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マスコミのあきれる不見識、NHKの政治批判封殺体質 籾井会長は爆問とサザン徹底批判[ビジネスジャーナル]
http://www.asyura2.com/14/senkyo177/msg/885.html
投稿者 ニュース侍 日時 2015 年 1 月 15 日 05:35:13: MidD7QyBIEdXI
 

マスコミのあきれる不見識、NHKの政治批判封殺体質 籾井会長は爆問とサザン徹底批判
http://biz-journal.jp/2015/01/post_8589.html

 1月7日、フランスの週刊新聞シャルリー・エブドの本社にテロリストが押し入りジャーナリストなど12名を殺害した事件については、日本のメディアも連日大きく扱っている。1月9日付毎日新聞社説では「『表現の自由』か『宗教への冒とく』かという問題はあるにせよ、暴力は断じて許されない」、同日付読売新聞社説では「言論機関を標的にした残忍、冷酷なテロである。断じて許されない」などと述べており、一様に厳しくテロを批判し、さらにフランスの市民が「Je suis Charlie(私はシャルリー)」というプラカードを掲げ、犠牲になった風刺新聞への連帯の意を示す動向も肯定的に報じている。

 しかし、2005年の「ムハンマド風刺画問題」(デンマーク最大の発行部数を誇る高級紙ユランズ・ポステンに掲載されたムハンマドの風刺画に対してイスラム世界が反発し、デンマーク大使館にデモ隊が押し寄せ、大使を召還し、不買運動を起こすなどの騒動となり、欧州とイスラムとの間の緊張が高まった事件)の際の日本の新聞の論調は、これとは対照的だった。

 例えば、06年2月28日付読売新聞の『編集手帳』では「暴力で表現の自由を脅かすのは沙汰の限りだが、信仰を侮辱すること以外にほとんど意味のない風刺画が、〔人の心の〕『傷』を入念に測った上の表現であったかどうか、掲載したメディアは静かに自問すべきだろう」と述べ、また、同年2月10日付毎日新聞は社として次のような声明を出している。「毎日新聞は以下の理由から、預言者ムハンマドの風刺漫画を掲載しません。これを掲載した欧州諸国の新聞は『表現の自由』『言論の自由』を盾にとっています。しかし表現の自由は節度を伴わなければならず、言論の自由は良識の裏付けが必要だと判断するからです」

 また、13年の「カナール・アンシェネ風刺画問題」(シャルリー同様、辛辣な社会風刺で知られるフランスの週刊新聞カナール・アンシェネが原発事故と日本サッカーを絡めた風刺画を掲載した事件)の際も日本の新聞各紙は、日本政府(菅義偉官房長官)の「東日本大震災で被災した方々の気持ちを傷つけ、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水問題に誤った印象を与える不適切な報道で、大変遺憾である」との見解におおむね追随し、13年10月14日付東京新聞が『仏流風刺 摩擦相次ぐ:福島やイスラム教の絵「笑えない」』といったタイトルを掲げるなど、フランスの風刺新聞に厳しい論評を加えるものも見られた。

●社会風刺について腰が定まらない日本のメディア

 これをどう読み解いたらいいのだろうか。「ヨーロッパのイスラム風刺は『表現の自由』による保護に値しない、いわゆる『やりすぎ』であるが、それでもテロ行為に及んで人を殺傷することは許されない」というのが、日本のメディアの風刺に対する見解なのだろうか。しかしそれなら、「私はシャルリー」というフランス市民の声は危険を助長するものとして、もう少し批判的に報じるべきではないのか。それとも、ムハンマド問題の時と今回とでは、日本のメディアの風刺表現の自由に対する考えが変わったと見ていいのか。あるいは、今回の事件が「北朝鮮指導者風刺映画問題」の直後だったため、その問題とは一転した風刺表現論を展開しにくかったのだろうか。

 なんにせよ欧州、特にフランスのメディアと比較したときの、日本のメディアの「風刺表現の自由」観の腰の定まらなさが際立っている。いうまでもなく、表現の自由も含む人権とは社会秩序あっての自由ではなく、むしろ社会秩序は人権保護のために形成されるべきものなのだが、日本では社会や国家の利益を至上のものとする考え方が良識としてまかり通っている一方で、自分たちを先進民主主義国と妄信しているため、今回のような事件が起きると欧米のメディアや市民の動向がわけのわからないものになってしまうのではないだろうか。

 1月10日付朝日新聞の記事によると、フランスの新聞リベラシオンは生き残ったシャルリー紙編集部のために社屋のワンフロアを無期限で提供し、放送局カナル・プリュス、ル・モンド紙なども支援を申し出ているというが、自らを危険にさらしてまで「過激」で「やりすぎ」の風刺紙を支えようとする信念とはなんなのか、日本のメディアももう少し突き詰めて考えてもらいたいものである。

 折も折、NHKが正月番組における爆笑問題の政治ネタを封印したことが報じられ、また昨年末の同局の紅白歌合戦におけるサザンオールスターズの政治風刺パフォーマンスも物議を醸している。同局の籾井勝人会長は、1月8日の定例記者会見で、前者について「公共放送で視聴者もいろんな方がいる。ギャグで、ある個人に対して打撃を与えているつもりかもしれないが、私は品性がないと思う」と批判し、後者については「そもそもサザンの歌って『わーわーわー』って歌じゃないですか。言葉よりも、リズムと激しい歌い方が持ち味ですから」との見解を述べたが、文化を担うべき公共放送のトップの風刺に対する無理解をなぜ、メディアはもっと取り上げて批判しないのだろうか。学者よろしく「イスラム世界対欧米の摩擦」などと大きなことを論じる前に、まずは「表現の自由」の担い手であるはずの我が身の腰の定まらなさを反省すべきではないだろうか。
(文=大石泰彦/青山学院大学法学部教授)

[ビジネスジャーナル 2015/1/15]  

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