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ロシアが、ウクライナ東部との国境付近に集結させた軍の撤退を進めている。ウクライナ大統領選でポロシェンコ元外相(48)が当選を決めたことを受け、対話姿勢を見せ始めたといえそうだ。クリミア半島の併合問題などを巡り、激しく対立してきた両国関係は、今後どうなるのか。
■両国、現実的な対応模索
ロシアのプーチン大統領は29日現在、ウクライナ大統領選の結果について沈黙を守っている。ウシャコフ大統領補佐官は、態度表明は最終的な開票結果が確定した後になるという見方を示した。ただ、プーチン氏は選挙前に「選挙結果を尊重する」と話しており、ポロシェンコ氏の当選を認めるとみられる。
ウクライナ国境近くのロシア軍の撤退も、ウクライナに侵攻したり、分裂を促したりしないというメッセージとみられる。AP通信は30日、約4万人いたロシア軍が数千人を残して撤退したとの米国防総省高官の見方を伝えた。米国のヘーゲル国防長官も同日、「前向きな動きだ」とした。
■親ロ派と距離
プーチン氏は、ウクライナ東部の「親ロシア派」武装勢力と距離を置いているとの見方もある。政治評論家のマカルキン氏は「(独立を宣言した)ウクライナのドネツクやルガンスクにあるのは赤字企業や古い炭鉱。(ウクライナより高い)ロシアの年金を当て込む退職者も多い。併合したらロシアは国際的に孤立するだけでなく、経済的な重荷を背負う」と指摘する。
当面、ロシアが重視するのが、ウクライナが滞納しているロシア産天然ガス代金の問題。6月に50億ドル(約5千億円)を超えるとされ、30日にはベルリンで両国と欧州連合(EU)のエネルギー担当相らによる3回目の会合があった。プーチン氏はこの会合を前に「すでにポーランドの1年分以上にあたるガスを無償で送っている。いつまでも続けられない」と述べた。30日は結論が出ず、協議を続けることになった。
問題解決には国際社会のウクライナ支援が不可欠。そうした話し合いを軌道に乗せるためにも、プーチン氏は現実的な対応を模索しているようだ。
(モスクワ=駒木明義)
■両首脳、対面へ
ウクライナのポロシェンコ新大統領にとって、ロシアとどうつきあっていくのかは最大のテーマだ。当選直後の会見で「困難な関係の隣人だが、国の平和も秩序も、ロシアとの対話無しにはあり得ない」と発言。ロシアとまずは対話しようという姿勢を示した。
ウクライナ東部のドネツク州では今も、親ロシア派が庁舎の占拠を続けている。武装勢力の多数の車両がロシア側から国境を突破して侵入する事件が相次ぎ、26日未明には、親ロシア派が交通の要所であるドネツク国際空港を制圧。軍が初めて戦闘機で空爆し、親ロシア派に50人を超えるとされる死者を出した。
天然ガスの問題に加えて、国内の治安を取り戻すうえでも、ロシアとの関係正常化は欠かせない。
一方、親欧州派の代表格であるポロシェンコ氏の基本路線は、欧州との関係強化。今後、欧州連合(EU)への加入に向けた努力を強めることは確実だ。ただ、ロシアが最も警戒する北大西洋条約機構(NATO)への加盟については「まず、NATOに対するソ連時代からの先入観を取り除くことが先だ」と語り、微妙なバランスを保とうとしている。
ポロシェンコ氏とプーチン大統領は6月6日、フランスでのノルマンディー上陸作戦70周年式典にともに出席する。世界が注目する初顔合わせになる。
(キエフ=石橋亮介、喜田尚)
http://www.asahi.com/articles/DA3S11165059.html
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