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「「秘密保護法と集団的自衛権は『混ぜると危険』です」藤田早苗氏インタビュー:岩上安身氏」
http://www.asyura2.com/14/senkyo177/msg/790.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 1 月 12 日 21:00:05: igsppGRN/E9PQ
 

「「秘密保護法と集団的自衛権は『混ぜると危険』です」藤田早苗氏インタビュー:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/16345.html
2015/1/12 晴耕雨読


https://twitter.com/iwakamiyasumi

1月6日(火)午後6時より、IWJ事務所にて、岩上安身による英エセックス大学人権センター・フェロー 藤田早苗氏インタビューを行ないました。

以下にその模様を実況ツイートいたします。

岩上「著しく国民の人権を制限する特定秘密保護法には全国的な批判があったのですが、政府は馬耳東風で、昨年12月の施行に結びつけることとなりました。藤田さんには、2014年の1年間を振り返りつつ、ご自身の活動についてお聞かせいただきたいと思います」

藤田氏「1948年、国連人権宣言が採択された記念すべき12月10日という日、特定秘密保護法という人権を抑圧する法律が、ついに施行されました。エセックス大学の同僚は『なんて皮肉でしょう』と笑っていましたが」

岩上「海外からは警戒心をもって見つめられているのではないでしょうか。平和国家のイメージが損なわれつつあるというような」

藤田氏「隣に北朝鮮や中国があるので、もともと日本にはいいイメージがあったのですがやっていることはだんだん中国に似てきています」

藤田氏「秘密保護法と集団的自衛権は『混ぜると危険』です」

岩上「特定秘密保護法に反対する人の中でも、原発に関する重要な情報が遮断されるという一点に絞って批判する人がいますが、特定秘密保護法とは本質的には軍機保護法です」

藤田氏「戦争は秘密から始まる、というのは真実です。メディアは歪曲し、『憲法を変えやすくするのは良いことだ』と言っていますが、少し学べば、憲法改正の手続きを変えるということが、いかに本質からかけ離れているかが分かります。それを伝えていかなければ」

岩上「改憲実現後、民主主義国家の隊列から離脱することになります。第二次大戦において、国連のなかの敵国条項の対象国であった日本は、小林節慶応大学名誉教授が言うように『保護観察中の身』です。いかにも敵国条項が無化されているようなふりをしていますが」

岩上「米国がどんなやくざなことをしたとしても、一の子分で居続けられれば、中国に勝ち、戦勝国になって、自分たちは敵国条項を逃れられる、と考えているのかもしれませんが、それは甘い、と思います。米国は、日本による歴史修正について、OKと言っていません」

藤田氏「改憲案自体が人権条約違反です。無条件に禁止すべき拷問を、時々OKと」

岩上「自民党単独で3分の2の議席を獲得することはできなかった昨年12月の衆議院総選挙ですが、正月から改憲が前面に押し出されています。歴史認識については安倍談話を出すと」

岩上「また、集団的自衛権関連の、戦争遂行のための法を18本出そうとしています」

藤田氏「自民党から各放送局の報道局長に宛てて送られた『公平中立・公平な報道のお願い』文書ですが、英国では考えられないこと。日本の各メディアに効果を及ぼしてしまった」

岩上「今、メディアは皆、萎縮しています。その前にあったのは、朝日の袋叩きです。あんなふうに叩かれたくないと。読売一社あれば、朝日と毎日はいらない、と」

藤田氏「みなさん、IWJを見ないと。日本に帰ってきて、人々の反応を見てショックを受けます」

岩上「その人たちは、本当に安心で満足した生活を送っているわけではなく、ただ知らされない、考えない、見ないことによって、自分たちの置かれている状況を錯覚して日々を過ごしているのでしょう」

岩上「国境なき記者団調査による『報道の自由度ランキング』を見ると、安倍政権になって日本の報道自由度は急激に下落。日本のメディアの気骨のなさは情けない。自民党は未だに会見をオープンにせず、何度もアタックをかけていますが、我々IWJは入れません」

