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イラクで勢力拡大のISISがシリアへ侵攻、シリア反政府勢力は2つの勢力と戦う  IBTimes
http://www.asyura2.com/14/warb13/msg/367.html
投稿者 ダイナモ 日時 2014 年 7 月 11 日 22:22:13: mY9T/8MdR98ug
 

 イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が6月30日、シリア北部からイラク中部にまたがる「イスラム国」の樹立を宣言した。ISISのスポークスマンのアドナン師の声明がインターネット動画サイト「ユーチューブ」に配信され、その中で、ISISは最高指導者としてアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)師をイスラム教開祖ムハンマドの後継者を意味する「カリフ」に任命したと報じた。バグダディ師は1971年生まれの43歳、イラク中部のサーマッラ出身でバグダッドのイスラム大学でイスラム学を専攻し、2010年からISISの前身の「イラク・イスラム国(ISI)」の最高指導者として活動してきた。

ISISは国際テロ組織アルカイダの流れをくむが、シリア内戦後にシリアに影響力を広げたため、アルカイダ指導部との関係は悪化した。ISISの「カリフ制イスラム国」の樹立宣言は、アルカイダ系組織として「領土」を持ったISISがアルカイダ指導部に自らの正統性を主張する意味もあると見られている。

イラクとシリアにまたがるイスラム国家の樹立を宣言したスンニ派武装組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」は過去数か月にわたりイラクで勢力を増大させてきたが、シリアに焦点を切り替えたようにも見える。7月3日、シリアの油田地帯を制圧したと、シリア反体制派の「シリア人権監視団」(英国)が伝えた。ISISは先週、イラク国境のアルブ・カマルからカイムの町にかけての一帯を占拠した。一帯は、これまで国際テロ組織アルカイダ系でISISと対立するヌスラ戦線が占拠していた地域である。ISISが制圧したシリア東部デリゾールにあるオマル油田はシリア最大の油田で、日量約7万5,000バレルの産出能力がある。人権監視団は、ユーフラテス川流域の町が相次いでISISに制圧され、同組織がイラク国内で制圧しているスンニ派地域とシリアのデリゾールがつながったと伝えた。

アルブ・カマルからカイムの一帯を占拠してきたヌスラ戦線が、ISISに忠誠を尽くすと誓ったのか、また、ヌスラ戦線の兵士が対立するISISから逃走したのかは不明である。しかし英国の「シリア人権監視団」によると、ISISはシリア内戦の過激派グループから支援を得ている可能性があるという。

現時点では、この種のつながりがパートナーシップにまでは進化していない模様だ。アルカイダの指導者たちは、ISISを支援していないと表明しており、シリア騒乱における一連の軍事行動において反政府側に立つアルカイダ系組織のヌスラ戦線が、シリアの正当な代表であると述べている。

シリア国民評議会(Syrian National Council: SNC)は、シリア国内に分散する反政府勢力をまとめて2011年春頃より組織化された。その後、路線対立などで機能が低下する。2012年11月半ばに新組織樹立への動きが高まり、国民評議会(SNC)を含む各派は反政府統一組織の樹立で合意に至る。シリア国内外の反政府勢力を幅広く集め、軍事組織「自由シリア軍(FSA)」を傘下に収める「シリア国民連合」(National Coalition of Forces of the Syrian Revolution)はアサド政権打倒と、異なる民族・宗派の混在するシリアで国際的な承認を得られる暫定政権の樹立を目指すこととした。発足時のメンバーは約60人で、代表には穏健派イスラム教のイマームのムアーズ・アル・ハティーブ(Moaz al-Khatib)師が選出された。同氏はスンニ派で、ダマスカスに現存する世界最古のモスクであり世界最大級のモスクの1つでもあるウマイヤド・モスクのイマーム(モスクにおける集団礼拝の指導者)である。

