闘でパレスチナ側の死者は少なくとも百人に上っている。イスラエル側に犠牲者は出ていない。
 イスラエルは十日、ガザ地区内のイスラエルとの境界近くの住民に対して避難を呼び掛け、ガザへの地上侵攻の可能性を示唆している。
 イスラエルのジャーナリスト、ダニ・ロベニシュタイン氏は本紙の取材に、多くの犠牲が出る事態や国際的な批判を懸念するイスラエルのネタニヤフ首相は地上戦に消極的だと説明した上で、「極右勢力や多くのイスラエル市民はさらなる攻撃の強化を求めている」と話した。
 オバマ米大統領は十日、ネタニヤフ氏と電話で会談し、停戦に向けた仲介の用意があることを伝えた。国連の潘基文(バンキムン)事務総長も十日の安全保障理事会の緊急会合で停戦を呼び掛けた。


イスラエルのガザへの軍事作戦、死者102人に
2014年07月12日 00時12分
 【エルサレム=上地洋実】イスラエル軍によるイスラム主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの軍事作戦で、ガザ地区での死者は11日、102人に達した。


 ガザの保健省によると、負傷者は700人に上るという。イスラエル軍は、作戦開始以降、ガザ地区1090か所に攻撃を加えた。

 パレスチナのマアン通信によると、10日深夜以降、13人の死亡が確認された。ガザ地区南部ラファでは、イスラエル軍の空爆が民家を直撃し、7歳の子どもを含む5人が死亡し、15人が負傷したという。

 一方、イスラエル軍は11日、レバノン南部からロケット弾攻撃があり、レバノン境界の町メトゥラに着弾したと発表した。軍事作戦が始まって以来、レバノンからの攻撃が確認されたのは初めて。イスラエル軍は発射拠点とみられる地域に迫撃砲で反撃した。

 レバノン南部を拠点とするイスラム教シーア派組織ヒズボラかパレスチナ難民の武装組織の関与が疑われている。イスラエルと戦闘するハマスに加勢する意図があったとみられる。

 ハマスによるガザ地区からのロケット弾攻撃も激しさを増しており、中部アシュドッドでは給油車にロケット弾が直撃し、炎上。1人が重傷を負ったという。

 また、ハマスは11日、テルアビブ郊外にあるイスラエルの玄関口・ベングリオン空港を標的にすると宣言した。

2014年07月12日 00時12分 Copyright © The Yomiuri Shimbun


02. 2014年7月12日 15:13:16 : YxpFguEt7k
重信メイ氏
「(空爆を受けているのは)全然軍事拠点じゃないんです。ジャーナリストの車とか、サッカーの試合を見ていたカフェとか。
アメリカがイスラエル側につくなら、世界中がパレスチナ側につけばバランスがつくんじゃないかな」
http://podcast.joqr.co.jp/podcast_qr/main/main140711.mp3

平和のためにパレスチナ側を応援しましょう。


03. 2014年7月12日 16:12:21 : TGgfYEbPRU
もっと中東に関心を惹き付けとかないとまずいって考えてる奴らがいるんじゃないか・・・?
ウクライナ軍がクリミア奪還に動くらしいからそのお膳立てのつもりなんだろ・・・。

04. 2014年7月12日 22:02:44 : T0W25vmcxQ
ほんとにイスラエルというのは悪魔の国だね。神に選ばれた民???「神」のゴイム??? ユダヤ人に対する偏見ではありません。

05. 2014年7月13日 00:22:32 : eq6YIYBFHY
IRIBイランイスラム共和国 国際放送ラジオ日本語のサイトでも、シオニストによるパレスチナ住民の大虐殺を連日、報じています。

2014/07/12(土曜) 22:18
アムネスティ、イスラエルの兵器制裁を要請
http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/46591-

(転載開始)

アムネスティ、イスラエルの兵器制裁を要請

国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが、シオニスト政権イスラエルの兵器制裁を要請しました。

ファールス通信によりますと、アムネスティは11日金曜、声明を発表し、イスラエルの兵器制裁を要請すると共に、ガザ地区での人権侵害の調査に向けた調査委員会の結成を強調しました。

また、「イスラエルのガザ攻撃の継続は、国連が独立調査委員会を結成し、違反者がその行動に対して責任を取る必要性を生じさせている」と語りました。

ピレイ国連人権高等弁務官も11日、スイスのジュネーブで、「イスラエルのガザに対する軍事作戦は国際法に反している。なぜならこの攻撃の中で民間人が標的にされているからだ」と語りました。

さらに、「人権高等弁務官事務所は、イスラエルのガザ攻撃による多くの被害は、住宅を攻撃されたために子どもを含む民間人がこうむっているという懸念すべき報告を受けている」としました。

(転載終了)

★シオニストこそナチスだ。やつらに膨大な資金援助と軍事援助を続けているアメリカ支配階級に、今こそ全世界が連帯して強力な抗議の姿勢を見せ付けなくてはなりません。


06. 2014年7月13日 01:53:23 : zkGJSDm6xo
イスラエル少年3人の誘拐は、イスラエル軍が完全に掌握している「エリアC」
で起きた。

ハマスがイスラエルと事を構えるメリットが何もないことは、指摘の通り。

ISISに忠誠を誓うパレスチナ組織、the Islamic State in Bayt al-Maqdis が、ホームページで誘拐と殺害の実行を名乗り出ている。

http://www.timesofisrael.com/jihadist-group-takes-credit-for-teens-kidnapping/

アルカイダ系のISISが、米国、欧州、トルコの支援を受けてきたことは、紛れもない事実。

3人の少年の遺体が発見された時の、イスラエル政治指導者並びにイスラエル軍高官の発言が計算されて、ファナティックであったことも事実。

エジプトの軍事クーデターによって、だれが一番利益を受けるかは、火を見るより明らかだ。

今回のガザへの攻撃にも、謀略国家、米国とイスラエルの影が、隠しようもなくはっきりと見える。


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