岩上「前回の衆院選で、テレビに出演した安倍首相は、都合の悪い質問になると耳が聞こえなくなるんです。小泉進次郎氏も、原発の質問をされた時、(イヤホンを調整する仕草をしながら)『あれ、聞こえない』と見え透いたことを平気で言い、メディアも指摘しない」

藤田氏「批判されることが怖いのでしょうか」

岩上「怖いという弱々しい態度ではなく、怒るんですよ、すぐキレ、圧力をかける。他方、メディアの経営陣や編集トップとは馴れ合いです」

藤田氏「市民の側に立つものがメディアの使命だという常識が忘れられ、日本人のメディア・リテラシーも本当に弱いと思います。メディアの問題もありますが、それを見る人にも問題があります」

藤田氏「カナダにはメディア・リテラシーを学ぶ授業があり、プロパガンダを読み解くことを学ぶようです」

岩上「あの権力にべったりのNHKの紅白歌合戦で、サザンオールスターズの桑田佳祐氏が“ちょび髭”をつけて『ピースとハイライト』を歌い、話題中です」

岩上「『一年に一回の娯楽を、あなたは台無しにするんですか』と批判する人もいましたが、娯楽がそんなに大切なものでしょうか。アートとか、アーティストというのなら、本当に表現すべきことがあるのはないでしょうか」

岩上「年末年始の間、行政が、宮下公園などの3つの公園のホームレスの方々を排除するということがありました。わざわざ東大の先生が、『(公園に集まったホームレスの人々のせいで)近所の人はいい迷惑だ』というようなことを書いたのです。これは凄まじいこと」

岩上「かつては落ちこぼれていく人を生み出さない社会にしようとしていたはず。ものすごい勢いでそれがほころび始めています。竹中平蔵氏の『正社員をなくせばいい』という発言は、全体のパイが増えないのなら、自分たちの取り分のみを膨らませる、ということ」

岩上「日本には諦め感が漂っています。時々、私のところにメールが来ます。『岩上さんはいつもいつも前を向いていますね』と。シニシズム、ニヒリズムが蔓延し、『勝算はありますか?』と言う人も。勝てる、勝てないではなく、やるしかないんだと考えています」

藤田氏「市民活動やNGOの人でも、ずっと負け続け、伸びたゴムのようになっている人を見たことがあります。しかし、私の恩師が『今の活動が、5年後、10年後に結果が出るものでは』といったことがありました。今すぐには結果が出ないこともあるのでしょう」

岩上「我々はすぐにリターンを求めてしまいますが、自分の生きている間にリターンがあるとは限らないし、自分にリターンがあるとも限らないのです。山に木を植えていくようなものではないでしょうか」

藤田氏「ある情報の公開により、損害が生じる危険性があったとしても、その情報を公開することによる公共の利益のほうが大きい場合は、公開しなければならないとされています。情報を所持する機関ではなく、第三者である独立機関がその判断をします」

岩上「パニックが起きるから公開しない、ということが言われることがありますが、それでは、あらゆる非常時に、死活的に重要な情報を公開しないということになってしまいます。パニックは起きるかもしれないが、原則的に公開し、安全な避難対策を示すというべき」

藤田氏「国連自由権規約委員会の『反逆罪法及び国の安全に関する類似の規定』について、『国の安全を脅かさない正当な公益に関する情報公開を抑圧もしくは差し控えるために、又は、そのような情報を発信したことを根拠に、ジャーナリストや、研究者、環境保全活動家、人権擁護者その他の者を起訴するために、当該法律を発動することは第3項とは両立しない」

日本を含め、締約国はこれを実施していかなければ」

岩上「藤田さんや私みたいな人は弾圧してはいけない、と言っているわけですよね」

藤田氏「日本の秘密保護法は、起草過程がまったくなっていませんでした。例えば、南アフリカ共和国では3年ぐらいかけて、プロセスを透明化し、専門家、NGOとの意見交換し、改善させたと言われています。日本では2週間で9万件以上のパブコメがありました」

