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2015年01月11日
古村治彦です。
2015年1月18日に民主党代表選が行われます。岡田克也元代表、細野豪志元幹事長、長妻昭元厚生労働相の3氏が立候補しています。岡田氏と細野氏が激しく競り合い、長妻氏が追いかける展開となっています。全員が民主党の再建を掲げていますが、岡田氏は野党再編には消極的、細野氏は逆に積極的(維新の党の江田憲司代表と松野頼久幹事長と連携)とされ、長妻氏はリベラル派の結集と立憲主義を訴えています。
(図:http://livedoor.blogimg.jp/hfurumura/imgs/8/7/87d28162.jpg)
私は長妻昭氏が自民党との相違を最も明らかにできる候補者であると考えていますが、あの党内のお荷物である鹿野グループ(素交会)の支援を受けているという点でマイナスです。彼らが今頃になって「リベラルでござい」などという顔をして表舞台に出てくるのは滑稽で憐れですらあります。財務省に騙された野田佳彦氏に騙された二重のアホたちが選挙で大量落選したのに今回の選挙でまた復活してきているのを見ると虫唾が走ります。しかし、選挙は数であり、勢力ですから長妻氏を立てて、2位・3位連合を狙うか、勝ち馬に乗るかして復権を狙うというのは合理的な判断だと思います。
現実的には岡田氏と細野氏の一騎打ちで、事前の調査では岡田氏がやや優勢ではないかという結果も出ているようですが、それも一部であって、激しく競い合っているようです。そのせいなのでしょうか、岡田氏は大きな利敵行為を働いてしまいました。3氏が集まっての公開討論会の席上、細野氏が今回の総選挙に関して失敗であったと述べたところ、総選挙時、国政選挙担当の代表代行であった岡田氏は、細野氏との会話の内容を明らかにして、維新の党との連携話があったことを暴露してしまったのです。
代表選挙はたしかに選挙であって、勝ち負けがあることですから様々なやり方で相手をやっつけることは必要です。しかし、同じ党内でのことであり、選挙後も仲間としてやっていく訳ですから、そこまでのことはしないのが暗黙のルールであり、常識です。そんなことは政治家ではなくても分かることです。暴露合戦、批判合戦になってしまえば、党内、党外に「内輪もめをしている」という印象を与え、マイナスになってしまいます。政策論争で丁々発止ならまだしも、今回の岡田氏の発言はいただけません。世代交代(下からの突き上げ)に相当焦りがあったのだろうとは推察しますが、このセンスのなさと余裕のなさはそれだけでリーダー失格です。
岡田氏は優秀であり、人格も立派で、1990年に初当選した自民党に残っていたら、今頃は総理総裁候補であったかもしれない人物です。民主党代表や外務大臣も歴任した政治家です。しかし、どうもセンスと余裕、人間味を感じさせないところがリーダーに不適格な感じがします。あまり欲をかかずに淡々としていればチャンスは巡ってくると思いますが、下からの突き上げにもう党内最古参となってしまっていて焦っているのでしょう。
これは私の推測ですが、細野氏と維新の党の江田代表の連携も気に入らないのではないかと思います。岡田氏と江田氏は東京大学法学部と通産省の先輩後輩にあたりますし、ハーヴァード大学派遣も経験しているところまで一緒です。下に二人の経歴をまとめてみましたが、よく似ています。
岡田克也氏は1953年生まれ。1976年に東京大学法学部を卒業し、通商産業省(現経済産業省)に入省しました。1985年から1986年にかけてハーヴァード大学国際問題研究所研究員を務めました。ハーヴァード大学時代には『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の著者エズラ・F・ヴォーゲル教授の薫陶を受けたそうです。1990年から衆議院9期連続当選をしています。
江田憲司氏は1956年生まれ。1979年に東京大学法学部を卒業し、通商産業省(現経済産業省)に入省しました。1987年から1988年にかけてハーヴァード大学国際問題研究所研究員を務めました。ルームメイトがオバマ政権野マイケル・フロマン米国通商代表部代表です。フロマンはロースクールの学生で、ロースクールの雑誌編集でバラク・オバマ大統領と知り合いました。2000年に衆院選に出馬し落選してしまいました。2001年に初当選したが、2003年に再び落選してしまいました。2005年から連続当選で衆議院通算5期当選しています。
