02. 2014年6月17日 22:41:37
: EJOiZmAm36
我々はアメリカとイラクの出来レースに騙されているのかもしれないと思うようになった。 いきなりで悪いがこの記事を貼っておく。イラク戦争終結後のイラクの内乱に興味のない人はどうでもいいのだろうが、イラクの内乱を少し走る俺にはまたぞろアメリカの悪い癖が出たとしか思えない。 少なくともこの記事を読んでからその疑念は深まった。 2014年06月13日12:49 オサマビンラディンの後継者 謎の男バグダディ http://blog.livedoor.jp/archon_x/archives/7724188.html たちまちのうちにイラクは北部を制圧し一躍世界の注目の的となった謎の組織ISIL。 しかし何より謎のなのが、その指導者アブ・バクル・アル・バグダディとは何者なのか、ということでしょう。 中東ウォッチャーにはよく知られていることですが、この人は何度もアメリカ軍に殺害された、と発表されていて、結局本当だったのか嘘だったのか、或いはそれらのアブ・バクル・アル・バグダディという人物が本当に同一人物なのかもわからないと言う、それこそ謎中の謎の人物なのです。 当のアメリカでさえ、バグダディについてはよくわかっていないらしく、バグダディにつながる情報には1000万ドルもの懸賞金がかけられているほどです。 ちなみに公安調査庁のホームページでは今だに2010年にティクリートで米軍の爆撃で殺害されたと書いてあったりして、日本の諜報は大丈夫なのか公安調査庁という感じを醸し出しているのはご愛嬌です。 さてこの謎に包まれたアブ・バクル・アル・バグダディとは一体どのような人物なのでしょうか。 アメリカが発表したところによると、バグダディは1971年イラクのサラーハッディーン県の県都サッマーラ(サマラ)生まれの43歳。 優秀な人物だったらしくイラクの東大、バクダッド大学で神学を修め、学位も取得しています。恐らくその過程でイスラム原理主義思想に傾注して行ったのでしょう。 彼の名前が最初に出てくるのが2005年の10月のこと。 ISILの前身であるイラクの聖戦アルカイダ機構(AQI)のメンバーとして、バクダッドでのテロを計画し、シリア国境付近で米軍の爆撃により死亡したとあります。 しかしその遺体は発見されず、真偽は不明のままとなりました。
2006年AQIの指導者アブ・ムサブ・ザルカウィが米軍の空爆によって殺害されたあと、後継者のアブー・アイユーブ・アル=マスリーは組織をイラクのイスラム国(ISI)と改め、アルカーイダ色を薄めてスンニ派とシーア派の対立に乗じて勢力を拡大しようと図りました。 その際国防大臣のマスリーと共に、イスラム国の君主(アミール)としてバグダディの名前があがったのです。 アメリカはエジプト人のマスリーがイラク国民の歓心を買うため、名目上イラク人であるバグダディを祭り上げたと断定。 その後何度か暗殺報道があった後、2008年3月には、そのそもバグダディなる人物は実在せず、アルカーイダがイラク人の組織であると見せかける為に架空の人物をでっち上げたのだと発表しました。 ところが同年5月には、今度は本当のバグダディはアルカーイダによって殺害され、身代わりがバグダディを装っているのだとし、その正体はHamid Dawoud al-Zawiなる男だと発表を翻します。 イラク政府は2009年4月にその偽バグダディを逮捕したと発表しましたが、ISIの方も本物のバグダディとされる肉声を発表するなど、またも真偽不明のままグダグダになってしまいました。 翌2010年今度は決定的な発表がアメリカ軍からなされました。 4月18日にアメリカ軍はティクリートでISIの指導者マスリーをミサイル攻撃で爆殺、バクディも同時に死亡したというのです。 ISILの方もこれを認めるような発表をした為、流石に今度こそ本当だろう、ということで、一応公式にはバグダディはここで死亡したことになりました。 公安調査庁のHPでバグダディが死亡したことになっているのは、こうした事情によるものでしょう。 