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イラク、ウクライナ、パレスチナ 制御不能な同時多発戦争危機
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2014年07月10日 世相を斬る あいば達也
ロシア人や東欧の人々は、皮肉者で、哲学的思索が好きで、且つ裏切りも外交の手法の一つと捉えている傾向がある。皮肉屋で、哲学思考が好き、ここまでは筆者と同じだ(笑)。ただ、裏切りを潔しとしない縄文人であるところが大いに異なる。日本人の多くが、第二次世界大戦において、全面降伏確実を見た上で、日本との協定を一方的に破棄したソ連に対し、一種の怨みと云うトラウマを持っている。丁度、中国人や韓国人が、日本侵略と云うトラウマから抜け出せず、人格障害のような振る舞いをしている姿と、筆者などは同じレベルの情緒なのだろうと理解している。
仮にロシア嫌いでも構わないが、アメリカ教への信心は、いくらなんでも、そろそろ見直してみたら、と云う気になるのだが、わが国の潮流に兆しはまったく見えない。まあ、日ごと夜ごと、美名に隠れた呪いを掛けてくるアメリカ教の本部なので、簡単に洗脳教育、時にはマインドコントロールに至るのだが、極端な表現をすると「カルト教」を信じてしまう、少々奇異な目で見られるカルトの信者と我々日本人を一緒にするとは何事だ、と抗議の大合唱が起きそうだが、残念ながらアメリカ教は、どう云う宗教なのかと問われれば、準カルトです、と筆者答える(笑)。
イラク戦争から帰った米兵の『衝撃の告白』ってのがネット上で話題になっているが、実際に、ベトナムやイラクにおけるアメリカ教の「正義の聖戦」につき合わされた兵士であれば、多少なりとも、普遍的価値の拡大とか、テロとの戦いとか、様々な呪い(まじない)を唱えられている事実が、実は事実でも何でもないことに気づくはずである。ただ、保身上、敢えて声にしないと云うのが一般的生き方で、狡賢いが賢明な生き方でもある。話題の兵士は、イラクにテロ掃討作戦のためと聞かされ兵役に就いた。そうしてデモクラシーの為の聖戦だと信じていた。しかし、彼は次第に、テロをしているのは我々自身なのではないか、と真っ当な人間の眼を取り戻す。しかし、真っ当な目を持つほどに、息苦しくなるのが、信用ならないアメリカン・デモクラシーの特長である。
“デモクラシーと資本主義”と云う最強のペアが行き詰まりを見せ、世界は混沌の時代を迎えた。デモクラシーは欺瞞がないと存続不可能な政治体制であることは、かなり見えてきた。それに代わるものが見つからないので、多くの人間が苦慮している。“一党独裁政治体制と資本主義”の中国の元気が一番いい。経済成長に陰りが出た、シャドーバンキングが命取りだ。西側諸国は、中国の不幸が最速で、最大限に起きることを希求しているが、どっこいまだまだ土俵の真ん中で踏ん張っている(笑)。ウクライナ問題で、中露の最接近に危機感を募らせるホワイトハウスは、ケリー国務長官御一行が中国を訪問している。
表向きは、中国が「新型大国関係に関し」と言い、米国が「違いを包含する新型の関係に関し」と、見事な思惑のすれ違いをみせている。大国と認めよと強硬な中国。大国だ等と認めることは敗北だと認識するアメリカ。大変面白い、米中の鍔迫り合いである。中国の習近平にしてみれば、ウクライナにおける米国の介入を確認しているだけに、ロシアの味方をするように見せかけ、米国から何らかの譲歩を勝ち取るとか、双方見事な外交を展開している。羨ましい限りだ(笑)。
そんなことを考えていたら、産経新聞が佐藤優の八卦見のようなコラムを書いている。しかし、今回のコラムはかなりの確率で当たる方の八卦のように思える。イラクにかまけて、ウクライナへの介入行為を忘れるな!と云うのが政商・ポロシェンコの言い分だろう。米国の力量は、どちらの紛争にも、明確に立ち入ることは殆ど不可能。なにせ、オバマ政権がレームダックの季節に入ったのだから、動ける筈もない。この状況がエスカレートしてしまえば、ウクライナ、イラクを中心に、シリア、パレスチナ、イスラエルで戦火が拡大する危機に面している。まあ、そのすべてに共通する項(共通項)が「アメリカ」なのだから、仲介どころか当事者だろう(笑)。中国もロシアも英仏独も、一部への関与しかないのだから、自衛隊は喉から手が出るほど有力な部隊に変身(格上げ、マイナーからメジャーだ)。
