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美人局の黒幕にまで成り下がった政治ブローカー
官房機密費2億円を巻き上げた右翼活動家の今
http://dmm-news.com/article/906135/
2015.01.10 11:50 DMMニュース
【朝倉秀雄の永田町炎上】
2014年11月17日、警視庁新宿署は、大手外食チェーンの社長に「レイプされそうになった」などと言いがかりの因縁をつけて示談金を脅し取ろうとした容疑で、金融会社社長としてもメディアに露出していたタレントの鈴木雅子(31)と、貸金業者の岡村泰孝(66)の二人を逮捕した。が、その後の捜査で、二人の背後で糸を引く「黒幕」がいたことが判明。鈴木の交際相手で広域暴力団住吉会系の右翼団体「日本青年社」の元副会長(現在は顧問)の滑川裕二(63)を逮捕した。
2000(平成12)年には、時の官房長官・中川秀直氏へ女性問題をネタに「公開質問状」を送りつけ、政府の公金である官房機密費2億2千万円を巻き上げた疑いがあることで、永田町ではいささか知られた男だ。
それに味をしめたのか、2004(平成16)年10月にもNPO法人「メディアオンブズマン」理事長を名乗り長野県の医療機器製造会社の社長から約8000万円を脅し取ろうとして恐喝未遂容疑で捕まっているから、警察の厄介になるのはこれで二度目だ。
■政治家と闇社会の腐れ縁
政治家というのはなぜか右翼、大陸浪人、ヤクザなどといった得体の知れない人種と付き合うのが大好きなようだ。
例えば、「政財界の黒幕」と呼ばれた右翼活動家の児玉誉士夫。戦時中に「児玉機関」を率い、戦略物資の調達にあたる傍らで各種謀略に手を染め、終戦時に大陸で略奪した大量の金やプラチナなどのインゴットを密かに持ち帰り、鳩山一郎(鳩山由紀夫元総理の父)の自由党結党資金として提供。岸信介(安倍総理の祖父)、河野一郎、あの大野伴睦らとつるんで日韓国交正常化の裏で暗躍し、ロッキード事件の捜査で初めて表舞台にあぶり出された。
また、「室町将軍」こと巨頭・三浦義一。戦後いち早くGHQ(連合軍最高司令部)と繋がりをもち、佐藤栄作元首相から政界入りの相談を受けた際にはその首元に日本刀の刃先だか槍の穂先だかを突き付け、顔面蒼白となった佐藤に「いまの恐怖を忘れないように」と諭したとされる。さらには、怪僧・井上日召率いるテロ集団「血盟団」の生き残りにして中曽根康弘の座禅の師でもあった四元義隆など。
彼らのように、時の最高権力者に一目置かれるような存在になると「政界フィクサー」とか「歴代総理の指南役」などといったご大層な名前で呼ばれるようになるが、やっていることは政治ブローカーにすぎない。
■小粒になってしまった平成の「政界フィクサー」
もっとも、こうした連中はすでにこの世になく、かろうじて「政界フィクサー」と呼べるのは、小渕、森、小泉、安倍の各総理が何かと頼りにして官邸にも自由に出入りしていた池口恵観くらいのものであろう。この「炎の行者」こと池口も、朝鮮総聯本部ビルを落札したものの、結局、残金が調達できず、いたずらに世間を騒がせただけだった。
滑川裕二などは池口よりもさらにスケールは小さくなるが、一種の政界フィクサーと呼んでいいのかもしれない。
滑川は、住吉会という暴力装置を背景にする日本青年社の副会長として政界や芸能界に幅広い人脈をもち、「揉め事」の仲裁役を買って出たり、政界と業種との間に介在してカネにしたりしてきた「事件屋」あるいは「政治ブローカー」といった人種だ。
ちなみに滑川は筆者と同郷で、しかも同い年。共通の友人知人も多いから、その人となりは手に取るようにわかるが、滑川自身はヤクザではなく、本職は神官だ。
茨城県北部の由緒ある寺社の長男として生まれ、地元の県立高校を出た後、国学院大の神道科に進み、成田闘争には学生の身で自分の事務所を持ち、極左勢力を蹴散らすために国学院の右翼学生らを率いて参加している。日本青年社の母体である小林会の二代目会長であり住吉会現会長の福田晴瞭氏に可愛がられ、右翼活動家として頭角を現したらしい。
■背後に「暴力装置」のない右翼は相手にされない
ところで中川秀直氏が、覚せい剤取締法違反の疑いで家宅捜索を受けた女性との交際や捜査情報を漏らしたことを滑川に嗅ぎつけられ、事を穏便に収めるために官房機密費を渡したと報じたのは新潮社の写真週刊誌『FOCUS』(2001年に休刊)だが、中川氏が政治家の常套手段として新潮社を相手取って慰謝料訴訟に及んだために、その真偽のほどが争点となった。
その点について、2004(平成16)年2月4日付けの朝日新聞は「内閣官房が、00年7月と8月に内閣官房報償費(機密費)から計2億2千万円を中川氏に支出したことを示す文書を広島地裁に提出していることが3日、わかった」と報じているから、公金が滑川の手に渡ったことはほぼ間違いないだろう。
そんな、時の権力者を手玉に取るほどの滑川裕二だったが、数年前に突如、日本青年社の副会長を解任されている。現在は「顧問」を名乗っているが、あくまでも名前だけに過ぎず、かつてのような威勢はないと言っていい。
筆者が、滑川を知る者から耳にしたところによると、どうやら「不始末をしでかした」というのだが、政治家が右翼に気を遣うのは背後に暴力装置が控えているからで、それが機能しなくなれば、まともに相手にする必要はなくなる。
滑川が女とつるんで美人局まがいのことをやらかすまで墜ちたのも、力の衰えに焦ったからではないだろうか。
虚業はしょせん、「浮き草稼業」に過ぎない。
朝倉秀雄(あさくらひでお)
ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。
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