ISISがシリアで勢力を拡大するにつれて、シリア国民連合の指導者たちは今週、トルコ、イスタンブールでシリア国民連合の新代表を選出し、急激に成長している過激派グループに対抗するための戦略を練る。アサド大統領だけでなく、勢力を強化しているISISに対して何ができるのかを議論するものと見られる。同組織の新議長の選出に加えて、3名の副代表、事務局長、政治委員も選出される模様だ。

シリア国民連合は、国連安全保障理事会の常任理事国である米国、フランス、英国の3国を含む7か国によって承認されている。2011年、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官(当時)は「平和的な民主主義への移行を求めているシリアを先導する合法的な代表である」として「米国はこの移行を実現するための支援に同意する」と述べた。

6月26日、オバマ(Barack Obama)米大統領が議会にシリアの反体制派への武器供与や訓練のため、5億ドル(約510億円)の拠出を認めるよう議会に求めた。そのわずか2週間後にイスタンブールでシリア国民連合の会議が開催される。ホワイトハウスの声明は「反体制勢力に支援を行う前に『適切に吟味するべきだ』」と述べた。

オバマ政権はシリアの反体制派を支援することで、アサド政権だけでなく、シリアとイラクで活動するISISの勢力拡大も防ぎたい考えだ。大統領直属の諮問機関の国家安全保障会議(NSC)の報道官は「米国はシリアでの戦闘に部隊を送るべきではない」と軍事介入の可能性を改めて否定した。そして「シリアの人々をアサド政権の攻撃から守りISISのような過激派を後退させることを助けるのが目的だ」との談話を発表した。

オバマ大統領はシリアに対して、CIA(米中央情報局)主導のプログラムが存在することを2013年6月13日に発表した。同プログラムは、シリアの反政府武装組織でSNC下部組織の監視下にはいる自由シリア軍(FSA)など、選択された反体制グループに武器を供給して軍事訓練を行うことを発表した。当時、米国のシニア政治家らは、武器が「誤ったグループ」の手に渡る可能性があると懸念を示した。

過去数か月にわたり、シリア西部のホムスや北部のアレッポなどの都市で武力抗争がエスカレートする中で、オバマ政権は最終的に西側諸国に対立するグループに武器が渡る懸念があるとして携帯用の対空ミサイルなどの武器の供給を停止した。

1980年代に米国は、ソ連軍と戦ったアフガニスタンの反政府組織に武器を提供した。これらの武器の中には非常に危険な対空ミサイルなどが含まれており、それは結局、タリバンの手に渡った。そしてタリバンは2001年に米軍がアフガニスタンを攻撃した際に、その武器を使用した。

反政府勢力は米国や欧州の指導者に、アサド政権との戦闘を支援し、さらなる武器と資金の提供を求めている。この要請は、ISISがイラクで武器を手に入れシリア国境付近で勢力を増すにつれて強まっている。 現在、シリアの反体制勢力はアサド政権とISISという、2つの勢力との戦いを求められている。新たに入手した強力な武器の備蓄と関連する軍事部隊の戦闘が懸念される。

米金融庁の野党シニア関係者は、ISISがイラク第二の都市モスル制圧後、ハンヴィー(米軍用車両の高機動多用途装輪車両を指す。特定の車両ではなく総称)やヘリコプターやカラシニコフのような小型武器をシリア国境を越えて移送していると語った。特にヘリコプターは過激派にとって空からの攻撃を行うために非常に有用で、3年に及ぶシリア紛争で反アサド勢力ができなかったことを可能にするものだ。

6月12日、シリアの反体制勢力がスカイプを使ってワシントンD.C.での記者会見に応えたところによると、反体制勢力はISISと戦うことを明確に表明した。記者会見参加者の中には、2012年のアレッポへの侵攻で自由シリア軍(FSA)を率いたアブドゥル・ジャバル・アキディ(Abdul-Jabbar Akidi)大佐、シリア北西部のイドリブでFSA軍の責任者であるアフィフ・シュレーマン(Afif Suleiman)大佐、ISISとの戦闘で反体制軍連合チームのリーダーのムスタファ・ベロー(Mustafa Berro)大佐が含まれていた。彼らは、ISISがシリアで穏健派の反体制勢力に非常に激しい攻撃をしてくるのではないかと「強い懸念」を語った。

