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2015年1月15日
2015年度の政府予算案(一般会計予算案)が閣議決定された。
消費税再増税は先送りされたが、全体としては緊縮予算である。
特徴として言えることは、大企業に優しく、庶民に厳しいということだ。
2015年度の税収見積もりは54.5兆円である。
国税収入の三大税目は
所得税、法人税、消費税
であるが、2015年度は
所得税 16.4兆円
法人税 11.0兆円
消費税 17.1兆円
が見積もられている。
遂に、消費税が主要税目中の最大税目になる。
史上最高益を更新する企業に負担を求める法人税は11.0兆円。
1989年度のピーク19.0兆円の半分強の水準である。
大資本の優しく、一般庶民に冷酷であるのが安倍政権。
これは、歳入面だけの話ではない。
歳出面では軍事費が史上最大の5.0兆円に拡張される。
一方で、社会保障支出は手当たり次第に切り込まれる。
介護報酬が切り下げられ、生活保護が圧縮される。
年金支給額の増加は物価上昇にはるかに及ばず、実質的に切り下げられる。
8月以降は、介護保険の利用料率が2倍に引き上げられることになる。
まさに、
「弱肉強食、この道しかない」
という予算編成になっている。
「弱肉強食」は地獄絵図である。
自然界の弱肉強食は神の摂理の下に調和が保たれているが、人間界の弱肉強食に調和はない。
際限のない強欲の追求。
際限のない残酷の拡大が広がる。
安倍政権は地方創生を謳うが、人々の暮らしの底辺を引き上げることなくして、地方の再生はあり得ない。
少子化、高齢化が深刻な状況を示しているが、少子化、高齢化の最大の原因は、「弱肉強食推進」の経済政策にある。
経済力のある者が負担して、社会のすべての人の生活の安定化を図らなければ、社会全体に活力は生まれてこない。
安心して結婚し、出産できる環境が整わずに、少子化の問題が改善されるはずがないのだ。
私たちには選択肢がある。
米国流の弱肉強食社会を目指すのか。
それとも、北欧流の福祉社会を目指すのか。
選択肢はひとつに限られていないのだ。
2001年に発足した小泉純一郎政権以降、米国流の弱肉強食社会を目指す政治運営が急激に強まった。
2008年末の年越し派遣村の現実が、人々を覚醒させるかに見えた。
一時は、鳩山政権が誕生して、時計の振り子が大きく回帰するかに思われた。
ところが、それも束の間、一転して、大反動が始まっているのである。
選挙で、4分の1の民意が国会議席の7割を占める状況が生じていることが災いしている。
そして、安倍政権は、虐げられる民を分断して統治する手法を用いている。
生活保護などを攻撃する層は、決して富裕層ではないのである。
虐げられている下流層が、生活保護層を攻撃するように仕向け、弱肉強食社会への流れが是認されるように誘導しているのだ。
事態を是正するには、主権者が覚醒する必要がある。
日本は米国流の弱肉強食社会ではなく、北欧流の福祉社会を目指すべきだ。
ハゲタカ、ハイエナ、シロアリ利権を排除すれば、日本でも福祉社会を実現することが可能になる。
この未来像を前面に掲げる主権者政党の確立が求められる。
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