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2015年01月12日 板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」
◆佐賀県知事選挙が1月11日行われ、投開票の結果、元総務省過疎対策室長の山口祥義候補(49)が、自公が推薦した前武雄市長の樋渡啓祐候補(45)=元総務省大臣官房秘書課課長補佐を破って初当選。自民党は、滋賀、沖縄に続き、知事選に3連敗し、安倍晋三首相が「改革断行国会」と位置付ける次期通常国会の出鼻が挫かれた。
各候補者の得票は、以下の通りである。
山口祥義候補18万2795票
樋渡啓祐候補14万3720票
島谷幸宏候補 3万2844票
飯盛良隆候補 6951票
今回の佐賀県知事選挙は、古川康前知事(1958年7月15日生まれ)が突然、知事職(佐賀県知事任期2003年4月23日〜2014年11月25日、当選3回)をぶん投げ、総選挙(2014年12月14日投開票)に出馬して初当選したことから、急遽行われることになった。
樋渡啓祐候補は古川康衆院議員の総務省の後輩であり、後継指名して禅譲された。古川康衆院議員は、知事を辞める直前、佐賀空港へのオスプレイ受け入れに前向きな発言をし、樋渡啓祐候補は、「前知事の発言を重く受け止める」と明言していた。
地元は当然反発した。農業を営む飯盛良隆(44)、前武雄市長の樋渡啓祐(45)=自民、公明推薦=元総務官僚の山口祥義(49)、九大大学院教授の島谷幸宏(59)の4人が、いずれも無所属の新人として立候補した。
自民・公明連立与党は、市立図書館の運営を民間会社に委託した樋渡啓祐候補の手腕を評価し、農協改革にも積極的なところに目をつけて推薦した。
これに対して、安倍晋三首相の強い意向を反映した自民党本部主導・地域無視による「トップダウン型」の独裁的政治手法に一部の自民党県議らが大反発し、山口祥義候補を擁立し、県農政協も支援に回った。すなわち、地元の多くの首長や県議、農協、有明海漁協などは山口祥義候補支援を表明し、「中央対地方の戦いだ」と訴えていた。このため、自民党県議団を二分する保守分裂選挙となってしまい、自民党本部推薦候補と農協の政治団体「県農政協議会」が推す対抗馬がぶつかる構図の選挙戦となり、樋渡啓祐候補は、思わぬ苦戦を強いられた。それは、樋渡啓祐候補の身から出たサビでもあった。「敵と味方を峻別し、敵にはブログなどで徹底的に攻撃する」のが最大最悪な特徴で、「佐賀の橋下徹」と呼ばれるほど、攻撃的で、敵が多すぎた。樋渡啓祐候補は、最年少市長に当選すると、市立の武雄図書館にTSUTAYAやスタバを入れて、来場者を100万人に増やしたことが大評判になったけれど、その陰で、子供用スペースが潰されたことを恨む市民を多数生んでしまっていた。
◆農協の支援を受けた山口祥義候補が初当選した選挙結果は、安倍晋三首相が、「岩盤規制」改革の一環として推進する農協改革にも当然大きな影響を与えることが予想される。
安倍晋三首相は、1月26日召集の通常国会を「改革断行国会」と位置付けており、西川公也農林水産相は、全国農業協同組合中央会(JA全中)が各農協に対して持つ監査権限を全廃する考えをはっきり表明している。このため、農協改革をめぐっては、先の衆院選前から政府・自民党とJA全中の神経戦が続いている最中の佐賀県知事選挙だった。それだけに安倍晋三首相は、必死だった。
安倍晋三首相は、知事選に閣僚や党幹部を相次いで投入した勝利を目指した。2014年12月28日の菅義偉官房長官に始まり、年明けの1月5日には自民党の谷垣禎一幹事長、7日には公明党の太田昭宏国土交通相が現地入りして、樋渡啓祐候補を応援、支援した。「自民党は中央から大物を送り込めば勝てる」と思っていたようであった。総選挙に大圧勝したことで、すっかり奢っていたのである。
しかし、これほど大掛かりな支援態勢にもかかわらず敗北してしまったので、農協改革がつまずくばかりでなく、4月の統一地方選挙への影響も避けられない情勢となった。そうなれば、「改革断行国会」も間違いなく大打撃を受ける。
自民党県連の分裂は、否応なく国会議員にも及んでいて、今村雅弘衆院議員は1月8日、佐賀市内で開かれた山口祥義候補の総決起大会に出席した。この日、樋渡事務所を訪れた茂木敏充選対委員長は記者団に対して「統一地方選も近いから県連として一本になれる努力をしたい」と語っており、身内同士の選挙戦のしこりが尾を引かないように配慮して「選挙後は亀裂修復に努める」と強調していたという。自民党独自の世論調査の結果から敗北を予感していたのであろう。
◆ところが、安倍晋三首相は、現場の苦戦を横目に、応援演説にも駆け付けることもなく、新春早々から「ゴルフ三昧」にうつつを抜かしていた。産経ニュースは、「首相『晴れ渡った一年に』経団連会長らとゴルフ 賃上げについては・・・」という見出しをつけて、次のように報じていた。
「安倍晋三首相は3日、池田勇人元首相、大衡正芳元首相のように神奈川県茅ケ崎市で経団連の榊原定征(さだゆき)会長、御手洗冨士夫名誉会長らと今年初めてのゴルフを楽しんだ。ホール移動の合間に記者団から今年の抱負を問われると、『今日の天気のような晴れ渡った一年にしたい』と語った。首相は、経済の好循環を促すため経済界に賃上げを重ねて求めており、今回のゴルフもその一環とみられる。記者団から『今年も賃上げは実現できそうか』と問われると、榊原氏らの方を向き『皆さんに聞いて』と笑顔でかわした。ゴルフは昨年12月21日に同じコースでプレーして以来。首相は5日に三重県伊勢市の伊勢神宮を参拝し、同市で年頭記者会見に臨む」
安倍晋三首相は、休日に読書したり、沈思黙考したり、国家の行く末にかかわる「策按」にふけるなど、「高尚な趣味」を持ち合わせてはいないらしい。
【参考引用】時事通信が1月11日午前0時6分、「首相動静(1月10日)」を配信した。
午前7時15分、公邸発。
午前8時45分、神奈川県箱根町のゴルフ場「大箱根カントリークラブ」着。世耕弘成官房副長官、飯田産業の森和彦会長、兼井雅史社長らとゴルフ。
午後3時51分、同所発。
午後4時15分、静岡県御殿場市の祖父岸信介元首相の旧私邸「東山旧岸邸」着。同32分、同所発。
午後5時19分、山梨県鳴沢村の別荘着。
午後5時54分、別荘発。
午後6時3分、同県富士河口湖町の中国料理店「異彩中国菜館 湖宮」着。世耕官房副長官、母親の洋子さんらと食事。
午後7時58分、同所発。
午後8時8分、別荘着。
11日午前0時現在、別荘。来客なし。
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