最近のオバマ大統領の議会への要請は、ヨルダンなどシリア国外に位置する戦闘要員の訓練を行うためのイニシアチブ策定である。このイニシアチブ策定は、5月28日、ニューヨーク州ウェストポイント米国陸軍士官学校でオバマ大統領が行ったスピーチで提案された「テロ組織を抱える第三国政府によるテロ対応能力の強化を支援するための枠組み(CTPF:Counterterrorism Partnership Fund)」の一部である。

オバマ大統領は、米国は「テロリストと残忍な独裁者に既存のものに代わる選択を提供するため、シリアの反政府勢力支持を増強する」と述べた。米議会は、同要請をまだ承認していないが、それがいつ承認されるか見通しは立っていない。

シリアの反体制勢力は過去数年間、国際社会との交渉能力を持ったリーダーシップの構築を実現するために苦労してきた。反体制派の統合組織「シリア国民連合」の代表選出は今回で3回目になる。最初の代表のムアーズ・アル・ハティーブ氏は2012年11月に代表に選出されたが、2013年4月、国際社会の支援が不十分であることに対する抗議として「シリア国民連合」議長の職を辞した。アル・ハティーブ氏は、後に連

現在のシリア国民連合の代表はアフマド・アル・ジャバ(Ahmad al-Jarba)氏で、2013年7月に選出された。議長の任期は6か月で、同氏は今年1月に再選され2期を務めている。


http://jp.ibtimes.com/articles/59103/20140709/943151/page1.htm  

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コメント
 
01. 2014年7月12日 04:46:07 : UV9l1QbUts
これはシリア反政府勢力が一つにまとまっているという仮定から書かれた記事なんですね

02. 2014年7月12日 07:48:36 : Ext9xvR5Mg
>01
というか、"ISIS"はいつから「シリア反政府勢力」ではなくなったのでしょうか?

03. ダイナモ 2014年7月12日 09:52:34 : mY9T/8MdR98ug : Kr2S1L17Og
この記事には注釈が必要だ。ISやアル・ヌスラ戦線は「正当なシリア反政府勢力」ではないということ。シリア国民にとって、アサド派が敵であるのと同時にISやアル・ヌスラ戦線も敵である。

ISやアル・ヌスラ戦線がアサド派支配体制から、シリア国民に対する「解放者」であるなどという言辞はブラックユーモアでしかない。


04. 2014年7月12日 10:16:21 : jXbiWWJBCA
シリア内部の勢力構図は政府VS反政府勢力といった単純な構図ではないのは既に明らかですが、
シリアに限らず中東の紛争国では、先進国がイメージするような同じ共通利害をもった一般国民というのは既に多数派としては存在しないのかもしれません。
その場合、国民国家としてのシリアやイラクの再生という未来はあまり現実的ではないでしょうね。 

05. 2014年7月12日 14:54:22 : ZhCYDkGrKo
シリア国民と一くくりに言うからややこしくなるのも事実。
今、起きていることは一くくりに出来ないシリア国民の分裂股さき状態。

06. 2014年7月13日 00:29:04 : slUI8tq6Go
つぅか空気を読めない跳ね返りがたまたま大成功してしまった結果
アメリカ・イスラエル・サウジアラビアが
シリア辺りのアルカイダに表立って支援しづらくなり
辻褄合わせの後付けで創作したストーリーだと思う。

FSAは我々は武器も弾薬も何も持ってないとか言ってるが
そんなに弱い連中が、いままでどうやってアサドと互角に戦ってたんだ、ってのw


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