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戦闘機の購入を望んでいたイラク政府に米国はF-16の空手形、代わって露国がSU-24を引き渡し
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201406290000/
2014.06.30 03:24:10 櫻井ジャーナル
6月28日、イラクへ中古ながら10機のSu-24戦闘機がロシアやベラルーシから到着したと伝えられている。このほか戦闘ヘリもロシアから提供されるようで、ヌーリ・アル・マリキ政権としては反政府勢力の鎮圧に希望が持てる状況になった。
戦闘機が引き渡される前、ISIS(またはISIL、IEIL)の部隊をシリア軍が空爆、アメリカ政府は手を出すなと非難しているが、マリキ首相は攻撃を歓迎すると語っている。裏でマリキ、ロシア、シリアが話し合った可能性もあるだろう。
イラク政府がロシアから航空機を入手することにした理由は、アメリカ政府が2011年と12年にイラク政府と結んだF-16戦闘機を提供するという約束を守らなかったからだという。マリキ首相は今年3月、議会選挙が行われる前の月にサウジアラビアやカタールを反政府勢力へ資金を提供していると批判したことは興味深い。この時点でアメリカ政府との関係は修復不能の状態になっていた可能性がある。
http://www.reuters.com/article/2014/03/09/us-iraq-saudi-qatar-idUSBREA2806S20140309
アメリカ、サウジアラビア、イスラエルの「三国同盟」はイラクのヌーリ・アル・マリキ政権を倒そうとしている。その理由のひとつはイランとのつながり。マリキ打倒プロジェクトで使っているのがイスラム教スンニ派の武装勢力ISISだ。
アル・カイダの下部組織とも言われているが、つまり傭兵のデータベース(アル・カイダ)に登録された人たちで構成されている。2012年にはヨルダン北部に設置された秘密基地でアメリカのCIAや特殊部隊がISISの主要メンバーを訓練していたともいう。
ISISの黒幕はサウジアラビアのアブドゥル・ラーマン・アル・ファイサル王子だが、ここにきてISISが独自の資金源を手に入れたという話も伝えられている。サダム・フセインに近かった勢力と手を組んでいることもあるのか、スンニ派の影響力が強い地域を制圧しているのだが、その中に含まれるモスルでは中央銀行を押さえ、5億ドルの現金と相当量の金塊を手に入れたという。
サード・ハリリ元レバノン首相はサウジアラビアの「信頼できる情報源」からの情報として、イラクにおけるISISの攻勢は昨年11月にトルコで開かれた「大西洋会議http://www.atlanticcouncil.org/」のエネルギー・サミットで承認されたのだと語っている。ISISの司令部はトルコのアメリカ大使館にあるとも主張している。なお、ハリリの一族はレバノンのおけるスンニ派の中心的存在で、サウジアラビアと密接に結びついている。2005年2月に暗殺されたラフィク・ハリリ首相はサードの父親だ。
ファルージャに続いてモスルをISISが制圧できた理由としてイラク軍の指揮官が戦闘を回避したことが挙げられている。実際、マリキ首相はメーディ・サビー・アル・ガラウィ中将、アブドゥル・ラーマン・ハンダル少将、ハッサン・アブドゥル・ラザク准将、ヒダヤト・アブドゥル・ラヒム准将を解任した。サダム・フセインはアル・カイダ系の戦闘集団を「人権無視」で弾圧していたが、その残党はアル・カイダと手を組んだのかもしれない。
そのほか、支配する油田で生産される石油の販売でも収入があるとされているが、この問題は本ブログでも書いた通り、販売先がなければ成り立たない話。その販売を請け負っているのがARAMCOだとする情報も流れている。
ARAMCOとはSOCAL(スタンダード石油カリフォルニア)、テキサコ、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージー、ソコニー・バキューム(後のモービル)が出資して作った会社で、重役の多くがCIAとつながっていることでも有名だ。
ISISはコントロール不能の暴走状態だとする意見もあるが、今回の攻勢でもISISの動きをアメリカの情報機関や軍が事前に察知していなかったということはありえない。上空にはスパイ衛星、その下には偵察機、勿論、地上にも情報網が存在しているわけで、事前に知っていただろう。知っていながら何もしなかったということだ。ISISに協力したイラク軍の将軍にしても、アメリカ側が説得した可能性もある。
現在のイラク政府がISISを鎮圧した場合、ロシアを後ろ盾としてイラン、イラク、シリアの同盟が成立しそうだ。もしISISが勝利したなら、中東全域が戦乱に巻き込まれてしまうだろう。ISISがサウジアラビアの資金を必要としなくなったなら、ペルシャ湾岸の産油国も無事では済まなくなる。
昨年の9月末まで駐米イスラエル大使だったマイケル・オーレンは退任前、イスラエルは最初からシリアの体制転覆を望んでいたと明言、イラン、シリア、レバノンに比べればアル・カイダの方がましだとエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている。
http://www.jpost.com/Features/Front-Lines/Diplomacy-Obama-passes-the-kishka-test-326570
そのイスラエルも戦乱に巻き込まれるかもしれない。それを中東支配の好機と考えるかもしれないが、それほど簡単ではないだろう。
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