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『みのもんた十八番勝負 おもいッきり対談集』(日本テレビ放送網)
みのもんたは護憲派だった! “お友達”安倍首相の改憲の動きを真っ向批判!
http://lite-ra.com/2015/01/post-788.html
2015.01.15. リテラ
先日、本サイトではみのもんたが自著『敗者の報道』(TAC出版刊)を出版し、その中で次男の窃盗未遂事件について“不当逮捕”を主張していることを報じた。
http://lite-ra.com/2015/01/post-774.html
だが、この『敗者の報道』にはもうひとつ、みのが熱く主張していることがある。それは、平和憲法への思いだ。みのはこう語っている。
「素晴らしい条文ではありませんか。
この第9条を含む日本国憲法を他国からのお仕着せであり、真の自主憲法ではないかとする政治家の意見もあります。おかしな話です。事実、日本という国はこの第9条のおかげでこれまで数々の紛争に巻き込まれる事なく無事にこれたはず。
お仕着せ? けっこうじゃありませんか。いったいそれのどこに不都合があるのです? 集団的自衛権? あらたな憲法解釈? ナンセンス! もっと言えば特定秘密保護法など、まるで戦前への先祖返り以外のなにものでもないでしょう(略)。
僕たちが見つめているかぎり、政治の暴走はかならず食い止められます。二度と戦争をしない! 二度と国家の暴走を許さない! 信じましょう、自分たちの力を」
みのの口からこんな真っ当な護憲論が飛び出すとは……。しかも、集団的自衛権に特定秘密保護法と、安倍政権の戦争政策にも真っ向から異を唱えているのだ。いや、たんなる権力志向の強いオッサンかと思っていたが、なかなかいいところあるじゃないか、見直した!と感心しながら読んでいたのだが、次の瞬間、こんな事実を思い出した。
あれ? みのって、安倍首相とかなり親しくて、第一次政権の時は頻繁に安倍首相と会食していたんじゃなかったっけ? 『朝ズバッ!』(TBS系)でもいつも擁護的だったし、安倍首相が辞任した当日、みのに直接電話をかけ、号泣したという報道もあったぞ……。
それがなぜ、ここにきて、安倍批判・日本国憲法擁護なのか。テレビ関係者の間ではこんな見立てが広がっている。
「次男の逮捕以降、あれだけ親しかった安倍首相から冷たくされ、逆ギレ。反安倍に回ったんじゃないかといわれていますね」
しかし、これはちょっとうがちすぎだろう。実はみのは次男の逮捕以前から、憲法改正や集団的自衛権については一貫して反対の立場を表明している。たとえば、『みのもんたのサンデーずばッと』(TBS系)では、集団的自衛権を「アメリカへの武力攻撃に対し、日本が直接攻撃されていないのに、実力をもって阻止する権利」と説明し、集団的自衛権はアメリカの戦争に加担することだと主張した。第一次政権のときも、安倍には擁護的だったが、一方で、憲法については「9条は素晴らしい」「戦争はいやだ」「自衛隊を軍隊にしてほしくない」とコメントしていた。
意外だが、調べてみると、どうも、みのはもともと護憲派らしいのだ。実際、著書『敗者の報道』でも、自分の平和への思いのルーツを語っている。
ひとつは沖縄での経験。昭和40年代はじめ、まだ沖縄が米軍統治の時代にみのは仕事で沖縄を訪れている。寝泊まりはとある民家で、夜間外出は危険だったためその家のおばあさんの手料理をつまみに泡盛を飲んだ。
家庭的歓待を受けたみのは再び沖縄を訪れ、民家を訪ねた。そして前回から気になっていた主人の首の傷跡について思い切って質問してみたという。
口を濁した主人だが、それでも小学生時代の戦争体験を語りだした。主人が武器や弾薬を運ぶ手伝いをしていたため、日本兵と北部の山に逃げたときのことだ。
「敵が迫ってきたら、兵隊さんに『足手まといだから死ね』と言われた」
しかし子どもの主人には自決の方法がわからない。
「それで木に絡まっていた蔦を首に巻いた。ロープの代わりにして、首吊りをしようとしたんだけど蔦だからうまく結わえなくて。だから擦れて火傷になった。だけどぼくは死ねなかった…」
この主人との交流がきっかけでみのは毎年のように“摩文仁の丘”を訪れることとなる。辺野古にも足を運んだ。そのたびに、みのは沖縄、そして平和への思いを新たにしていたという。
そして、みのに戦争反対の意志を強くさせたもうひとつの理由が母親の言葉だった。昭和19年7月、みのが生まれる1カ月前に3歳だった兄が亡くなった。その通夜の席に父親への召集令状が届いたのだ。母親はこの出来事を後にみのに繰り返し語ったという。
「『はじめて授かった長男が3つで死んで、そのお通夜の席に夫の召集令状が届いた。ふつうに考えれば気の毒なことでしょう? なのにみんなが万歳した』(略)それから僕をお腹に抱えた身重の母は、途方に暮れ、ただ国を呪ったといいます」
その後、父親は戦地から無事に戻ったが、母親の戦争に対する怒りは終生変わらなかった。そしてみのはその思いを受け継いだという。
「戦争への嫌悪も人一倍かもしれません。もしかすると、僕は母の胎内にいたあの兄の亡くなった夜、すでにそれを受け継いでいたかもしれません」
もう、ここまできたらみのを信じよう。少なくとも、護憲派で集団的自衛権にも秘密保護法にも反対! それをここまで明確に表明してくれるキャスターは、今の日本にはほとんどいないのだ。加えてみのは以前から一貫して原発再稼働に反対している(そのため次男の事件も原発推進派の陰謀説が取りざたされたほどだ)。多少の態度の尊大さや言動のウザさには目をつぶって、みのの思いを支持すべきだろう。
みのは『敗者の報道』発売のために開いた記者会見で「今の報道番組は大変、品格のある番組になっていますが、つまらない、冒険心がないと感じます。もう少しハラハラするような報道の運び方をしてくれないかなと」と現在の報道番組に対する批判とも思える言葉を口にしている。さらに、復帰についても聞かれ「報道番組をやりたい」と意欲を示した。
そして、『報道ステーション』(テレビ朝日系)の後釜を狙っているという噂もささやかれ、前回、紹介したように「アサ芸プラス」の連載では「どうも、来年3月の第3週から『報道ステーション』の司会を古舘くんに代わってやらせていただくことになりました、みのもんたでございます」などというギャグもとばしているほどだ。
「報ステ」後釜はともかくとして、ここはいっそ、みのに新しい報道番組をやってもらったらどうだろう。反権力、護憲、反原発をみの節で語る報道番組……。いや、護憲リベラルのイメージが悪くなるから、それはやっぱりやめてもらったほうがいいか。
(伊勢崎馨)
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