さてマスリー亡き後のISIの後継者はアブー・ドゥアという人物だと発表されましたが、肝心のアブー・ドゥアが何者なのか、サッパリわからずじまいでした。 そうこうするうちに、実はアブー・ドゥアこそバグダディなのだ、という話がアルカーイダサイドから浮上します。 果たしてバグダディが生きていたのか、或いは又別の人物がそう名乗っているのかはわかりませんが、ともかくアブー・ドゥア = バグダディであることは間違いなさそうです。 こうなるとバグダディ死亡の公式発表も何処へやら、2012年イラク政府はバグダディを含む複数のアルカーイダ幹部を逮捕したと発表。 死んだんじゃなかったのかよ、と言いたくなりますが、これ又真偽不明のまま有耶無耶に。 本当にイラク周りはこんな話ばっかりです。 さて、伝えられるところによれば、2011年アルカーイダのオサマビンラディンがアメリカ軍の特殊部隊によりパキスタンで殺害された時、バグダディだけが後継者であるザワヒリに忠誠を誓うことを拒否したそうです。 彼は自分こそが、ビンラディンから直接イスラム国家樹立の計画を託されたのだと主張し、なるだけまとまらずに広範囲で活動し、アメリカ軍の的になることを避けるザワヒリの戦術に反対したのです。 結果的にシリアのヌスラ戦線との合併を巡ってザワヒリとバグダディは対立し、ザワヒリはISILをアルカーイダから破門しました。 従って、現在ISILは正確にはアルカーイダのメンバーではないわけですが、 バグダディの方からすると、自分こそがアルカーイダの思想を受け継ぐ正式な後継者なのだと考えていることになります。 果たして今回ISILがモスルを落としイスラム国家樹立が現実味をおびてきたことで、立場は逆転しました。 影に隠れてばかりのザワヒリに代わって、バグダディこそがアルカーイダの真の後継者なのだと見なされるようになったのです。 一方でこれとは別の報道もあります。 バグダディは元々AQIではなく、2006年に合併した5組織の一つ、アハル・スンナ・ワジャマナの幹部だったと言う説です。 アハル・スンナ・ワジャマナ は文字通りスンニ派の組織で、その源流は旧フセイン政権の与党バース党だと言います。 この説をとるなら、数的に少数で過激な思想を唱えるISILが、短期間の間にイラク北部、西部を征服できたのは、旧バース党の援助があったからと言うことになり、これはこれで納得の行く話です。 果たしてバグダディは第二のビンラディンになるでしょうか。 その行方が注目されるところです。 貼り付け終わり 田中宇も今イラクで起きていることは旧バース党の巻き返しであり、ISILの役割は大したことはないと言っている。 この記事の文中にザルカウィという名が出てくるが、このザルカウィこそがサダム・フセインとアルカイダが繋がりがあるとブッシュのアメリカが因縁をつけてイラク攻撃の根拠にした大物テロリストであった。 しかしサダムとアルカイダの関係を証明するものは何一つ見つからず、アメリカは後にサダムとアルカイダに繋がりがないことを公式に認めたのだが後の祭りであった。 さてザルカウィだがサダム体制崩壊後のイラクでシーア派に対抗するスン二派過激は勢力の親玉としてまた現れる。 そして2006年に米軍の空爆で死亡が確認される。この経緯、後のビンラディンもまったく同じ死に方をしたしバグダディもミサイル攻撃あってマスリとともに爆死したといわれている。 にも関わらずISILを率いてバグダッドに迫らんとしているという報道がなぜ突如起きたのか、俺はこれはバース党の復権を認めたくないアメリカが一芝居打たせた茶番ではないのかと思い始めている。 勢力にしてたかだか3千人程度のテロリスト集団がイラク戦争の米軍の勢いに勝るスピードでバグダッドに迫る不自然さを思うとき、ザルカウィの率いたグループがイラクで悪評プンプンでスン二派嫌われていた事実とその流れを汲む同組織が歓迎されるとはとても思えないからだ。 もちろん俺の勝手な思い込みだが、どうにもこうにも俺らはまたしてもアメリカに一杯食わされていると思うのである。
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