≪ ロシアとウクライナ 危険の毒蛇と毒サソリの争い 仕掛けたのは…
ロシアとウクライナが、毒蛇と毒サソリの喧(けん)嘩(か)を始めている。初めに喧嘩を仕掛けたのは毒サソリのウクライナのポロシェンコ大統領だ。この政商出身の大統領は、危険極まりない。ロシアとの戦争を挑発している。ウクライナ東部では6月20日から停戦が成立していた。
<停戦を機に、ロシアが軟化。ウクライナ国内への軍派遣を認めた事前承認を取り消し、欧州連合(EU)との間で緊張緩和の動きが始まっていたからだ。フランスやドイツの働きかけで、ポロシェンコ氏とプーチン・ロシア大統領は26日から、オランド仏大統領、メルケル独首相も加わった4者の電話会談を繰り返した。ただ、ロシアが親ロシア派への影響力を行使しようとしないなかで、ポロシェンコ氏は最終局面で停戦終了にかじを切った。
今後、緊張が高まることは避けられない。ウクライナ議会ではトゥルチノフ議長が「反テロ作戦が再開された」と宣言。議会では東部への戒厳令導入を求める声が高まっている>(7月2日付「朝日新聞」朝刊)
イラク情勢の緊迫により、国際社会のウクライナに対する関心が低下している。ポロシェンコ氏は、「われわれのことも忘れないでくれ」と戦闘行為を開始し、「テロリスト」というレッテルを貼った自国民とロシア人を殺害しているのだ。
プーチン氏は、怒り心頭に発している。1日、モスクワでプーチン氏はロシア外務省職員らの前で演説をした。そのときに以下の警告を発した。
「停戦体制継続を放棄したウクライナのポロシェンコ大統領は、国の南部・東部での紛争激化に対する責任を自ら負った。その際ロシアは、国際法の枠内にあり続けながら、ウクライナ及び世界中にいるロシア語系市民の利益を擁護するだろう。
世界秩序の一極モデルは、成立しなかった。西側が、この地球を『世界兵舎』に変えようと、他の国々に自分達の原則を押し付けるのを止めるよう望む。ロシアは自らの対外政策において、対決を通してではなく、協力や歩み寄りの模索を通じて、グローバルな及び地域の問題解決の道を模索するべきだとの立 場に断固立脚している」(7月1日のロシア国営ラジオ「ロシアの声」
プーチン氏は、ポロシェンコ氏が停戦を停止した背景には米国の思惑があると考えている。「他の国々に自分達の原則を押し付けるのを止めるよう望む」というのは、米国に向けたメッセージだ。
今後、ウクライナの南部、東部で生じる混乱の責任はすべてポロシェンコ氏に帰すると責任の所在を明確にした上で、ロシアの軍事介入を強く示唆している。 プーチン氏は、「ロシアは、国際法の枠内にあり続けながら、ウクライナ及び世界中にいるロシア語系市民の利益を擁護するだろう」と述べているが、ウクライナでロシア語を常用するロシア国籍保持者、ウクライナ国籍保持者、二重国籍者が政府軍によって大量に殺害されるような事態が生じれば、ロシアはそれを国際法で禁止されたジェノサイドと判断し、軍事介入も辞さないということだ。
プーチン氏は毒蛇の鎌首を上げて、戦闘モードに入りつつある。ウクライナの東部、南部にロシア軍が介入すれば、ウクライナ正規軍は瞬時に壊滅される。その後、米国が軍事的にウクライナを支援する。ウクライナ戦争の勃発だ。 日本を含む国際社会は、ポロシェンコ政権に「停戦を再開し、直ちにすべての関係者と協議すべきだ」と働きかけるべきだ。イラクとウクライナの情勢悪化が同時進行すると、米国、EU、国連も統制不能の事態になりかねない。 ≫(産経新聞:国際――作家、元外務省主任分析官 佐藤優)
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