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平成26年(H26)とH24に行われた都知事選での舛添・猪瀬両氏の地区得票分布(=地区得票数/全得票数)が奇妙に一致していることから、選挙機器ムサシによる不正選挙の証拠であると取り沙汰されている。確かに、あり得ない一致に見えるので、選管の公表データを解析してみた。結論として、この奇妙な一致は不正選挙の証拠にはならないと考えるので、その根拠について、初版では表が見られないなどの不手際があったので、本改訂版で改めて図表で説明する。
まず、次の表を見て欲しい。H11,H15,H19,H23,H24,H26の都知事選当選者の地区得票率(=地区得票数/地区有権者数)を全得票率(=全得票数/全有権者数)で除したものである。人口が2万人以下の町村部を除いて、地区得票率は10%〜20%程度のばらつきで全得票率と一致している。マスコミに洗脳される現代においては、当選候補者に対する都民の投票意識に顕著な地域差がないことは十分に考えられることである。
町村部以外の地区得票率はほぼ全得票率に等しく、地区得票数が地区有権者数に単純に比例するとすれば、地区有権者分布(=地区有権者数/全有権者数)の選挙年度毎の変動が小さい場合、地区得票分布の変動も小さいと考えられる。石原(H11),石原(H15),石原(H19),石原(H23),猪瀬(H24),舛添(H26)各氏の地区得票分布(実線)と地区有権者分布(破線)を下図で比較する。地区得票分布と地区有権者分布は予想通り良好な一致を示し、当選候補者に対する都民意の地域差が小さいことが分かる。
不正選挙の証拠とされるH26・H24の舛添(実線)・猪瀬(破線)両氏の地区得票分布を次の図に示す。両者の一致は、地区得票分布と地区有権者分布(H26・H24)よりも良好であり、H26・H24の地区有権者分布はほぼ一致しているので、H26・H24の都民意がほとんど変動していないことが見てとれる。
結論として、H26・H24の舛添・猪瀬両氏の地区得票分布の一致は、当選候補者に対する都民の投票意識の地域差と地区有権者分布の変動が小さいことで説明できること、選挙機器ムサシの導入開始(H13)から本格導入(H26)までの地区得票分布に不自然な増減が見られないことから、都知事選H26・H24の地区得票分布の一致を不正選挙の証拠とすることには無理がある。
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