岡田氏は江田氏が自分ではなく、細野氏と連携を構築しているのが気に入らないのではないかと思われます。これは私の勝手な推測ですが、岡田氏が政治家のセンスとは全く真逆の党内をぎくしゃくさせるような暴露を公の場でしてしまったのは、焦りと個人的な怒りがあり、判断を狂わせてしまったのではないかと私は推察しています。
新代表を迎え撃つ自民党の幹部たちは「岡田氏の方がやりやすい」と話していると複数の関係者の方々から聞きました。岡田氏は想定外の手法を取ることはないので、行動を予想しやすく、対処しやすいと考えているのだということでした。その点で岡田氏は骨の髄まで官僚的な人なのだろうと思います。そして、彼が暴露合戦を行うことで、民主党のイメージが更に悪くなってしまいます。岡田氏が代表になろうとして禁じ手を行うことで、自民党を利することになるのです。
そのようなことも気付けないような人が、自分の小さな利益実現のために大きな利敵行為をしてしまう人がリーダーになるようでは、日本の政界はまだまだ一強多弱時代が続いていくことになるでしょう。
(新聞記事転載貼り付けはじめ)
●「岡田氏また細野氏批判…代表選、泥仕合の様相」
読売新聞 2015年01月10日 10時11分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150110-OYT1T50021.html
民主党代表選(18日投開票)に立候補している岡田克也代表代行、細野豪志元幹事長、長妻昭元厚生労働相の3氏は9日、BSフジの番組に出演した。
岡田氏が8日に続き、細野氏の言動を批判するなど、泥仕合の様相も呈してきた。
岡田氏はこの中で、細野氏のグループ結成について、「自民党の派閥政治のようにならないことを祈りたい。私が代表になれば、どういう形で(グループ活動を)やるべきか、党の中の機関で議論していただきたい」と述べた。細野氏がグループのメンバーに対して財政的な支援を施す一方、他グループとの掛け持ちを認めないなど、自民党の派閥に倣った運営を行っていることを批判したものだ。
岡田氏は8日の公開討論会に続き、細野氏が衆院選前に維新の党との合併を提案したとし、「説明すべきだ」と追及もした。
これに対し、細野氏は、「排他的なグループではない。(維新との合流は)少しでも仲間をたくさん通すためにいろんな方法があるのではないかと話した」などと反論した。
長妻氏は「コメントしづらい」と述べるにとどめたが、陣営幹部は「内輪もめをしていたら民主党にとって命取りになる。融和の象徴という立場でやっていく」と語った。
●「「細野氏は維新との合併主張」 民主・岡田氏が会話暴露」
朝日新聞デジタル 1月8日(木)23時28分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150108-00000049-asahi-pol
8日にあった民主党代表選の討論会で、岡田克也代表代行が、衆院解散直前の昨年11月、細野豪志元幹事長が「衆院だけでも、みんなの党や維新の党と合併するべきだ」と主張していたと明かした。細野氏が代表選で、維新との合流に否定的な立場をとることの矛盾点を突くために、やりとりを暴露した。
岡田氏は「あの話はいったい何だったのか。政治家は自分の言葉に責任を持つべきだ」と追及。これに対し、細野氏は「残念だ。政治家同士のクローズの話だ」と語り、岡田氏の姿勢を批判した。
さらに細野氏は「維新側から、関西(の候補者)を切り離すというサインがきていた」と述べ、維新との交渉まで踏み込んで打ち明けてしまった。結局、細野氏は同日夜、岐阜市内で「訂正したい。維新側から提案があったのではない。様々なやりとりの中でアイデアとして浮かんできた」と軌道修正した。
(新聞記事転載貼り付け終わり)
(終わり)
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