岩上「それらを黙殺したようなものですよね。研究者、市民、ジャーナリストの声を聞かず、欠陥を抱えたまま、施行にまで至ってしまいました」

藤田氏「また、秘密の指定が曖昧で、『特定有害活動』とは何なのか? はっきりしていません」

岩上「『テロリズムの防止』ということも特定秘密保護法の別表には挙げられていますが、深刻な人権侵害があった場合、レジスタンスが立ち上がるかもしれません。抵抗権を行使した場合、テロリスト扱い、となるかもしれません」

藤田氏「日本は人権条約に批准しています。人権条約に反する国内法は改定・廃止しなくてはいけないのです。国連の人権の専門家の方々が、人権スタンダードの観点から見て日本の特定秘密保護法に問題がある、と声を挙げています」

岩上「自民党の議員から反発が上がり、『何様だ』と言い、在野のネトウヨたちがはやし立てています。本当に洒落にならない状況です」

藤田氏「表現の自由に関する国連特別報告者、フランク・ラ・ルー氏の声明では、『秘密を特定する根拠が極めて広範囲であいまいだ』、『内部告発者、そして秘密を報道するジャーナリストにさえも重大な脅威をはらんでいる』。日本は『勘違いだ』と言いましたが」

岩上「みんなに伝え、日本の状況を国連に伝えるという伝書鳩のような藤田さんの動きこそ、人権規約の原則に忠実に従った権利行使、普遍的な行動と言えるのでしょうね」

藤田氏「世界を見れば、そういう人たちはいるんですよ。日本のマスコミにはいなくても」

藤田氏「国連人権高等弁務官のナビ・ピレイ氏は、2013年12月3日のプレスカンファレンスで、『何が秘密を構成するかなど、いくつかの概念が充分明確になっていない』などと、大変厳しいことを発言しています。これに対しても国会では反発がありました」

藤田氏「『そんなことを言うなんて、高等弁務官失格だ』、『国連への拠出金を止めてしまえ』と言って。政府側はピレイ氏に直接怒鳴りこみに言ったと知人筋から聞いています」

岩上「そんなことから、『日本はおかしくなった』という評判が国際社会に拡散する」

藤田氏「2014年7月のジュネーブで国連自由権規約委員会による日本報告書審査で、最重要課題として、秘密保護法とヘイトスピーチを挙げました。最終見解でも秘密の範囲や萎縮効果のある重い刑罰について指摘されました」

藤田氏「ロドリー議長は、『何度も同じ勧告を受けて改善しない』、『資源の無駄遣いである』、『日本は国際社会に対して反抗しているように見える』、『厳しい勧告が出ても驚かないように』とコメントした。実際にお会いしてもいらだっているのが分かりました」

藤田氏「『日本政府が慰安婦は強制性がなかったということを再確認』と言った時に、会議場に来ていた在特会の人による拍手がありました」

岩上「国際社会から見れば、在特会と日本政府が手を携えあっているようにしか見えないのでしょうね」

藤田氏「特定秘密保護法の問題において、ブロガーはどうなるのか、という問題があります。国連の自由権規約委員会による『ジャーナリスト』の定義には、『ブロガーや印刷物、インターネットやその他の方法で自己出版に従事する人たちも含まれる』とあります」

藤田氏「特定秘密保護法運用基準へのパブコメには、沖縄返還問題を担った政治学者・モートン・ハルペリン氏によるものも含む3000件が提出されました。施行されてしまった今後、国連を使って何ができるのか、を考えています」

藤田氏「『個人通報制度』は、国内救済手続きを尽くした後、国連人権条約機関に訴えることができるというもの。『表現の自由、情報にアクセスする権利』に関し、情報不開示への不服も認められますが、G8では唯一、日本はこれを一つも批准しておらず、使えない」

岩上「なんとか救済の手立てはないのでしょうか」

藤田氏「民主党政権時代には、マニフェストに盛り込まれていましたが、現在の自民党ではまったくやる気がなく、考えられないことです」

以上でこの報告ツイートを終わります。IWJの活動は市民の皆様によって支えられております。この機会にぜひ会員登録をいただき、ご支援よろしくお願いします。 http://iwj.co.jp/join/ @iwakamiyasumi


 

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