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ウクライナ東部ドネツクで26日、親ロシア派の武装集団が空港を制圧し、ウクライナ政府軍が奪還作戦を始めた。現地報道によると軍が親ロシア派を空爆した。25日の大統領選で親欧州派のポロシェンコ元外相(48)の当選が確実になるなか、攻防が激化している。
記者が26日昼、ドネツク空港に向かうと、複数の軍用機やヘリコプターが上空に飛来した。砲声や銃声が鳴り響いた。親ロシア派が地上から砲撃したとみられ、滑走路周辺からは黒煙が立ち上った。現地報道によると、軍は地上の親ロシア派を空爆したという。
同空港は市中心部から約10キロ離れた場所に位置し、国際線を持つ東部の拠点だ。交戦で、空港は閉鎖され、航空機が離着陸できない状態になっている。戦線が拡大すれば一般住民が巻き込まれる可能性がある。
ウクライナ当局幹部が朝日新聞に語ったところによると、同日午前3時ごろ、武装した親ロシア派の男たちが空港の敷地を占拠。軍は午後1時ごろから作戦に着手した。同3時現在、敷地内の旧ターミナル付近で戦闘が続いている。親ロシア派の地上からの激しい攻撃で軍は追加部隊を送り込めず、「苦戦を強いられている」という。(ドネツク=松尾一郎、渡辺志帆、キエフ=石橋亮介)
■突然向けられた銃口
現場の空港近くには、各国から取材に来ていた数十人の記者が集まっていた。銃声がしたため、一斉に走って逃げ、離れた茂みに待機。近くでは地元住民や親ロシア派の民兵もいて普通に立ち話をしていたが、戦闘開始から約2時間後に状況が一変した。
突然、機関銃同士で撃ち合う音が近くで鳴り響いた。記者たちは住民らと茂みの奥へ逃げた。ところが、今度は茂みの先にある住宅地付近からも乱射音が響いた。一緒にいた近くの企業の警備員らの助言に従って銃声を避けて移動。記者が雇っていたタクシーが待つ地点にたどり着いた。
ところが、そこへ親ロシア派とみられる数十人の戦闘員が茂みから飛び出てきた。次の瞬間、茂みに腹ばいになり、銃口を記者たちの方に一斉に向けた。一人がロシア語で逃げるように大声で忠告した。記者らは近くに止まっていた車の後部座席に飛び乗った。運転手の男性は戸惑った様子で車を走らせ、安全な場所で記者らを降ろした。
親ロシア派の武装勢力が占拠したウクライナ東部ドネツク郊外の国際空港周辺に26日、記者が入った。対空砲火の音と銃声が響く。東部の空の拠点は「戦場」と化していた。
正午過ぎに空港周辺に近づくと、私服と制服の警官が道路を封鎖していた。午後1時すぎ、上空に数機の軍用機が飛来。対空砲火の轟音(ごうおん)が響いた。旧ソ連製攻撃ヘリが低空で多数飛んできた。砲撃と機関銃の音が激しくなる。間もなく、空港の敷地内から大きな爆発音が聞こえ、黒煙が上がった。住民によると、政府軍のヘリが迎撃されるのが見えたという。
空港のそばで記者たちが集まっていた場所は、ちょうど親ロシア派の集合場所になっていたようだ。背中に携帯ロケット砲や機関銃、携帯ミサイルを担いだ数十人の男たちがバスや乗用車で続々と駆けつけていた。
攻勢を強める親ロシア派だが、今後孤立していく可能性もある。「後ろ盾」と期待するロシアのプーチン大統領は「ウクライナ国民の選択を尊重する」と語り、距離を置く構えを見せている。
資金繰りも厳しい。政府軍の制圧作戦が続く東部スラビャンスクでは、年金の未払いや武力衝突による住宅の破壊が相次ぎ、市民の不満の矛先は町を掌握する親ロシア派に向く。スラビャンスクの親ロシア派活動家は朝日新聞の取材に、「資金工面を請うため『ドネツク人民共和国』幹部を訪ねたが、金はもらえなかった」と不満をこぼす。
ただ、追い詰められた親ロシア派がさらに過激な行動に出る恐れもある。
http://digital.asahi.com/articles/ASG5V6QSRG5VUHBI047.html
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