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イラクをはじめ国際情勢が混迷するなか、オバマ米大統領の弱腰ぶりが目立っている (AP)
オバマ大統領の弱腰ぶりに批判集中 空母派遣も空爆「当面見送り」
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140618/frn1406181820009-n1.htm
2014.06.18 夕刊フジ
オバマ米大統領の慎重・弱腰ぶりに批判が集まっている。イスラム教スンニ派過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」が攻勢を強めるイラク情勢をめぐり、武力介入の構えを見せ、ペルシャ湾に空母まで派遣したが、空爆を当面見送ることを決めたようなのだ。オバマ氏は国際紛争に対し、これまでも口先介入ばかり続けてきた。これでは全世界から「言うだけ番長」という評価が定着しそうだ。
オバマ氏の「空爆見送り」という決断は、米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版が17日、報じた。「やはり…」という感想しかないが、イラクの現状は日に日に悪化している。
国際テロ組織アルカイーダの流れをくむISILは17日までに、イラクの首都バグダッドの北方約50キロのバアクーバに迫り、シーア派主導であるマリキ政権率いるイラク軍と激しく交戦した。ISILが一時、バアクーバを部分的に制圧したがイラク軍が撃退するなど、一進一退の激しい攻防が続いているもようだ。
AP通信などによると、バアクーバ近郊では16日夜、ISILが警察署を襲撃し、政権側のシーア派民兵と衝突。拘束されていた少なくとも44人が死亡したという。
ISILが17日、さらにバグダッドに近い、中部ファルージャ近郊の町を制圧し、軍兵士らが放棄した戦車などを奪ったとの情報もある。AP通信は、ファルージャ近郊で軍のヘリコプターが撃墜され、乗っていた2人が死亡したと伝えた。
国連のピレイ人権高等弁務官は16日、「過去5日間で非戦闘員数百人が処刑されている。ほぼ確実に『戦争犯罪』に当たる」と語り、ISILによるシーア派虐殺について、こう非難した。
このまま、イスラム教スンニ派とシーア派の宗派間対立が激化し、悲劇がイラクから中東全体に広がる前の行動が求められるが、国際社会の動きは鈍い。
特にオバマ氏は、ペルシャ湾に原子力空母「ジョージ・H・W・ブッシュ」やミサイル巡洋艦を派遣したほか、無人偵察機による情報収集を指示して、先週13日に「数日中に結論を出す」と発表したが、その後、カリフォルニア州でゴルフ休暇に入ってしまった。
これには、ベイナー下院議長(共和党)が「大統領は何もせず、イスラム過激派組織がバグダッドへと迫っているときに昼寝している」と痛烈に批判した。
マケイン上院議員(同)も「イラクから米軍が撤退した代償だ。国家安全保障チームを一新すべきだ」といい、ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)や、デンプシー統合参謀本部議長らの辞任を要求した。
ウォールストリート・ジャーナルも「(大統領就任から)5年以上がたち、われわれはこの大統領に指導力、戦略的な望みを期待すべきではないということを知るようになった」と批判した。
オバマ政権は2011年、イラクから米軍を完全撤収させただけに、ISILの攻勢を阻止できなければ、「完全撤収は失政だった」との評価を免れない。
オバマ氏は休暇明けの16日、バグダッドの在イラク米大使館の警備強化などを目的に、戦闘能力を持つ米軍部隊275人前後のイラク派遣を15日から開始したことを明らかにした。だが、同政権としては「地上軍の投入は検討していない」(カーニー大統領報道官)と早々と表明するなど、軍事介入は避けたいのが本音だったようだ。
田久保忠衛・杏林大名誉教授は「オバマ氏は今まで、シリアでもクリミアでも南シナ海でも、一切軍事力を使っていない。米国内からも『弱虫オバマ』という批判が集まっている」と指摘し、こう続ける。
「そもそも、今回のイラク問題では、米政府が地上戦闘部隊の派遣を最初から否定しているのが問題だ。仮に無人機やトマホークによる空爆に踏み切ったとしても、ISILは一カ所に固まらず分散しており、空爆だけでは効果は限定的だ」
オバマ氏としては、米国単独の武力行使を極力限定し、同盟国などとの「集団的行動」により紛争などに対処する国際協調路線を強く打ち出したばかり。新たな紛争に巻き込まれたくないという、米国の「戦争疲れ」「厭戦機運」も理解できる。
ただ、チェンバレン元英首相の「無策な平和主義」が第2次世界大戦の引き金になったという、歴史の教訓も思い起こすべきではないのか。
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