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2014年7月 3日 [国際事務局発表ニュース]
国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ自治政府
誘拐されたイスラエルの十代の若者3名の殺害は法の裁きが必要である。
しかし、イスラエル当局が報復で行ったヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に対する空爆や家屋を破壊する軍事行動は受け入れがたく、集団的懲罰に相当する。
また、それらの行動は国際人道法、国際人権法に対する露骨な違反である。
殺害されたのは、エヤル・イフラさん(19歳)、ギラド・シャールさん(16歳)、ナフタリ・フレンケルさん(16歳)で、6月12日に誘拐され、イスラエルが占領する西岸地区のヘブロン市北部で6月30日、遺体が発見された。
この誘拐の背後にはパレスチナ武装グループのハマスがいるとして、イスラエル当局はハマスへの報復を明言した。
このような誘拐殺人は言語道断であり、アムネスティ・インターナショナルは強く非難する。加害者は、法の裁きを受けなければならない。
しかし、集団的懲罰やパレスチナ人の権利を侵害するようなイスラエルの報復行為は、法の正義ではない。イスラエル当局がすべきなのは、徹底的かつ中立的な調査を行なって、犯罪容疑者を起訴し公平な裁判で裁くことである。
イスラエル当局が誘拐の容疑者とした2名の男性、マルワン・アル=カワスメさんとアメル・アブ・アイシェさんは、ヘブロンの住民である。両名の家族のアパートは夜間に軍によって破壊され、周囲の大きな家屋も深刻な損害を受けた。両名の所在は不明である。
イスラエルは閣議後の7月1日の朝、少なくとも34回、ガザ地区を空爆した。パレスチナ人に負傷者が出たとの情報がある。しかし、容疑者としている2名あるいはハマスが誘拐殺人に関わっていることを裏づける証拠をイスラエル当局は示していない。
一方、ガザの武装集団もまた少なくとも18発のロケット弾をイスラエル南部に向けて発射した。これまでのところ、負傷者は報告されていない。
今回のイスラエルの軍事作戦では、子ども1人を含むパレスチナ人6名以上が殺害されている。やられたらやり返すという報復の論理は、さらなる人権侵害やパレスチナ人とイスラエル人の苦悩を生むばかりである。報復行為は即時停止する必要がある。
集団的懲罰と被占領西岸地区への入植という違法政策が続く中で、イスラエルの軍事的対応はエスカレートしている。
軍事的対応には恣意的な逮捕や拘禁があり、少なくとも364名のパレスチナ人が現在、行政拘禁されている。ここ数年で最多である。パレスチナ人の移動の自由の制限や検問所の封鎖も増えている。
また、イスラエル人入植者はヘブロンとベツレヘム地域でパレスチナ人を襲っている。今回の3人の遺体が発見されてから、入植者は被占領西岸地区に3つの新しい入植「前哨地」を設置した。
アムネスティ国際ニュース
2014年7月1日
http://www.amnesty.or.jp/news/2014/0703_4708.html
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