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秘密保護法が嫌われる理由・・・民主主義の土台の問題
http://takedanet.com/archives/1017528237.html
2015年01月13日 武田邦彦(中部大学)
秘密保護法の評判が悪い。日本も堂々たる国だから、秘密を保護する必要があることは多くの国民が分かっている。でも、評判が悪い。その理由は二つある。
一つは、「法律」というのは国民が合意してつくり、それを国会で決めて政府がみんなを守らせるという役割分担なのだが、秘密保護法は最初から秘密会議(民主党時代)で、内容が密室だったことにある。だから国民はこの法律は「主人である国民を、公僕である政府が罰しようとしている」と受け取った。
第二は出来上がった法律の内容に合理性がないことだ。色々な欠点が指摘されているが、まず「何を秘密にするか」というのを決定するのも官僚、それを監視するのも官僚という出来レースになっていること、第二に秘密を保持する期間が「秘密にする必要がなくても秘密にすることができる」という奇妙なことになっている。
たとえばアメリカとの間の秘密がアメリカで公表されても日本は公表しないというようなことが法律にあるので、それはおかしいということになる。
中国とのいざこざがあった海上保安庁の巡視船の衝突事件の時に、当時の民主党政権の処理は、まさに「国民には知らせない」という事の一点張りだった。その経験をしている国民は、さらにそれが強化されるのだから疑問を持つのは当然でもある。
私の知り合いのフランスの憲法学者が半年ほど日本の学生に憲法を教えたとき、「話が合わなかった」と嘆いておられた。その先生は「驚くべきことに日本の学生は憲法は政府が決めると思っていたのです」と言われた。憲法が占領軍ではなく、政府が決めて国民が守らされると思っているというのだ。
もともと法律というのは、国民の合意であり、政府はそれを国民からの委託を受けて守らせる仕事をするのであって、政府は行政府だから法律を作ることはしない。ところが日本では代議士が立法能力がないので、官庁が審議会等を開いて法律を作る。つまり代議士でもない人が法律を作るので、どうしても「お上のご命令」という封建時代の感覚になってしまうのだ。
私は一つ提案したい。それは「日本は民主主義で行く」と決めることと思う。民主主義とは、どんな時でも一人一人の国民が「最上位」であり、教育や知識がないとか、ニートだからとかではなく、「人」を最上位に置くことと、それと合わせて、国民が「最上位の人」として行動することを求める文化である。世界で日本だけが可能と思う。
たとえば、選挙の投票率が低い場合、「投票に行きましょう」と呼びかけることが出来る人はいないはずだ。民主主義では投票権のある人が「最上位」なので、最上位の人が選挙に行かないのは、その本人が「悪い」のではなく、「選挙制度か政治に問題がある」と考えることだろう。これが「国民が最上位」だ。
また同時にJR東日本が記念カードを販売した時に、人が集まりすぎて混乱したという事件があったが、整然とカードを買わなかった「集まった人=最上位」に問題があり、それより下位のJR東日本には問題がないとする。これも新聞はあたかもJRが集まった人より上位なので、整理しなければならないという記事が多かったが、記者の意識改革が必要だ。
つまり、「最上位にいる一人の人」=「普通の日本人、茶髪のニートの若者」の方が「どんな偉そうな組織」より上にあるという考えを徹底することによって日本に真なる民主主義が誕生し、ひとりひとりの国民が責任を持つようになり、世界の模範となることができるだろう。
そうなると秘密保護法も最上位の国民がどのように考えるかが最初になるので、秘密会などはありえず、基本がオープンな議論で決まったあと、詳細は国の利益にそって秘密会で決めていけば良い。
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