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2015-01-10 08:32:22
「このままで、まあええやんか」という何となく現状のままに流されようとするのが、日本の政治風土だそうです。良くも悪くも「今」しか考えない。
「現状が『そこそこ』なら、このままでいいんじゃね、みたいな感じで乗っかっちゃう」。こう日本人の「今」を分析するのは、精神科医の斎藤環さん。朝日新聞の本日1月10日付け朝刊が、「有権者を考える」欄(4面)に掲載したインタビュー記事です。
絶望的になりかけるのは、この「何となしの現状肯定」が、日本人の「異様なまでの柔構造」に根ざしているといえるようだからです。
「表面だけ追随しても深層は一切、変えないための柔軟さを日本人は持っている」
「外来語をカタカナで取り入れるが日本語の構造はびくともしない」
「二大政党制を導入しても選挙はどぶ板のまま」
「巧妙に新しい者を取り込むと同時に前近代を壊さないという二重構造が日本社会の特長です」
こうした絶望的ともいえる脱力感は、「困ったことに安心感でもある。そうめちゃくちゃな方向にはいかないだろうという」安心感。
斎藤さんは、「自民党が本来の保守ではないと言われながら、21世紀の今も勝ち残っているのは、まさにそんなところにあるのではないでしょうか」という。「そんなところ」とは、そうめちゃくちゃな方向にはいかないだろうという一種の安心感です。自民党はこうした「強い安心感」に支えられている。
「学歴や階層とは無関係に、物事を深く考えない反知性主義が強く、気合や勢いを大事にするため、何となく現状肯定」な層に支えられている。なかは空虚でも、「この道しかない」という気合だけは入っている風な雰囲気が支持されている。
斎藤さんは、「ヤンキー化する日本」という本を出しましたが、そのヤンキー、最近はマイルドヤンキーといって、「ちょい悪ながら、地元と仲間の『絆』が大好き」な層が、投票に行けばなんとなく自民党に入れる。
市民社会への成熟など望むべくもない、いつまでも”幼稚な”日本人。選挙になれば自動的に自民党に投票するような無意識レベルの反応。小渕優子という議員の一件に見られるように、政策も人柄も賞罰も関係ない。強力な地盤と後援会の自動運転。「何があっても落ちようがない」。
2009年に政権交代が起きたが、これとても「自民党におきゅうをすえたいという空虚な説教があっただけ」だそうです。
う〜ん。それでも少しずつでも前に進むしかないですよね。
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