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【キエフ真野森作】ウクライナ大統領の就任式が7日、最高会議(国会)議事堂で行われ、5月25日の大統領選で当選したペトロ・ポロシェンコ氏(48)が就任した。任期は5年。ポロシェンコ氏は、3月のロシアによる南部クリミア半島編入などで分断された国内の結束を訴えた。一方で「過激派とは交渉しない」と述べ、東部で政府軍と戦闘を続ける親露派武装集団には厳しく対処する姿勢を示した。
ポロシェンコ氏は「私は戦争ではなく平和を望む」と訴え、ロシアから流入したとされる民兵については「(ロシアへの)安全な帰還」を保証するという。クリミアについては「過去、現在、未来もウクライナ領だ」と述べ、改めてロシアの編入を拒否した。
また、昨年11月にヤヌコビッチ政権(当時)が署名を凍結し、政権崩壊のきっかけになった欧州連合(EU)との連携を強める連合協定について、「親EUの方針に変わりはない」と、締結する方針を示した。EUとウクライナの経済的接近にはロシアが猛反発しそうだ。
ポロシェンコ氏は就任を目前に控えた今月4日以降、オバマ米大統領やプーチン露大統領らと相次いで会談しトップ外交をすでに開始。就任式にはバイデン米副大統領やコモロフスキ・ポーランド大統領、欧州連合(EU)のファンロンパウ欧州理事会常任議長(大統領)らが出席。ロシアはズラボフ駐ウクライナ大使を出席させ、ポロシェンコ氏の大統領としての正統性を承認した。ロシアに近いベラルーシのルカシェンコ大統領も参加した。
◇続く「内戦」 国家分裂の回避課題
ポロシェンコ氏の最大の強みは、1991年の第1回大統領選以来初めて、決選投票を待たずに1回の投票で当選を決めた点だ。親欧米の西部と親ロシアの東部が国を二分する勢力争いを演じてきた過去の選挙と異なり、国内のほぼ全域で圧勝。ロシアとの関係改善を目指す穏健な親欧米路線が幅広く信任を得た。汚職や内紛に足を取られずに国の危機を乗り越えられるか、国民だけでなく国際社会も注視する。
喫緊の課題は国家の分裂阻止だ。ポロシェンコ氏は6日、仏北西部ノルマンディーでのプーチン露大統領との初対話で、ウクライナ東部・南部とロシアとの国境を閉鎖する共同行動で合意した。ロシアからの民兵や武器の流入を阻止し、緊張緩和を図る狙いがある。
だが、親露派勢力は東部ドネツク、ルガンスクの両州で「独立」を宣言し、徹底抗戦の構えをとる。6日にもドネツク州北部でウクライナ軍輸送機が撃墜され、乗員ら3人が死亡した。事実上の内戦状態となっており、首都キエフなどに避難民が押し寄せている。親露派勢力が頼みとするロシア政府に不安定化の試みをやめるよう迫りつつ、親露派住民の中央への不信感を解きほぐす作業が必要だ。
新たな国家像の構築も課題だ。就任式で「『欧州』という選択は我が国の理想の中核だ」と強調。経済面などの欧州連合(EU)との関係強化、さらに将来のEU加盟を目指す。親露路線を選んだヤヌコビッチ前政権とは反対路線だ。
ただ、EU加盟国の間でもウクライナの受け入れには温度差があり、加盟の道筋は定かではない。「兄弟国家」として勢力下に置き続けようとするロシアの抵抗も予想される。【真野森作】
http://mainichi.jp/select/news/20140609k0000m030047000c.html
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